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双極性障害の父との話

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精神疾患者の家族の思いなどを少しでも知って貰えたら。
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双極性障害で強制入院していた父が退院する事になった話

双極性障害で強制入院していた父が退院する事になった話

近々、父が退院する事になった。

約1年と2ヶ月ぶりに家に戻ってくる。

躁状態が強くなり強制入院となっていたが、ピーク時よりも落ち着いたということでこれ以上は入院できないと担当医から言われて退院となった。

ただ、根本的な落ち着きのなさや言動、態度などは変わっていない。

病院や施設内などではある程度自制できるが、家に帰ると抑えが効かなくなり躁状態特有のハイで落ち着きのない行動をしてしまう。

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もう、父の事で悩みたくないと強く思った。

もう、父の事で悩みたくないと強く思った。

もう父の事で悩みたくないと、改めて思った。

久しぶりの外泊で帰ってきた入院中の父は、何も変わっていなかった。

落ち着きなくよく喋り、何か気になる事があれば特に急ぎの用でもないのに、「おい!おい!」と何度も大きな声で母を呼び付ける。

一泊のみではあったが、ずっと相手をしていた母は「もう限界、無理だわ。」と疲弊していた様子だった。

支離滅裂で衝動的な言動には、とてもではないがついて行けないし毎

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躁状態の父と今後についての話をしてきました④

躁状態の父と今後についての話をしてきました④

母の言葉を聞いて、それまで反論ばかりしていた父が数秒固まった。

自分が慕っていた人から、家族の肩を持つような言葉を聞いてショックだったのか、それとも受け入れられなかったのだろうか。

父自ら、家族よりも第三者の意見の方が正しいと言っていた。

その第三者からの言葉だった。

少し間が空いたあと、Mさんの意見には触れず「Mさんにはおせっかいで電話をかけたんじゃ。少し前に離婚してたから、離婚の話と今

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躁状態の父と、今後についての話をしてきました③

躁状態の父と、今後についての話をしてきました③

父が自分を正当化しようとするのは、自分を保つため、ストレスから心を守るための防衛手段でもあるのかもしれない。

誰にも自分の苦しさを理解して貰えないという気持ちからきてるような。

僕には、そういうふうに見えた。

「Kさんも、ワシの事は入院しなくて大丈夫だろうと言っていた。」

Kさんとは、父がブドウ作りの手伝いに行かせて貰っている人で父は彼の事を慕っている。

面倒見のいい人で、たまに作業終わ

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躁状態の父と、今後についての話をしてきました②

躁状態の父と、今後についての話をしてきました②

父が怒って暴れる可能性も考慮して、もしもの為にと看護士さんと一緒に相談室に入ってきて貰い父の隣に座ってもらう。

顔を合わせた父の表情は少し落ち着いているようにも見えた。

以前本人も言っていたが、もうすぐ退院できるからと喜びの気持ちがあるのかもしれない。

もちろんそれは父の勝手な思い込みなのだけど。

「お父さんから頼まれてた、缶コーヒーとおやつ持ってきたよ」と父に声を掛けると「ありがとう」と

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躁状態の父と、今後についての話をしてきました①

躁状態の父と、今後についての話をしてきました①

先日、父の入院先のソーシャルワーカーさんから連絡があり少し父の状態が落ち着いて来たので、前回出来なかったグループホームなどへの入居の話ができればとの事で今日は午後から母と共に病院へ。

相談室に入り、始めは担当医と僕と母との3人で話し合うことに。

担当医には最近の電話での父とのやり取りについての話をした。

父からは連日のように、朝昼晩と電話がかかってきていた。

電話の内容は持ってきて貰いたい

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グループホームに入って欲しいと、明日父に伝えに行く。

グループホームに入って欲しいと、明日父に伝えに行く。

明日、父にグループホーム等への入居の話をするため入院中の病院へ。

担当の先生やソーシャルワーカーさん立ち会いの元になるが、父には九分九厘断られるだろう。

可能性が低いと分かっていながらも伝えに行くので、素晴らしく気持ちが重い。

どうすれば納得して貰えるだろうかとアレコレ理由を考えるが、どんなフレーズもぬかに釘のような気がしてならない。

本人に躁状態だという自覚があれば、多少の理解はあるかも

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双極性障害の父、入院する②

双極性障害の父、入院する②

部屋に入ると、担当医とさらにもう1人初めて見かける医師がいた。

どうやら、父が入院する病棟の先生とのこと。

病棟の先生が、挨拶をして入院の説明を始める。

話を聞きながら、横目で父の表情を確認すると先程とは違い明らかに怒りの感情が溢れていて担当医の方を睨んでいた。

説明の途中、父の様子が気になったのか病棟の先生が父に話しかける。

「服部さん、何か言いたい事があるんですか?」

そう言われる

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双極性障害の父、入院する①

双極性障害の父、入院する①

双極性障害の父が入院になった。

昨年の11月に退院したばかりだったが、わずか2ヶ月で再入院。

12月の末頃から躁モードになり、そこからは一気にテンションが上がっていった。

退院後のデイサービスへの通所や、睡眠不足によるストレスなのか。

躁へのギアが入った原因はハッキリとは分からないが、とてもじゃないけど一緒に生活出来る状態ではなかった。

一般的な躁の症状である、落ち着きのなさ、注意力散漫

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明日、躁状態の父と病院へ。

明日、躁状態の父と病院へ。

躁状態の父と生活する事に限界を感じ、明日父を入院させるために病院へ。

本人には薬を変えるから一緒に行かなくてはいけないと説明した。

父は自分の気持ちが大きくなっているという自覚がない。

入院を告げれば怒って罵声を浴びせられるかもしれないし暴れるかもしれない。

前回の入院時は、先生の前で母に対して「もうお前とは離婚だ」と怒鳴り先生にも「お前なんかにワシの事など分からんわ」と罵声を飛ばしていた

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以前、運転免許を返納したにも関わらず母に車の鍵の場所を聞く父。

さすがに乗られると困るので内緒にしたみたいだけど。

躁が強くなり段々と気持ちが大きくなっている。

双極性障害というのは、人を変える恐ろしさがある。

病気だと頭では分かっていても、心の中では疎ましく思う日々。

最近、躁モードになりつつある双極性障害の父。

落ち着きがなく、常に喋り続け怒りっぽくなりお金も使いたがるようになる。

父に合わせてこちらもイライラしたり、刺激して悪循環に陥らないよう心を落ち着かせて穏やかに接するよう心掛ける。

まるで何かの修行をしてるかのような錯覚になる笑

少しずつ父の介護やお世話にも慣れてきた。

昨晩は眠剤の効きが早く、眠りコケた状態のままオムツやズボンを履かせ、さらに人工肛門用のパウチが外れていたが慌てずに対処することが出来た。

以前なら絶望するような状況だったけど、人間の慣れというものは凄い。

 
(テコでも起きない父)

父と姉と、姉の子どもたちと公園へ。

みんな、喜んでくれて何より。

一緒に家に居るとつい父の言葉や行動にイライラしたり、注意したり怒ったりで自己嫌悪になりがちだけど。

こうやって、外に出ると穏やかな気持ちで過ごせる。

こういう機会を増やして行けたらなと心から思えた日。