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第3章 3話 居心地スペクトル(3/3)
「スペクトル」
絵はここで一旦 間を取った。
虹のこと?と私は雨上がりの空にかかった虹を思い浮かべた。
すると絵は、一息ついてうっすら笑みを浮かべて説明を始めた。
「そう。虹も同じ原理。スペクトルは入力した純粋な1本の光が、プリズム屈折によって一定の干渉を受けて出力する時、波長ごとに色分けされて虹のように表現されるという科学的現象。これは人間が個性的に「出来事を解釈し感情表現する」と同じ
第2章 2話 此の先へ/日常の未知へ(2/3)
「ここから、死、か。」
右足だけ、ジリリと前に出してみる。地に足を付けていないと何かあった時に踏ん張れない気がして、靴底を地面に付けたまま引きずって前に出てみる。
特に変化はない。
もうちょっと足だけ前に出してみる。
変化なし。
膝だけ90度に折ってひざ小僧だけ線を超えてみる。
何も感じず、体勢がキツいから戻してみる。
・・・。
先輩はもしかしたら僕を揶揄(からか)うために
第2章 1話 此の先へ(1/3)
ほんとうの「死」と「生」の境界線はどこなのか?地球の医学的見知ではない、ノンフィクションを元に宇宙法則に則ったストーリーにしてあります。
ストーリースタート
あの角を右に曲がると左手のたばこ屋から向こうが死だよ。
先輩が角を指差して教えてくれた。
そんな風に今見ている景色と何も変わらない延長線上と分かっているなら、死はまったく怖くないんだろうな。
だから、今日はお天気もいいし歩いて