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いちにち・いちとおこ

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日記のようなブログのようなエッセイのようなコラムのような。恋愛のことや、結婚のことや、助平なことや、時に真面目なジェンダーのことなどが、主な関心事。
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記事一覧

突然ですが乳ガンを切った。乳とか女性性とか。

突然ですが乳ガンを切った。乳とか女性性とか。

50歳になった。ガンが見つかった。乳ガンだ。なんと今入院中です。術後3日目です。片乳が無くなった。

ガン検診でガンが疑われたのは半年くらい前のことで、精密検査に進み生検をした結果ガンと確定したのが12月のことだった。ガンが分かってから、次の作品はガン闘病記になるか…?と皮算用し、少しずつnoteで記録しようとしたのだが、結果的に、術後の今日まで何も書けなかった。どうやらわたしには闘病記は書けなさ

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日記:感情を揺さぶる幾つかの断片

ストレスが溜まっていたようにも思うし疲れていたのかもしれない。マインドフルネス瞑想は雑念ばかりで集中に戻ってきづらく一種諦めの気持ちになったが、諦めた後に対象関係論の入門書を読みビオンの生涯を辿って号泣し、谷桃子バレエ団の公式youtubeで白鳥の湖を観て号泣するなどする。こんなに泣くとは思わなんだ。とはいえ私は泣くのに関しては肯定的である。泣く効用は人に対しては緊張緩和と副交感神経への切り替えの

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2023年に買った本

2023年に買った本

トラウマと愛着関連

◼️愛着関係とメンタライジングによるトラウマ治療

◼️マインドフルネス入門講義
◼️マインドフルネス実践講義

◼️複雑性PTSDの臨床実践ガイド

◼️子どものトラウマと悲嘆の治療 トラウマ・フォーカスト認知行動療法マニュアル

◼️コンパッション・フォーカスト・セラピー入門

◼️ポリヴェーガル理論入門

◼️セラピーのためのポリヴェーガル理論

マインドフルネスとセル

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2023年を振り返り2024年を向く

2023年を振り返り2024年を向く

2023年を前にこれを書き、ずっと未完成のまま下書きに放り込んでそのままにしていた。2024年が来るので、未完成のまま公開する。

さて、2023年はどんな年だったか。

上記の稿で宣言した通り、わたしは大人の女性の相談を受ける仕事から、子どもの施設の心理士に転職した。住む場所も大きく変わった。そして50歳を迎えた。

子ども相手の仕事は大変だ。きつい。肉体労働だし休みは少ない。というかカレンダー

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2022年の振り返りと2023年

2022年初に書いたものがこれ。

では2022年を振り返ってみます。

まず自分の問題が大きく解消されたのは、最も良かったことだ。自分の抱えるトラウマの一番大きな核の部分が解体されたというか。このあたりの稿で書いたことですね。

トラウマの中にいると、トラウマ世界の中の、今はもういない登場人物やもう起きていない出来事と格闘し続けているような感じがする。現実が以前よりもずっとクリアに見えるようにな

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【プロフィール2023】菊池とおこ

【プロフィール2023】菊池とおこ

基本プロフィール名前
菊池とおこ

経歴
ライター。心理士。
1973年生まれ。北海道大学文学部行動科学科卒(文化人類学専攻)。行政系広告代理店、医療系広告代理店に勤務、小説家を目指し活動するも成らず。
結婚と離婚を経て地方自治体の結婚支援事業担当職に就き、2018年独立、webメディア等でライターの仕事を始める。
2020年男女共同参画系の機関に就職、女性相談の業務に従事。2021年放送大学に編

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働くことと人生と、再出発に寄せて。

働くことと人生と、再出発に寄せて。

1.

 鍼の先生が5月で治療院を閉めることにした。新型コロナの影響を受けて、事業を往診スタイルに切り替え、勤務と掛け持ちにするのだという。

 わたしはその話を聞いたとき、ほっとした。安心した。ものすごく「筋合いじゃない」ことではあるのだが、わたしは自営業の男が資金繰りに行き詰まるという事態の発生が、怖いのだ。それを何とかする責任と義務を、こちらが巻き取らなきゃいけないような気持ちがしてしまう。

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わたしが病気だったころ。

わたしが病気だったころ。

ずっと長いこと双極性障害だった。

精神の病の悩ましいところは「今この人がそうである状態」に病名がつくところで、だからわたしのかつての状態に「双極性障害」の名前がついたことは納得のいく妥当な診断だったと思うのだが、結論から言うと、今わたしは「そうではない」。以前書いた稿で、「双極性障害だったのではなく、HSPが環境への不適応やストレスで鬱状態を起こしていたのではないか」と考察したこともあったが、そ

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2021年の振り返りと2022年の展望。

これは2021年版。

では、2022年版を書きます。

2021年に達成したことは、何を置いてもまず「健康」。
鍼に通い始めたのは2019年のこと。それをスタートにいろいろなことを考えいろいろなことに気付き、2021年にはカウンセリングを初めて受け、心理学の勉強を開始し、後半にはマインドフルネスとセルフコンパッションの6週間基礎講座を受講した。鍼も定期的に通った。
そういうことごとが繋がり芽吹き

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改めて振り返ってみると、私は「調子に乗っちゃう男が好き」だったんじゃなくて、私が彼らにやるように、私が褒めて認めて調子に乗せてもらいたかったんだな。

わたしが怖かったもの。|菊池とおこ https://note.com/toko_kikuchi/n/ne5ec9fe1900c

わたしが怖かったもの。

わたしが怖かったもの。

 自分のため、というより仕事で考えたいことがあって、愛着に関する本や嗜癖についての本を数冊読むことがあった。ところが結局(いや別に「仕事のため」と「自分のため」は相反するものではないのだが)、愛着や嗜癖について学ぶことは(トラウマに関する勉強もそうなのだけれど)自分の困難を解いていく大きな一歩になったのだった。

 目が覚めたように自分の抱える困難の姿に気づいたのは、この本のこのくだりを読んだ時。

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「見えなくなるもの」に自覚的でありたい。【LIFULLドキュメンタリー視聴レポート】

「見えなくなるもの」に自覚的でありたい。【LIFULLドキュメンタリー視聴レポート】

 先月、株式会社LIFULLからご案内をいただき、同社制作のドキュメンタリー・フィルムの試写会に参加させていただいた。エイジズムをテーマにした『年齢の森』と、ジェンダーと多様性をテーマにした『ホンネのヘヤ』の2本である。

 わたしはエイジズムやジェンダーについて問題意識を持つライターのつもりだったし、LIFULL社もそのように思ってくださっているからお声がけいただけたのだと思う。しかしフィルムを

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マインドフル・セルフ・コンパッション、思いがけない言葉が浮かび上がり、そして涙。

マインドフル・セルフ・コンパッション、思いがけない言葉が浮かび上がり、そして涙。

 ここ2年ほどアプリを使って瞑想を続けてきたのだが、心理学の勉強を始めてから、マインドフルネスが認知行動療法のひとつであることを知り、臨床の場で使われているプログラムがあることを知るに至って、興味は一歩先に進んだ。少し前から、公開されている音声ガイドを利用して、マインドフル・セルフ・コンパッションに取り組み始めている。

 使わせていただいているのは、こちらの音声ガイド。そのうち、(お金の余裕がで

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