菊池とおこ

ライター。女性の支援を経て子どもの施設の心理士。主な関心領域:ジェンダー/DVや虐待、…

菊池とおこ

ライター。女性の支援を経て子どもの施設の心理士。主な関心領域:ジェンダー/DVや虐待、ハラスメント/結婚・離婚・恋愛/性の問題/女性と労働の問題/トラウマ、愛着外傷/セルフケアとマインドフルネス。家族になったネコはこれまでに4匹(三毛女子・キジトラ女子・キジトラ男子・三毛女子)。

マガジン

  • いちにち・いちとおこ

    日記のようなブログのようなエッセイのようなコラムのような。恋愛のことや、結婚のことや、助平なことや、時に真面目なジェンダーのことなどが、主な関心事。

  • 彼が殴るの

    暴力性。破壊衝動。わたしの中の野蛮。彼が殴るの、の彼、が誰なのかといえば、きっとわたしの中にある彼、なのだろうな。わたしの中にある彼、は、わたしのことも、わたしの外の人たちのことも、驚くほど、それは暴力的に、殴る。 (※2019年7月~2021年2月公開の記事は、有料マガジン『あれは、赤い花』https://note.com/toko_kikuchi/m/m264de5643ef0 にまとめました)

  • あれは、赤い花。

    個人誌『離婚した時、もうセックスは終わりだなと思っていた。』に続く、傷つきと回復の約2年間の記録。わたしたちの未来に、つつましやかだけれど鮮やかな、赤い花がありますように。 ※1:まとめてお読みいただいた方がいいと思うので、単話売りはしません。ご了解くださいませ。 ※2:2023年2月、2話追補しました。

  • 離婚した時、もうセックスは終わりだなと思っていた。

    菊池とおこの第一冊目エッセイ集。2017年から2019年にかけてnoteに発表したエッセイの加筆修正セレクト版。 恋愛だとか助平だとか、結婚だとか離婚だとか、女と人生を巡るあれこれ。何が起きても、人生は、楽しい。

  • 婚活してスピード婚するのはリスクも大きいと申し上げたい

    女子のためのケッコン虎の巻! 「いずれは結婚…するよね?」「結婚したいけど、なんか周りの言うことにモヤモヤしちゃう…」「婚活してるけど…ほんとにこの方向でいいの…?」「結婚するからには幸せになりたい!」そんな思いを抱える皆さまと共に、「ケッコンするなら、こっち方向で行こう!」を考える、読者参加型マガジン。

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【菊池とおこ】販売有料コンテンツのご案内

■エッセイ集『離婚した時、もうセックスは終わりだなと思っていた』(2019年6月発行) ◇印刷書籍(文学フリマver.) ------------------------  A5版/98ページ  価格 1,000円 ------------------------ ◇印刷書籍(BCCKS ver.)電子書籍 ---------------------------------------------------------- (印刷書籍)  A5版変形版/128ページ、

    • 【プロフィール2023】菊池とおこ

      基本プロフィール名前 菊池とおこ 経歴 ライター。心理士。 1973年生まれ。北海道大学文学部行動科学科卒(文化人類学専攻)。行政系広告代理店、医療系広告代理店に勤務、小説家を目指し活動するも成らず。 結婚と離婚を経て地方自治体の結婚支援事業担当職に就き、2018年独立、webメディア等でライターの仕事を始める。 2020年男女共同参画系の機関に就職、女性相談の業務に従事。2021年放送大学に編入学、心理学の勉強を始める(認定心理士資格2023年夏取得予定)。 2023年4

      • 補稿2:自分の加害者性を子供の頃から薄っすらと抱えてきて良かった。

         人は誰でも、強者にも弱者にもなり得、加害者にも被害者にもなり得る。わたしたちはいつでも、両義的なのだ。  子供の頃から、割と薄っすらと自分を後ろめたく思っていた。なぜなら、自分で言うとちょっと嫌らしいが、田舎の子供たちの中で飛び抜けて頭が良かったからだ。抜けて頭が良いということは、周りの子供たちにも大人たちにも、ちょっとした加害性を帯びる。こちらにその気がなくとも、他人を傷つけるのだ。この、日本の、「成績が良いことが絶対の評価軸だが、飛び出すぎないようにそこそこマイルドに

        • 補稿1:わたしが怖かったもの~わたしが病気だった頃。

           自分のため、というより仕事で考えたいことがあって、愛着に関する本や嗜癖についての本を数冊読むことがあった。ところが結局(いや別に「仕事のため」と「自分のため」は相反するものではないのだが)愛着や嗜癖について学ぶことは(トラウマに関する勉強もそうなのだけれど)自分の困難を解いていく大きな一歩になったのだった。  目が覚めたように自分の抱える困難の姿に気づいたのは、この本のこのくだりを読んだ時。

