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小説的なテクスト

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#日記

totally

totally

Totally okay, totally. 手紙はこれきりだった。どう訳そうか、と思案する。全部大丈夫、全部。まったくかまわない、かまわないから。これっきり。もう次の手紙はなくて(そんな予感はほとんど確信に近くて、totally!)、わたしはずっとこの言葉を抱えていくのだ、と思った。

実際のところ、それを抱えていられる時間はあまりなくて、おっとそういえば、と気付いたときにもう一度抱えなおす程度

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綿飴とニューカレドニアで暗殺された首相

綿飴とニューカレドニアで暗殺された首相

早く夏を抜け出したい。

祈りのように。きれぎれの言葉で。信じること、という。根源を持たないまま信じることを考えても、全ての瞬間でその思考が崩れ去っていくような気がする。

傷をひらく。思い出したくないことと、思い出せないことと。思い出したくないことのなかにも、ひとがそうするように(侮辱や蔑視の匂いで)しむけるものと、自らが執拗におのれへ課す立ち入り禁止の標識がある。

前者によって縛られた記憶は

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あまb-いにおu-いやr-まいy-(埋sweet-smell-disease葬)

あまb-いにおu-いやr-まいy-(埋sweet-smell-disease葬)

ときめく、揺蕩う、立ち止まる、離れる。素直に書こう。

ときならずとも

対象にたいして、ずっとときめき続けるというのは、想像以上にエネルギーを費やす行為だと思う。ときめく、という言葉を使わないとしても、例えば「向き合う」とか「興味を持つ」とか「愛する」とか。

その意味では、会話という行為は「あなたに対していつもときめき直すこと」なのだと思う。あなたが次の瞬間に何を語るのか、唇の動きの奥底にある

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冬の朝が到来して・レモンジャムがない日のこと・政治

冬の朝が到来して・レモンジャムがない日のこと・政治

いつものことだ。いつものこと? いつも……そこで湧き起こるさまざまの逡巡は本当にいつもなのだろうか。何かを忘れているような気持ちで、薄ピンクに染まった夢の中を歩く。片付けかけのテーブル、とうに冷め切った紅茶、責め立ててやまない締切、各種の書類、関係項のなかで生きる自分、賞味期限の迫った山型食パン、マーマレード、冷えた足の指先、目が覚める。冬の朝らしい弱い陽光に輪郭を浮かび上がらせるテーブル。羽毛布

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朝日の代わりにレモンを、夢の後始末

朝日の代わりにレモンを、夢の後始末

意を決して何かを書き始めているうちに、必要に迫られてさまざまの節々、襞の折り目、カーテンの隙間などを探すことになって、いつのまにか膝下までを水に浸していることに気付いたりする。そのときの水温はいつも、たとえば寝付けないときの自分の体温に似ていたりして、妙にぞわぞわする生温さを称えていたりするのだった。それでいてあくまでも透明で、どこまでも覗き込めそうなほど、眼球にぴったりと当てはまっていく。踏み込

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オレンジタルトと話した日のこと

オレンジタルトと話した日のこと

ある曲を初めて聴くときいつも、それが一度でぴったりするすると調和を持って流れ込むことはない。何度も繰り返し聴くうちに、全体としての緩急、音の流れ込むタイミング、言葉、あらゆる要素がようやくまとまりだして、一つの曲として聴けるようになる。いつも不思議に思う、ある言葉を聞いていて、その内容は覚えていられるのにどうして一言一句覚えていることはできないのだろう、と。それを思い出そうとするたびに常に流れ込ん

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悲しい動物、双子葉としての世界。

悲しい動物、双子葉としての世界。

忙しい日々が続いている。6月というのに真夏日をやすやすと超えて、朝な夕なに感じる風が、コンクリートの上をたいそう苦労して通ってきたのだろうと思わせるほどに傷だらけであるのを知る。風は、常に同じ温度ではない。ひと吹きするなかにも、一種の緩急があり、温度の波がある。紫陽花の横を通り過ぎたのだろうか、と思いきや、ああこれは労しいと思うほど熱い瞬間があったりする。どこをどう走ってきたのだろうか。足跡として

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小説(つまりこれは真実なんかじゃない)・けれど・確かな痛み

小説(つまりこれは真実なんかじゃない)・けれど・確かな痛み

目が覚める。ひとり、音のない部屋でうずくまっている。開け放した窓からは18度ほどの空気が流れ込んでくる。まだ皆目消化不良の咀嚼物が胃から吐き出されようとしている感覚がある。持ってきていた「お気持ちの薬」もそろそろ切れる。それがなければ生きていけないわけでもないし、毎日飲んでいるわけでもない。胃液が上がってくるような日、やるせない自己嫌悪で寝れないとき。こまやかな条件が付せられた私の精神安定には、い

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羽虫による同性愛・潰れた熱帯魚・聡明な枝豆たち

羽虫による同性愛・潰れた熱帯魚・聡明な枝豆たち

足の指の先が冷たくなる。もう20度を超えることはないのだろう。ガラスの窓に、光に誘われた羽虫がぶつかる音がする。二十四時間営業のコンビニのガラスにぶつかり続ける虫のことを思う。入店する客に紛れて、煌々と光っているコンビニの城楼へと忍び込めた虫は、永遠にその箱の中を彷徨う。世界から隔絶されたそのホワイトキューブ的空間——時間や連続性、そして何より記憶からの断絶——で、徘徊することしか許されない虫たち

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アカシアの俎板

アカシアの俎板

何かを吐いてしまいそうな気がして、目が覚める。皮膚から3cm下あたりが妙に火照ったような心地がし、それが内臓からの熱だと気付いた。自分がなにかひとつの大きな臓物になったように思えてくる。枕元に置いてあったミネラルウォーターを手繰り寄せ、粘ついた唾液を水とともにそのまま嚥下した。すべらかな水が私の食道や胃を軽やかにしていく。いつも驚いてしまう。自分が動物として必死に熱を発していることに。生命を維持す

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