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世界の美味しい月

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世界の片隅であなたが味わう美味しい月の物語
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#エッセイ

美味しい月が描けるまで

美味しい月が描けるまで

9/22(火)に発表された私設賞「お月見 コンテスト」
塩梅かもめさんの作品が大賞に相当する満月賞を受賞されました。この作品、グループ参加という変わったカタチなんですね。(詳しくはコチラ)

ぼくはグループ参加のエッセイ投稿とは別に、トップ画作りにも関わりました。今回はその制作過程を書こうと思います。



かもめさんからもらったオーダーは、「食」「月」「世界・宇宙の広がり」をイメージできるよう

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世界の片隅で見つけた美味しい月

世界の片隅で見つけた美味しい月

ずっと月を眺めている。

今、自分が見ている月は数時間前には地球上の別の場所にいて、そして数時間後には別の場所に、満ちたり欠けたりしながら姿を現す。

北半球と南半球で三日月の欠け方が違うことを今まで気づかなかったなんて言ったら笑われるだろうか。

それぞれが見上げる月の下では、全く異なる時空の『今』が流れている。月を眺めている『今』は自分の今日であり、誰かの昨日であり、さらに誰かの明日でもある。

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月が追いかけてきて

月が追いかけてきて

 太陽と月とどっちをよく眺めるかというと、月の方かなと思います。太陽はたまに夕日を見るぐらいで、ご来光は人生で2回しか見たことがないです。その点、月はしょっちゅう見られます。

 小さい頃、車で13時間かけておばあちゃんの家に帰省する途中、車の窓から見える月がいつまでも追いかけてくると思っていて、どこまでついてくるのかずっと見ていました。1時間ぐらい見ていると疲れて、しばらく目を離してしまい、結局

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月のない夜に【エッセイ】

月のない夜に【エッセイ】

2020年9月8日。

月について書こうかと思ったら今週はどうやら夜空に月のない週だそうだ。道理で月の代わりに星がよく見えるわけだ。

運良く惑星もよく見える。

今の時期、まだ明るさ残る夕暮れ時、星が瞬く前に南の空にひときわ明るく見える星があるでしょう。それが木星だ。そして、その左上に小さく見える星、それが土星。この二つは肉眼でもはっきり見えるから晴れた日は空を見上げてみるといいんじゃないかと思

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月と氷と三角関数

月と氷と三角関数

🌙 🌙 🌙
ESSAY 1_1

あれはたしか

幼稚園の年中か年長のときで、まん丸のでっかい月が薄明りが残る空に浮かんでいた。公園からの帰り道、父と歩きながら不思議に思ったんだ。

「おとうさん、どうしてぼくがあるいても、月はずっとおなじところにうかんでるの?」

電柱や看板、家の塀は、見える角度や位置が歩くたびに変わっていく。でも、月はぼくの右斜め45度の空の上でじっと動かない。

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不吉な満月の晩と甘いお菓子

不吉な満月の晩と甘いお菓子

昨晩は満月との事で夕飯の支度を中断、ベランダに出て夜空を見上げてみた。その時の空は一面厚い雲に覆われて真っ白だった。

半日ほど前に日本各地から満月の便りが届いていたのに...残念。この空模様では今夜はサンパウロで満月を愛でることはとても無理そうだ。私は月見を早々に諦めて夕食の準備に戻った。

***

日本人である私たちが満月に抱くイメージはどんなものだろう。

月にはウサギが住んでいて、満月の

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夜空の月、それはサマルカンドのナンのようで

夜空の月、それはサマルカンドのナンのようで

昇りたてのオレンジ色の月を見て、その不思議を思う。

この同じ月を、世界中の人が見るんだ。

月を見るこの瞬間、地球のほかの場所では別の時間が流れている不思議。

地球のどこかの生活の営みを想像するいまも、時間は確実に、そして平等に流れている。ここでも地球の裏側でも、時は平等に刻まれている不思議。

いまわたしが見ている月は、地球のどこかで誰かが見た月。その誰かは、なにを思ってこの月を眺めたんだろ

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月とザンザレリ

月とザンザレリ

四季を問わず、夜、月を見ていることが多い。
月光浴が好きだ。
白い光、静寂・・・に包まれながら、
ただ、座っている。

たまに雲で隠れて、また少しずつ顔を出す月。
霞がかかったような幻想的な月。
やさしく慰められるような月の光を見ている。

どうしようもない気持ちを抱えた自分を浄化してくれるような気がする。
月を眺めていると、悲しくもないのに
涙が流れることがある。

そう呟いた友人は、とても感覚

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月の雫が私の中に溶ける夜

月の雫が私の中に溶ける夜

いつの間にか蝉の声が消こえなくなり、皮膚をジリジリと焼きつける無情な夏がようやく威力を弱め始める。

朝夕の温度差が急激に大きくなり、天空が次第に遠く高く離れていく。

収穫の季節が刻々と近づいているのを体感する時期。



ビオディナミ農法という言葉を聞いたことがあるだろうか。

オーストリアの人智学者であるルドルフ・シュタイナー氏により提唱された「地球の全ての生命体は、地球上だけのものではな

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【募集】世界の片隅であなたが見る月の欠片を探しています(重要な修正アリ!)

【募集】世界の片隅であなたが見る月の欠片を探しています(重要な修正アリ!)

また面白い企画が誕生したようです。

今日は、こちらのコンテスト企画に勝手に便乗し、グループ参加してみませんかというお誘いです。

春に開催した『トルティージャ祭』を覚えていますか?
世界中から送られてきたトルティージャで黄色いエネルギーを分かち合いました。

今回はその第二弾です。

月は地球をぐるりと周っています。同じ月なのに世界各地で見え方が異なり、お月見という文化はないかもしれませんが、月

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