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謝りたいことがあるんだ。

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エッセイ風に日々の反省を書いています。
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記事一覧

白髪とメメント・モリ

コンビニのトイレでクソを捻り出し、ウォシュレットでアナルを洗浄した後に、何の気なしに鏡を覗くと、ふと気づく。

あっ、白髪だ。

なんとも言えない嫌な気持ち。光の加減かも知れないが、すごく気になる。一応、抜くかと、鏡に近づき白髪を掴もうとするとさらに気づく。

あっ、こっちにも白髪。

虚無に落ちる。

若いつもりでいても、いつの間にか私も37歳。肌艶は失われ、頭髪は薄くなり、白髪が混じり、チンポ

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生きてて欲しいと願うこと。

自分の人生なんてものは常に不幸がついて回って当たり前だと思っている。見た目も中身も人並み以下で、産まれも悪く、非才なうえに、大の努力嫌いに出来てるんだから、それは仕方とないことだと半ば諦めている。

なんだか偉そうに己が運命を諦観した様に「諦めている」と語ってはいるものの、実際に不幸が訪れた際は、人並外れた打たれ弱さと、自分の無能を棚に上げた被害者意識の塊みたいな私は、もう精一杯に打ちのめされて、

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人生はいつだって最悪。

人生はいつだって最悪だ。良かった試しなんか一度もない。何もこれは自分を過大評価して、棚から牡丹餅的に、我が身に僥倖がふってこない状況を呪詛してるわけではない。

人生において、ラッキーがやってくることなど、ハナからないものと思っている。因果応報で言ったなら、明日いきなりキチガイに拉致されて、散々にアナルを掘り上げられた後に、四肢を縛られ、チェンソーで生きたままぶった斬られても、文句が言えないような

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西村賢太が死んでしまったこと。

訃報を聞いたのはテニスコートの上だった。

友達が給水中にスマホを見て「ニシムラケンタって知ってる」と聞いてきた時、僕は彼がインスタか何か見てると思い、そんな名前の友人はいないので「知らんな」となんの気なしに答えた。

すると友達が「亡くなったらしいよ。芥川賞作家だって」と続けた。

「え?」

その瞬間に僕は、彼がニュースサイトを見ながら喋ってると気づいた。そして、それが西村賢太であると理解して

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マンボーだったら、映画館にいったらいいじゃない。

Twitterで繰り広げられる議論や、揚げ足取りや、告発や、批判に疲れて、平和なインスタに移行したんですけど。

いや、別にTwitterが悪いわけではなくて。結局、全ての事柄において正解なんてないのだから、Twitterも続けるうちに、答えのない禅問答みたいな繰り返しになっていると気づいたんですよね。

繰り返しも最初の二、三周はいいけど、それが5、6、7…と続くと良い加減に新しい刺激が欲しい。

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たまには良い話を。

たまにはいい話を書こうと思う。

と、思う理由は最近の自分の文章はどこか愚痴っぽかったり、背伸びをしていたり、露悪的だったりと…、とにかく欺瞞に満ちている気がしてならないので、ここらで一つ自分という人間の清い部分をそのまま書いてみたいと思ったからだ。

僕という人間は元来は生粋の純情派で、例えるなら大正の伯爵令嬢がごとく無垢で、心に汚濁の一滴もない、清々しく潑剌とした人間なのである。ところがどっこ

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エチケット優先主義。

最近、サウナにハマってて近所の温浴施設に行くのだけれど、当然その施設の注意書きには

「申し訳ございませんが、タトゥーや刺青の入ったお客様にはご利用をご遠慮いただいてます」

と、書いてある。

それをチラッと見てから、僕はお風呂に入っていたのだけれども、目の前でシャンプーしてるおじさんの背中にはガッツリ刺青が入っていた。そして、小さな子供を連れていた。

これを見て、あーなんてモラルの低い!!と

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恥の上塗り、酒の反吐、ゴミの一念、そう、そんな感じで今日もまた死に損なって生きながらえる。

あなたは人生で何回「明日からちゃんとしよう」と決意を新たにしましたか?

あなたは何回「このままじゃダメだ。しっかりしよう」と思い直しましたか?

私は、こんなことを何回も考えては、閃光のように一瞬でその思いを爆発させて、酒に溺れ、他人に当たり散らし、自らの愚行を棚に上げては世の中を呪詛し、醜く己の理想と行動を乖離させながらも生きてまいりました。

そして、このようなくだらぬ一念発起なんぞしてしま

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たまには短めに書いてみようか。なんつって。

20歳のちょうど今ぐらいの季節に僕は上京した。時の流れは早いものであれからもう14年経ってしまった。

下高井戸駅を降りて5分ほど歩いたところにあるアパートが僕の住処だった。甲州街道と京王線に挟まれたその木造アパートは、とてもレトロで、汚くて、良い意味でも悪い意味でも味があった。

六畳一間の和室はイグサの香りが懐かしくて、僕は気に入っていた。部屋には布団が一組と、コタツテーブルと、座椅子と、ブラ

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忘れたことすら忘れていく悲しさの話。

随分と無理な体勢で寝ていたことに気づいたのは深夜三時だった。気づいたのは当然目覚めたからで、腕を枕にして寝ていたようですっかり右手が痺れている。痺れた腕を自然な方向に持っていき、そのまま痺れが治り再び眠りにつこうとしたが、思い直して起きることとする。

と、言うのも今は現実と夢の狭間にいるから、先ほどまで私は夢の中にいた。いや、今はこうして目が覚めているから、それを夢だと思い返せるのだが、とにかく

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夜が好きだから、夜は極力眠りたくない。

中学校の頃。校舎の棟の一番西側に非常階段があった。その非常階段を一番上まで登ると、小さな踊り場があり、そこから壁つたいに鉄梯子がかかっていて、そこを登ると校舎の屋根に登れるようになっていた。

当然、そのような危険な梯子は生徒が近づかないように有刺鉄線と鉄板で固く閉ざされている。が、なぜか僕はその梯子にいつも心が惹かれていた。おそらくこの学校でこの梯子を突破して、屋上というか、屋根というか、とにか

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初体験は一度しかない。

19歳、このまま何もない人生が漠然と続いてくことに焦燥を覚えていた。自分とは一体なんだろうか。

好きな子と同棲生活を送っていた。仕事もそれなりにしていた。仕事終わりにスーパーに立ち寄り、彼女と夕ご飯の買い出しをしている時に、自分の人生にしてはうまくいってるな。幸せだなぁ、とふと思ったりもした。

朝起きて、肉体労働に励み、夕方に帰り、ご飯を食べて眠る。欲しいものもあまりなかった。やりたい事なんて

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珍しくちょっといい話。その2

うだるような暑さに目を覚ます。昼過ぎに起きる怠惰な生活にため息を一つ。あぁ今日は8月15日か。

起きてから一通りの準備を済ませると僕は護国神社へ向かった。毎年、終戦記念日のあたりで欠かさずにお参りをしている。理由はただ一つ。亡くなった祖母が毎年行っていたから、その想いを切らせたくないから、僕の中の恒例行事。

どこまでも続くような、澄みきった青空だった。空を揺蕩う白雲を眺めていると改めて平和のあ

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あの場所

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」ってアニメ知ってます?通称「あの花」ってアニメ。すごく好きで僕は何回も見てます。

このアニメで何回か出てくる言葉なんですが「あの場所で」ってすごく素敵な言葉ですよね。その「場所」で感じたことって年をとって訪れたりすると、その時のことを思い出したりして、、、場所でものを思い出すことってありますよね。あそこを通るとアレを思い出すみたいな…

そんな場所が僕に

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