岩手&宮城散策ライター

宮城県気仙沼市を中心に地方の景色や飲食店・カフェ、イベントの様子を伝えます。文学を中心…

岩手&宮城散策ライター

宮城県気仙沼市を中心に地方の景色や飲食店・カフェ、イベントの様子を伝えます。文学を中心に読書記録も発信しています。画像置き場:https://www.pinterest.jp/LocalTimesCreator/

最近の記事

「消滅可能性自治体」と「集落のミライズ」を題材に気仙沼市の未来を考える|地域視考

春とも夏とも分からない混沌とした気候に見舞われた4月の日本に、「消滅可能性自治体」の言葉が飛び交ったのは記憶に新しい。2020年から2050年までの30年間において、若年女性人口が50%以上減少すると見られる自治体を指して、人口戦略会議(議長:三村明夫日本商工会議所名誉会頭、副議長:増田寛也日本郵政株式会社社長)が「消滅可能性自治体」と謳ったためである。 常日頃より妙ちきりんな提言を行い、その仕事振りが芳しくない日本商工会議所、その名誉会頭。そして岩手県知事として大きな失敗

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    • 「OTO 気仙沼 English Café」とアンカーコーヒーマザーポート店で心温まる英会話体験をする|イベントレポート

      宮城県気仙沼市で、英会話カフェが行われていると知ったのは、4ヶ月前〜5ヶ月前のことである。 岩手県大船渡市内で英語に触れられる喫茶店に出会い、他の地域に似た機会を得られる場所がないか探したことに端を発している。調べていく内に、気仙沼市で英会話カフェという形で活動が行われていると知った。 以降、開催日を目で追っていたが、中々都合が合わず参加できずにいたところ、4月27日にようやく都合がつき、念願の参加が叶った。今回は、そのときの様子を書こうと思う。 「OTO 気仙沼 En

      • 気仙沼市の商店街の一角でSilent stubborn government(SSG)の楽曲が波打つ幻想的な夜を過ごす|イベントレポート

        気仙沼市で活動している音楽アーティストのリスニングパーティーが開かれると耳にしたのは、先日のアジアカフェ&nihongo cafe のときだった。 それから10日少し。リスニングパーティーに参加すべく、黄昏時の気仙沼市を訪れた。 Silent stubborn government(SSG)の音楽とトークを満喫する! くるくる喫茶うつみでのリスニングイベントリスニングパーティーに関する情報は、くるくる喫茶うつみのInstagramで確認できる。Instagramを見られな

        • 『出会いがない』を現代にもたらしているものは何か? 川端康成の「伊豆の踊子」から答えを探る|読書場所:花Fe・HATOBA|読書記録

          ゆっくりと本を読める場所というのは、現代だと中々ないように思われる。もしかすると図書館くらいでなかろうか。もちろん本は何処でだって読める。読もうと思えば場所を選ばずにゆっくりと読めるだろう。 だが、たとえば喫茶店(カフェ)などの飲食店で、食べ物や飲み物とともに本を楽しみたいとなると、中々難しい印象を受ける。何せ飲食店の多くは、回転率が何より重要な業態で、一人の人間に何時間も居座られると困るためだ。 もっとも実際には「何時間も居られて困るんですよ」と注意するようなお店は少な

        「消滅可能性自治体」と「集落のミライズ」を題材に気仙沼…

          宮城県気仙沼市のまるきた商店を舞台に外国人技能実習生たちがナシゴレンの味を競う!|ナシゴレン・コンテスト|イベントレポート

          まるきた商店は、小売と漁業の両方にルーツを持ち、現在は気仙沼市魚市場前にてヤマザキショップの運営を行っている、気仙沼市の歴史ある企業の一社である。 気仙沼市にあるインドネシア食材店としても知られており、インドネシア食材を数多く扱っている。地方の歴史ある商店というと地場産品を多く扱っているイメージを持つ人は多いかもしれない。 もちろん地場産品も扱っているが、海外の食材を扱っている点にユニークさがある。ユニークさと言えば、まるきた商店は積極的に様々なメディアを展開している店に

