第2章 1話 此の先へ(1/3)
ほんとうの「死」と「生」の境界線はどこなのか?地球の医学的見知ではない、ノンフィクションを元に宇宙法則に則ったストーリーにしてあります。
ストーリースタート
あの角を右に曲がると左手のたばこ屋から向こうが死だよ。
先輩が角を指差して教えてくれた。
そんな風に今見ている景色と何も変わらない延長線上と分かっているなら、死はまったく怖くないんだろうな。
だから、今日はお天気もいいし歩いてそこへ行ってみようと思った。
今いる場所から、5メートルほど先に四つ角はあった。昭和の住宅街に出てくるような鼠色のブロック塀に沿って僕は、小学生の頃を思い出し指先でブロックの溝をなぞりながらテクテクと歩いた。
四つ角に近くなってくると、交差していている道が見えた。
それは今歩いている道よりもちょっと細くて、なんだか懐かしい雰囲気を漂わせた道だった。ここに住んでる人と新聞配達の人しか通らないような、ローカル感がある。たまに小学生が学校で決められた通学路ではない帰り道を冒険するときに迷い込んでしまうような、吸い込まれそうな不思議な道だった。
四つ角を右に曲がって、向こうの方に「たばこ」という看板が見えた。死はいたって日常的で身近なんだな、そんな風に感じながら、何か境目がないのか?目を凝らしてみた。
遠くからは分からなかったけれど、たばこ屋が数メートル先という距離に近づいた時、道路に線が引かれているのが見えた。
青い細い線が引かれていた。
僕はその線につま先のほんの少しが重なるくらいのところで止まった。
目の前には、左手にたばこ屋があって右側は一般宅があってまったく今まで歩いて来た空気と変わらず道が続いているけれど、僕の身体は緊張しているのが分かった。
まるでホームの際につま先を少しはみ出して立って、グラグラしないように身体を緊張させているかのような状態だった。
「ここから先が、死。」
僕は小さく呟いた。