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第5章 1話 宇宙采配のキス 2nd (1/3)

真理の美とはなにか?振り返るとわかる宇宙の采配。ノンフィクションを元に宇宙法則に則ったストーリーにしてあります。

 覚者との再会

 あの時の時空をループした体験。
 その後、3人の中であの不思議な体験は風化というよりも、考えても答えの出ないミステリーとしてお互い口に出すことはなくなった。

 舞も覚者の顔は思い出せないし、年齢も不詳。名前も知らないし、この地球のどこかに存在しているのかどうかさえ分からない。
 あれからすぐに探した同じアパートには誰も住んでいなかった。

 だけど、限りなく純粋で眩い美しさを放つ波動と、あの時のキスの細胞の震えだけは、舞の身体と、すぐ取り出せる記憶に刻まれていた。

 もう一度会いたい?
 いや、そういうのとも違うけど…

 側にいて、ともに同じ時を過ごしたいという欲求よりも、覚者が確かに存在していると感じるだけでよかった。それだけで十分に幸せを感じられる。

 しかし、あの時確かに同じ空間、同じ次元に存在していた覚者のことを、もっと知りたかった。

 神さまなのかな?!

 舞は白いコピー用紙に、何気なく覚者の顔のイメージを書いた。
 そして、それを眺めた。

ふーん、素敵な人だわ。

 まったく根拠なく、なんとなくだけど会える気がした。

 妄想の5日後、滅多に連絡の来ない友人からLINEが入った。
 ピンを付けていなかったので、2日間くらい気づかずに放置していたが、その内容は舞の胸騒ぎを誘う内容だった。

 「舞、久しぶり。雑誌の取材で、ある新人アーティストに会ったんだけどね。その人が整体か鍼灸に行って不思議な男性と出会ったらしく、その施術で覚醒したって言うの。それから描く絵が変わったって。最近は取材すると不思議な話しが多くって、もう経済情報誌の取材じゃなくなってる。しかもなぜかどうしても舞に話さなきゃって気がして連絡しました。またご飯でも食べに行こうね。」

 舞はすぐ彼女に返信した。

「ユカ、その新人アーティストに連絡取れる?」

2話につづく→




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