          宮城県気仙沼市のまるきた商店を舞台に外国人技能実習生たちがナシゴレンの味を競う!|ナシゴレン・コンテスト|イベントレポート

          「ぬま大学」第10期説明会を通して気仙沼市の新たな一面にふれる|イベントレポート

          宮城県気仙沼市では、担い手育成事業として「ぬま大学」の取り組みを行っている。多くの地方においても類似事業は行われているが、少なくない類似事業が持続性に課題を抱えているのが実情である。 持続できていたとしても、毎回同じ顔触れが集まり、本来の目的を達成できずにいるケースも少なくないとみられる。一方で気仙沼市はどうだろうか。驚くことに、気仙沼市の担い手育成事業は今回で10年目を迎える。 「ぬま大学」〜地域の人々×若者×移住者で創る宮城県気仙沼市の担い手を育成する希有な取り組み〜

          「ぬま大学」第10期説明会を通して気仙沼市の新たな一面にふれる|イベントレポート

          春めく気仙沼・大島で豊かさの感じられる時間を過ごす|ウェルカム・ターミナル、休暇村|散策記

          本noteは、およそ3年にわたって気仙沼市を取り上げてきたにもかかわらず、未だに記事として取り上げられていない地域がいくらかある。その一つが大島である。 「気仙沼市の大島といったら、気仙沼市を代表する地域の一つでないか」と思われた読者がいるかもしれない。もっともである。反論のしようがない。なぜ記事にしていなかったかというと、実のところ特に理由はない。 たまたまである。そもそもこの3年間、大島に行っていなかったのかというとそういうわけでない。ただ散策する時間を取れておらず、

          春めく気仙沼・大島で豊かさの感じられる時間を過ごす|ウェルカム・ターミナル、休暇村|散策記

          サメと氷と美しい港町の景色を楽しむ春の散策|海の市、気仙沼シャークミュージアム、内湾エリア|散策記

          目に見える形で桜の開花を感じられるようになった2024年4月中旬。 「つながる気仙沼プロジェクト報告展」が開始されたのは、先日伝えた通り。今回は、報告展の展示を見るにあたって散策した際の話を書きたいと思う。報告展の展示が行われていた気仙沼市の「海の市」では、施設内のシャークミュージアムをリニューアルしている。その様子についても伝える。 くるくる喫茶うつみから南町、そして海の市(気仙沼シャークミュージアム)までを歩く散策の記録を伝えるにあたり、散策ルートについて少しだけ説明

          サメと氷と美しい港町の景色を楽しむ春の散策|海の市、気仙沼シャークミュージアム、内湾エリア|散策記

          気仙沼市民と外国人技能実習生をつないできた活動を知られる「つながる気仙沼プロジェクト報告展」と「アジアカフェ&nihongo cafe」体験記|イベントレポート

          現在の日本は、海外からやってきた多くの人々によって支えられている。とりわけ少子高齢化が進む地方において、外国人技能実習生と呼ばれる海外からやってきた人々の存在は、なくてはならないかけがえのない存在となっている。 一方で、母国を離れて日本で生活する彼ら彼女らにとって、地方はお世辞にも住みやすい環境になっていない。とくに言語の壁、見ず知らずのコミュニティで生活を営む壁は大きい。 新型コロナウイルスによるパンデミックが世界中で騒がれる以前、インバウンドによって地方経済が支えられ

          気仙沼市民と外国人技能実習生をつないできた活動を知られる「つながる気仙沼プロジェクト報告展」と「アジアカフェ&nihongo cafe」体験記|イベントレポート

          幸せとは何か? メーテルリンク・「青い鳥」が教えてくれる幸福の残酷な現実|読書場所:Hy's Cafe(ハイズカフェ)|読書記録

          幸福とは何かを探し続けている。私的な事情から、この十年はとにかく仕事に明け暮れていた。元々ありとあらゆることへの関心が薄かったこともあり、仕事以外への関心をあまり持たないまま生活のすべてを仕事に投入するのは難しくなかった。 その一方で、年を重ねる度に自身の生き方に疑問を持つようになった。とりわけ昨今は、仕事に結びつけないとありとあらゆる行動を起こせなくなっている現状を自覚し、生き方への疑問を深めている。 今年の一月末から読書記録を打ち出し、文学作品を読んだ感想を本note

          幸せとは何か? メーテルリンク・「青い鳥」が教えてくれる幸福の残酷な現実|読書場所:Hy's Cafe(ハイズカフェ)|読書記録

          「オープンデータ超入門」を読んで気仙沼市での使い方を考える|地域視考

          「地域視考」としては、更新が半月振りになる。コンスタントに出した方が良いとは思っているが、中々どうして難しく、どうしたものかと頭を悩ませている。 「地域視考」は、散策記とインプットを掛け合わせた記事にしている。結果的に、他の記事よりも制作に時間を要するため、多忙な日々を送る身との相性が良くない。元々、本noteの更新をより円滑にすべく考案した企画であるが、どうにも本末転倒の様相を呈している。 オープンデータとは何か? 「オープンデータ超入門」で知られる内容を解説さて、「地

