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画を映す、それが映画 映画「恐怖の報酬」のスゴさ ※リレー企画「大改造劇的ビフォーアフター」参加記事

今回はnoter の髙岸さんからリレー企画のバトンが届きましたので、参加してみたいと思います。

この記事は兼業主夫パパさんの【大改造劇的ビフォーアフター】の企画で「過去に書いた記事を書き直してみましょう」という企画です。素敵な企画ですね。トライしてみます。

私がテコ入れするのは初めて映画について書いた記事です。8ヶ月前、noteを書き始めて3日目に書いた記事。当時はnoteの書き方も分からず、フォロワーもほぼゼロの状態でした。ですのでもらったスキは4…。

でも、強い思い入れがあり、是非たくさんの方に知ってもらいたいので、記事のリメイクをしたいと思います。それではどうぞ。

超絶映画体験「恐怖の報酬」

私が幼稚園の頃に初めて観た映画が「インディージョーンズ レイダース失われたアーク」。そこから映画の魅力に取り憑かれ、これまで4,000本以上の映画を観てきました。その中で、コレはスゴイ!という作品をnoteでもご紹介していきたいと思います。

無数にある作品の中でも深く心に刺さる作品があります。その共通点は「没入感」の強さ。マインドフルな状態にさせてくれる作品にリスペクトを感じます。

そんな視点で作品をチョイスした時に、一本目に挙がって来るのがこちら、「恐怖の報酬」。「何その映画?」と思われる方も多いでしょう。それも当然で、40年以上前のかなり古い作品です。

そんな古い映画にどんな魅力があるのかと疑問に思う方もいるかも知れませんが、この映画が提供してくれるのは「超絶『映画』体験」です。私はこの作品を観て、改めて「映画」という言葉の真意を理解しました。

ここ10年で観た映画が全部吹いて飛ぶほどの強烈なトラウマ体験を体感できます。もちろん良い意味で。オススメです。

「恐怖の報酬」とは?

4人の悪人が行き着いた最底辺の場所。そこから逃げ出す為に高額な報酬の仕事に命を賭ける男たちの物語。僻地の火災を止めるため、ニトログリセリンを積んだトラックでジャングルを疾走する。 はたして4人は無事火災現場に到着するのか。いつ爆発してもおかしくない状況で、男たちは命懸けでアクセルを踏む。

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1977年に作られた作品のデジタルリマスター放映。もともとは1953年のフランス映画『恐怖の報酬』のリメイクです。完全版は2018年に日本で初めて劇場公開されました。デジタルリマスター版を劇場で観た時、観賞後しばらく席を立てないほどの衝撃を受けました。43年前に産まれた作品とは思えない、古さを微塵も感じないパワーと狂気とリアリティ。とんでもない映画です。

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ウィリアム・フリードキン監督は『エクソシスト』、『フレンチコネクション』を撮った映画界の巨匠。小津安二郎や黒澤明にも影響を受た映画人で知られています。その彼が「自身の中で最高傑作」と断言した今作。コッポラの『地獄の黙示録』に並ぶ衝撃の作品だと思います。

この映画のココがスゴイ

この映画、現代の映画と決定的に違う点がいくつかあります。

1.画力の強さ

40年以上前の作品ですので、もちろん当時はCGなどありません。おそらく特撮技術も使われてません。これはつまり、映像化されている「画」は実際にカメラの前で起こっている「現実」をフィルムに収めているという事です。

この作品の象徴的なシーンに吊り橋のシーンがあります。これは正に生死のギリギリの極限状態。一歩間違えれば命も落としかねない、超絶に危険なシーンをカメラに納めています。観客は「手に汗握る」をとんでもないレベルで体感することになります。「よくもこんなシーン撮れたな…」と観た後も信じられない気持ちが今も残ります。

演出やカメラワークの技巧で観客を惹きつけるのではなく、「リアリティ」で観客の心を鷲掴みにする映画体験は他ではなかなか味わえません。この画力の強さを、映画好きの方は是非体感いただきたいです。

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2.説明の少なさ

この作品に、過度な演出はありません。セリフも少なく、仕草と表情で語るシーンを重ねて重厚なストーリーが組み立てられています。画の中で生きるキャラクターの表情から感情を想像し、没入していきます。

