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「ぬま大学」第10期説明会を通して気仙沼市の新たな一面にふれる|イベントレポート

宮城県気仙沼市では、担い手育成事業として「ぬま大学」の取り組みを行っている。多くの地方においても類似事業は行われているが、少なくない類似事業が持続性に課題を抱えているのが実情である。

持続できていたとしても、毎回同じ顔触れが集まり、本来の目的を達成できずにいるケースも少なくないとみられる。一方で気仙沼市はどうだろうか。驚くことに、気仙沼市の担い手育成事業は今回で10年目を迎える。


「ぬま大学」〜地域の人々×若者×移住者で創る宮城県気仙沼市の担い手を育成する希有な取り組み〜

先日本noteにおいて記事にしたが、ぬま大学は20代〜30代の若者が主体的に参加し、その中には移住者や気仙沼市への移住を考える人々など、地域外に出自を持つ人々が多い点も驚く点である。

全国的にも珍しい本取り組みの成果の一端は、過去にNHKでも取り上げられている。気仙沼市も人口減少に悩む地方の自治体の一つである一方で、若者や地域外の人々の活躍事例が持続的に生み出されている点には、ある種の希望が感じられる。

ぬま大学10期説明会を前にくるくる喫茶うつみと「つながる気仙沼プロジェクト」にふれる

今年で10回目を迎える「ぬま大学」が10期生の募集を開始している。4月19日の金曜日。10期生の募集にあたり説明会を開催するというので、気仙沼市を訪れた。

おなじみくるくる喫茶うつみ
食事をいただく

説明会の前に腹ごしらえをしようとくるくる喫茶うつみを訪れている。くるくる喫茶うつみは、明日4月20日から「つながる気仙沼プロジェクト」の展示の場となる。その準備のため、地球対話ラボの門脇氏が訪れていた。

展示は、既に様々な場所で行われている。今や気仙沼市にとってかけがえのない存在となっている外国人技能実習生たちが、気仙沼市とどのようなつながりを持てているのか、その様子を見られる貴重な展示だけに、ぜひ各地を訪れてその目で見て欲しい。

「ぬま大学」説明会で2024年2度目の来訪となるスクエアシップ

内湾エリアのイルミネーション

食事を終えて内湾エリアへと足を向ける。「ぬま大学」第10期説明会の会場は、気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ内のスクエアシップである。筆者がスクエアシップ内のスペースに入るのは、今年2回目となる。

前回は食事会・交流会だった。今回も交流会のようなものであり、どうも自分は交流会での利用ばかりしているとぼんやり思った。イベントスペースとしてよく使われているスペースだが、実のところコワーキングスペースである。

つまり、会費を払って仕事場として利用できるのだが、仕事場として利用経験を持たないままに会費を必要としないときにだけ顔を出している形になっているため、何とも複雑な心境である。

説明会は、「ぬま大学」の説明・OB及びコーディネーターのトークセッション・ワークショップ・応募案内の4部で構成された。参加者は3人一組に分かれて説明を聴き、ワークショップにてお互いについて話し合っている。

トークセッションで明かされる「ぬま大学」の受講者が前進する転機となるゾーン

トークセッションでは、前回参加者の2名が、参加のきっかけや参加中に感じたこと、実際に何をやったのかをざっくばらんに話し、コーディネーターが補足するといった流れで行われた。

筆者は9期生の報告会に参加していたため何をしたかは聴いていたが、報告会に至る過程、参加の前後で感じていたこと・考えていたことは初めて知ったため、とても興味深く聴いていた。

また、コーディネーターによるゾーンの話には納得感があった。よくやりたいことを見つける際の自己分析で用いられる話で、『やりたいこと・できること・求められていること』の3点を考える大切さが話されている。

自己分析の3円

「ぬま大学」の参加者はいわゆるマイプロジェクトに取り組む形となるが、個々によって進捗は変わる。また、思い悩むケースも少なくないという。一方で、ある瞬間から一気にマイプロジェクトが進むようになるらしい。

そうした状態をゾーンと呼び、ゾーンに至るには、上記の3円の中心、『やりたいこと・できること・求められていること』が重なった点を見つけられた瞬間が多いとのことである。

「ぬま大学」というフィールドにおいては、今自分が気仙沼市でやりたいこと、今自分が気仙沼市でできること、今気仙沼市で求められていることの重なるところである。それが見つかった後に、マイプロジェクトが大きく前進するのは、納得感が強い。

セッション終了後は、各組でお互いについて気仙沼市をテーマに話し合いを行っている。筆者は長年気仙沼市において教師を務められてきた方と気仙沼市へとIターンし、観光関連の仕事をされている方と話している。

異なるバックグラウンド、異なる関心、異なるやりたいことを持った三者で話す機会は発見に溢れており、短い時間であったがとても良い時間だった。こうしたつながるきっかけを得られるのは、気仙沼市の良さだと改めて感じる。

アンカーコーヒ内湾店にて

セッション終了後は、隣のアンカーコーヒ内湾店にて休憩し、本日の説明会の余韻に浸っていた。第10期がこれまで以上に成功することを願ってやまない。ちなみに、「ぬま大学」を運営する合同会社colereでは共に気仙沼市をより良い地域にする仲間を募集している。興味がある方は、検討してみて欲しい。


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