          「オープンデータ超入門」を読んで気仙沼市での使い方を考える|地域視考

          未婚化・少子高齢化との戦争に敗戦する日本について壺井栄・著「二十四の瞳」を読みながら考える

          泥沼のような疲労感と止めどない虚無感に苛まれる日々を過ごす中で、ふとした瞬間に生き方の正誤について自身に問う機会が増えている。答えの出る問いではないが、選択はしなければならない。人生とはなんとままならないものかと思わずに居られない。 「二十四の瞳」を読み、少子高齢化で滅び行く現代の日本に思いを馳せるさて、読書記録もとうとう10回目であり、10冊目である。取り立ててアニバーサリーのような企画を行うつもりはなく、いつも通り粛々と感想を書いていこうと思っている。尚、Amazonの

          未婚化・少子高齢化との戦争に敗戦する日本について壺井栄・著「二十四の瞳」を読みながら考える

          喫茶マンボ・nine oneで春めく気仙沼市の美食を堪能する|散策記

          桜の開花こそ遅れているが、3月が終わった気仙沼市は春めいている。冬特有のどこか重苦しい空は影を潜め、夏に向けて青を色濃く映した空が広がる日が増えたように思う。 宮城県気仙沼市で最も有名と言っても過言ではない喫茶マンボ過去、本noteでは気仙沼市の喫茶店(や喫茶を楽しめるお店)を何店か紹介してきた。 一方で、気仙沼市内において最も有名と言っても過言ではない、喫茶マンボは一度も紹介できていなかった。取り立てて理由があったわけではない。たまたま時間が合わなかったり、他のお店を訪

          喫茶マンボ・nine oneで春めく気仙沼市の美食を堪能する|散策記

          「信仰とはコミュニティである」美しき気仙沼第一聖書パブテスト教会で賛美歌と信仰を聴く|イベントレポート

          気仙沼市で賛美歌を聴く機会を得られると知り、気仙沼第一聖書パブテスト教会を訪れた。 美しさに満ちる気仙沼第一聖書パブテスト教会で賛美歌と楽しみながら信仰とは何かを知る筆者は無宗教であるが、だからといって見聞を広げなくて良い理由はない。その一心で、今日という機会を得ようと伺っている。気仙沼第一聖書パブテスト教会は、東日本大震災の後に新築された教会である。被災によって全壊した建物を、世界中のクリスチャンの資金協力により再建した形だ。 東日本大震災の後、多くの人々の善意によって

          「信仰とはコミュニティである」美しき気仙沼第一聖書パブテスト教会で賛美歌と信仰を聴く|イベントレポート

          差別は正義である。シェークスピア「ヴェニスの商人」が教えてくれる差別的な正義が生み出す悲劇|読書記録

          時間の取捨選択が人生のテーマになりがちな昨今、努めて文学作品に触れる機会を創ろうと取り組み初めて2ヶ月が経とうとしている。 文学作品に触れようにも、日々仕事ばかりに時間が消失する中で作品を読む時間を独立して取るのは難しい。だが、読書それ自体を仕事にするのであれば、許容可能な範囲にできる。 そうして始めたのが読書記録であり、「愛と死」から始まっている。仕事とするかどうかは自身の胸先三寸なのだから、何も独立して読書時間にすれば良かろうにと思わなくもないが、中々そうもいかない点

          差別は正義である。シェークスピア「ヴェニスの商人」が教えてくれる差別的な正義が生み出す悲劇|読書記録

          驚きの地方創生「京都・あやべスタイル」を読み気仙沼市の成長を創り出す人材を生む必要性を考える|地域視考

          早いもので「地域視考」も7回目である。前回は私設図書館を通じて地域交流を増やし、地域の活性化を行ったケースを紹介した。その上で、気仙沼市内で行われているアジアカフェ&nihongo cafeを例に、気仙沼市ならではの私設公共について考えている。 今回は、”驚きの地方創生「京都・あやべスタイル」”を読んだ感想を交えて、気仙沼市における人材の高度化について書いていきたいと考えている。 上記は広告リンクとなっている。Kindle Unlimitedを契約しているならば無料で読め

          驚きの地方創生「京都・あやべスタイル」を読み気仙沼市の成長を創り出す人材を生む必要性を考える|地域視考