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2024年 正月 記録
カバー写真は約2年前、2021年の11月に富山・高岡駅から撮影した夕陽に染まる立山連峰です。
私の父は富山県高岡市の出身。今も祖母が高岡に、ほかにも遠い親戚が何人か高岡、氷見にいます。そんな我が家にとっては、ざわつく正月となりました。
けれど、テレビでドラマやバラエティや箱根駅伝を見て、ご飯を食べて、お昼寝をして、家族麻雀をして、お酒を飲んで……と、〝普通〟に正月を過ごしています。
〝普通〟
色彩 〜2023年2月 その1〜
美容室帰り。表参道を歩いた。
交差点には
「THE BIG ISSUE」の販売員がいた。
ここで売っているのは、初めて見た。
最新号を一部購入。
販売員のお兄さんに
「スヌーピー好きなんですか?」と聞いたら、
「どうしてわかったんですか?」と言われた。
マフラーも帽子も
全てスヌーピーが付いていたのだから、
どうしてもこうしてもない。
「あ、そうですね」と笑ったお兄さんに
話しかけて良かっ
きっと、恋をしていた
「あなた、本当はいい人いるんじゃないの」
祖母の言葉に食べかけの豆苗を詰まらせそうになる。隣では妹がお茶をむせていた。
・・・
その日、昼前に電話がかかってきた。
「あなた、今日は予定は?」
「特には。あれ、ママから検査入院って聞いてるけど、持っていくものとかある?」
「なら恵比寿に出てきてちょうだい。今日、退院したのよ。で、今、恵比寿のいつもの中華のお店にいるから。食べさせてあげるか
泣くことを忘れていた
泣かない子だった。
涙の理由が分からなかった。
練習をしたのだ。泣かない練習を。
泣きそうになれば、自分をツネる。視線を外して気を逸らし、別のことを考える。そうやって泣かないようにした。
いつしか、泣かない自分が出来上がっていた。
『帰ってきたドラえもん』を観ても、泣かない。『のび太の結婚前夜』を観ても、泣かない。クラスでイジメ問題があって泣いている子を見ても、泣かない。ケガをして
作家になりたかった私へ
9歳の私へ
「20年を経て、今のあなたは小説集と、小説のような膨らみのあるエッセイ集をつくっています」
そう言ったら、驚くでしょうか。やっぱりそうかと思うでしょうか。
でもね、あなたが思っているのとは、ちょっと違うかもしれません。
まず、「小説集」のほうは、内容がきっと想像しているものと違うでしょう。読んだこともない雰囲気なんじゃないかな。私自身、正直いまでも少し驚いているんですよ。