これは説明しすぎで過度に丁寧な現代の映画と全く思想が違います。「想像する余地」があることは「深み」につながり、結果、非常に味わい深い作品に仕上がっています。

思うに「人間ドラマ」とは「人が生きる力強さ」だと思います。我々の日々の生活にはナレーションや解説などはありません。あるのは感情、表情、仕草、行動。この映画も正にリアルな「人間ドラマ」が描かれています。

余白や空白を埋めながら観る映画は、映画の楽しみ方を改めて教えてくれます。

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3.ハイカロリーな擬似体験

この映画は極限状態、過酷な環境をこれ以上ないリアリティで表現しています。登場人物は常に汗まみれ。泥まみれ(本当に全身泥まみれ…)極限状態を役者が正に「生きて」います。演技を超えた、説得力と緊迫感があります。

よく、映画の魅力は「擬似体験である」と言われます。登場人物と自分を重ねて、経験を我が物とする。観た後に観客の中に何らかの感情が生まれて、擬似体験による経験価値を高めるという意味合いです。この映画はそういう意味では、非常にハイカロリーな擬似体験を味わえます。

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まとめ

「恐怖の報酬」というタイトルとおどろおどろしいポスターからホラー映画を連想してしまいがちな本作ですが、至高のヒューマンドラマ映画です。

画力の強さ、圧倒的なリアリティ、最小限の演出と想像の余白で観る者に「リアリティあふれる擬似体験」を突きつけるシリアスドラマ。CG全盛の今、改めて見直したい作品と言えます。

実はこの作品は版権問題などいろんな大人の事情でずっと日本公開されていませんでした。40年以上の時を経て、日本で上映されて本当に良かったと思います。

お酒では普通40年も前のモノにはそれなりの値段がつくものです。でも、映画は通常通り1800円で公開されていました。時間の付加価値が乗るのであれば、もっと高い値段がついてもおかしくないと思ったりもします。

「画」を「映す」、それが映画。

改めて「映画」の面白さを気づかせてくれる作品です。観たらきっと映画ライフにそのタイトルが刻まれる比類なき一本となるのではないでしょうか。

個人的にはこれまで観た作品の中で間違いなくトップ5に入る好きな映画です。

機会があれば是非体感いただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

他の映画作品の記事はこちらもどうぞ。

次へのバトン(リレー企画)

以上、自分の過去の記事を書き直してみました。noteを続けている人は誰もが日々改善を重ねているので、過去の自分の記事を見て愕然(絶望)する事もあろうかと思います。私の今回の記事も正にそうです。テコ入れしまくりでした(汗)

これは逆に言えば、それだけ自分が成長したとも言えますね。そういう意味で自分の成長を体感する良い機会でした。「過去の記事を書き直す」というアプローチはnoteにおいて自己成長の有効な手法かもしれません。今回のリレー企画に参加させて頂きありがとうございました。

ちなみに過去の記事はこちらでした…。

さて、とても素敵な企画ですので、次の方にバトンをお渡ししたいと思います。お二人の方に繋げれたらと思います。

1人目は池さん。毎回クオリティの高い記事を書かれていて、いつも刺激をいただいてます。以前もリレー企画で絡ませて頂きました。超多忙のお方なので非常に恐縮ですが、バトンをお渡しできたらと思います。(毎回記事のクオリティが高いのでテコ入れする余地がないかも知れませんが…)

2人目はみろひらさんです。最近コメントで少しやり取りさせて頂きましたが、まだあまり面識が無いのですが、健康や美容に関する素敵な記事を書かれている方です。ぜひバトンを受け取ってもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。

ルール
① 過去に掲載した記事でPV数が少ないが思い入れがある記事をリメイク
② タイトルのはじめに【大改造劇的ビフォーアフター】と入れ、後半に元のタイトルを入れる
③ 記事内にこのnoteページのURLを貼り付け
④ 最大2名の方にバトンを渡す
(期限は1月4日まで)

ちなみに、企画元の記事はこちらです。


この記事が参加している募集

noteでよかったこと

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