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都市計画

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ところざわサクラタウンで感じる、施設属性に基づく設計の大切さ〜なんでも盛り込んだ施設は何者でもないものになってしまう

ところざわサクラタウンで感じる、施設属性に基づく設計の大切さ〜なんでも盛り込んだ施設は何者でもないものになってしまう

クールジャパンの拠点として、所沢に角川が開発をするというので一躍話題になっていた「ところざわサクラタウン」に初めて行ってきました。行こう行こうと思っていたのですが、全く行けておらずの初訪問でした。

実際に行ってみるとわかるのは、これはなかなかつらいですね。

施設属性が定まらないままに発注されてしまったのか、動線設計が壊滅的に終わっていて、少なくとも商業は難しい。さらに鳴り物入りになっていた初期

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未だ続く敷地主義とゾーニング主義〜学び直しなき日本の問題

未だ続く敷地主義とゾーニング主義〜学び直しなき日本の問題

都市経営プロフェッショナルスクールの今年度最後の集合研修を行っていました。その中で様々なプラニングが精査されていったのですが、未だに官民ともに地域でのプロジェクトを考える時に「自分たちの活用できる敷地」の中だけで物事を考える癖が抜けきれません。

しかし本来はエリア単位で考えないと絶対にうまくいきません。

さらに言えば、ゾーニングを未だに計画図にいれるんですよね。以下のような図でゾーンを「どのよ

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ミスる地方創生〜有名建築家に依頼したら人が来る〜

ミスる地方創生〜有名建築家に依頼したら人が来る〜

「有名建築家に依頼したら人が来る」
はい、私もこのタイトルのような思考の持ち主です笑
正確に言えば、持ち主でした、、と過去形かな。そんなことは無いと頭でわかっていても、ミーハーな性格なほど、そう考えてしまいます。
そして、今でも有名建築家と出会うと心ウキウキしてしまうのも事実です。

「有名建築家=地方創生」

全くロジカルではない関係なのに、日本ではなぜかこの式が成立しているように感じている方々

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ミレニアル世代以降のパブリックスペース

ミレニアル世代以降のパブリックスペース

Park(ing) Dayの活動をきっかけにソトノバというコミュニティを知った。

タクティカルアーバニズムの分野は授業で扱っていたので知ってはいたが、イベントでは新しいことをたくさん知れた。

ウォーカブル

おそらく15分都市と同義だと思う。実際に東京でも都市計画にウォーカブルが用いられている。

プレイスメイキング

プレイスメイキングは場づくりの過程も含める。各地域にひとりプレイスメーカー

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アメリカ学際組織の提言にみる、withコロナ社会における都市計画、5つのポイント〜都市問題背景を含めて徹底解説〜

アメリカ学際組織の提言にみる、withコロナ社会における都市計画、5つのポイント〜都市問題背景を含めて徹底解説〜

今ある都市の形成は、イノベーションであったり、感染症などの危機によって工夫されてきた積み上げ型の結果として形成されているのは周知の事実。特に人類が集積する都市化と公衆衛生、生産活動、物流などによって大きく都市は進展してきたと言えます。

今回のnoteもコロナショック後の都市に必要とされる新たな都市計画についての提言解説です。これまでのコラムや今回のコラムも以下のマガジンに格納していっていますので

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都市の濃度を薄める開発、濃くする開発

都市の濃度を薄める開発、濃くする開発

オリンピック絡みでスタートした神宮外苑の再開発事業ですが、銀杏並木への影響について何やら声をあげる人たちとかが出ていますね。まぁとはいえあまりに古いあのエリアが更新されるのはあってよいことだと思うけど、国立競技場もなんかいまいちなものになり、さらに今度つくられるものもなんかありきたり。東京の都市開発、どこもかしこも個性はなく、常に新しいものにして、上に伸ばすという手段になるのはどうにかならんのかと

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宅建士&建築士が直伝!中学生が商店街に広場をつくるための現地調査した総合学習「つの未来学」

宅建士&建築士が直伝!中学生が商店街に広場をつくるための現地調査した総合学習「つの未来学」

「敷地面積は何㎡?」「南はどっち?」「周辺建物はどんな店?」
ぼくらイツノマが都農中学校の総合学習を年15時間担当して4年目。
今月から2年生の15時間がスタート!

昨日は2回目の授業「現地調査」。
中学生にとっては初めての校外学習。
校外といっても、中学校から歩いて15分ほどの商店街に。
ちょっとした小遠足気分を楽しみながら。

テーマは「商店街の真ん中に自分たちが行きたくなる広場をつくる」

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駐車場問題〜地方都市でも東京でも過剰供給問題が発生中〜

駐車場問題〜地方都市でも東京でも過剰供給問題が発生中〜

まちづくりにおける駐車場政策のあり方検討会、なるものが国交省で開催されています。

地方都市にいけばまちなかに虫食い状態で時間貸し駐車場が山程あり、もはや駐車場がつぶしあい状態になっているところも少なくありません。実際にとある中心部では時間貸し駐車場だらけになって過当競争で「もう時間がし無理です」と大手駐車場会社が白旗上げたなんてところもあります。時間貸しで貸し出す機械投資すら回収できないというわ

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活性化のための開発するとまちが早く死ぬ理由【中東・欧州出張記 #3】

活性化のための開発するとまちが早く死ぬ理由【中東・欧州出張記 #3】

ポルトガルに到達しています。ポルトガルは今や総人口が1000万人の国になっています。大航海時代、覇権国として植民地支配を世界でやっていたのも今は昔、数百年で落ち着いた国になっています。

そんなポルトガルのリスボンは、54万都市。観光地として大人気なのは、風光明媚な海のある街と共に、物価も安く、治安も安定しているからです。女性二人旅も多く、海産物が大好きな我々日本人にも馴染みあるタコ、イワシなどが

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低層高密度、スカイライン、配色などのエリアプロトコル設計がもたらすもの【中東・欧州出張記 #5】

低層高密度、スカイライン、配色などのエリアプロトコル設計がもたらすもの【中東・欧州出張記 #5】

エリア単位での活性化などを考える上でも、また人口規模が都市圏でも自治体区分でも小さい場合にもやはり重要だなと思うのが、今回各地を回っていて「低層高密度、スカイライン、配色」だなと思わされます。

建築とか都市計画とかも、個別のエリアとか区画整理・再開発とかそういう手法ばかりで日本では未だに注目されるけど、まちとして、エリアとして、プロトコル(規則や手順)を定めるということの重要性を感じます。

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