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        • あれは、赤い花。
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        • 離婚した時、もうセックスは終わりだなと思っていた。
          菊池とおこ
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        • 我流英語教室R-18
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          27_わたしは40歳で大人になった気がする。

           子どもって不自由だ。大人の方が、ずっといろんなことができて、未来が開け、自由に楽しく生きられているような気がする。例えばこんな気持ち。  これは30代半ばの頃に書いた掌編小説の一節である。絶賛メンヘラ渦中だったので、おそろしく陰鬱なトーンに仕上がっているが、陰鬱な渦中にあってもそれでも、子ども時代よりはずっと生きやすいと思っていた。

          27_わたしは40歳で大人になった気がする。

          26_やさしさは扱いがむずかしい。

           とうとう彼氏と別れちゃった。なんかやたらと気が楽で開放感に溢れている。もしかすると、最初に揉め事が発生したゴールデンウィーク以降、嫌になって揉めて許してまた盛り上がって落ちて、という繰り返しに、気づかなかったけど疲れていたのかもしれない。  彼がうちの町に初めて来て、それから二度わたしが彼のうちに行って、その二度目でまた彼が怠け心を出した。ショックを受けたというよりもどちらかというとどこか納得のいくような地金の見えっぷりで、あまりの続かなさにむしろ呆れてしまった。ああこの

          26_やさしさは扱いがむずかしい。

          25_元夫の失踪の、その後。

           わたしの誕生日に合わせて彼のところに行ってきたついでに、結婚していた時の街はその隣の市なので、通りすがりに元夫の店に立ち寄ってみた。離婚してから初めて、敷地内に立ち入った。  駐車場に車を入れると、敷地内には売り物の中古車が雑然と並んでいた。多分、仕入れて搬入された直後、そのままに放置されたのだな、と思った。整備もしてないし、中の掃除もしてないみたいだったから。そのうちの何台かにはテープが張られ、タイヤロックがかけられていた。近づいてよく見てみると、地方税の滞納による市の

          25_元夫の失踪の、その後。

          24_「子どもっぽいバカ」を嫌いになれない方がバカなのか、其の二。

           元夫が失踪してみると、つくづくと思わされたのが(バカな男が好きであるということは、本当に誰のためにもならないことだ)ということだった。 『わたしは本当に、そんな風に調子に乗っちゃう男を眺めているのが、本当に、大好きだったのだ』っていうのは、実はわたしのエゴだったんじゃないだろうか。調子に乗る男を眺めるのが好きだという自分勝手な理由で、じゃぶじゃぶ愛情注いで甘やかして調子に乗せてたんじゃないのか。無責任な全肯定と褒め言葉は覚醒剤みたいなもので、高揚感あって万能感出るので気持

          24_「子どもっぽいバカ」を嫌いになれない方がバカなのか、其の二。

          23_元夫が失踪した。

           よく知ったリース会社の名前で電話がかかって来た時、頭の隅から冷たくなった。時限爆弾が爆発したなと思った。離婚後にどうしても解決できなかった元夫の連帯保証、それに問題が生じたということが、会社の名前からすぐ分かったからだ。果たして、彼の支払いが1か月前から滞り、2、3日後にはわたしの元に請求書が届く予定だという。  一晩頭を働かせて方針を立て、やるべきこと知るべきこと手を打つべきことを整理し、同時に原稿の締切も抱えていたから仕事を朝までかかって片付けた。それからお知り合いの

          23_元夫が失踪した。

          22_「子どもっぽいバカ」を嫌いになれない方がバカなのか。

           彼の深層の伏流水あるいは通奏低音、(ああ、この人はわたしを利用しようとしてきたのだ)という悟りから、彼と別れることを決めたけれど、わたしははっきりと別れを告げた訳ではなかった。というのも、自覚のない男に何が原因でこちらの気持ちが醒めたかというのを分からせるのは難しいことだし、もの凄く労力が要る。さらに、こちらの気持ちが離れかけたことを知った時の男が一番何するか分からなくて危ない、というのを前の離婚で学んだので、とりあえず戦略的に徐々にフェイドアウトすることにして、当面それま

          22_「子どもっぽいバカ」を嫌いになれない方がバカなのか。

          21_after all, I understood he tried to use me

           それは海に行った帰り道に起こった。海は、どちらかというと仕切り直しの仲直りで再スタート、みたいなイベントだった。とても楽しみにしていて、そして実際帰途に就くまではとても楽しく幸せだったのだから、どうしてあんな転げ落ちるように破綻が展開していったのか、なんだか信じられない。  道に迷ってしまったこととわたしのナビの不手際、彼の自分頼みと責任転嫁の右往左往で、車内がすっかり不穏な雰囲気になってしまい、またこの展開か、と落ち込みつつ、でもこんなことを繰り返すのも嫌だし、努めてど

          21_after all, I understood he tried to use me

          20_性と体はかすがいと知ったけど、だからって全部ゆるした訳じゃないから。

           フリーランスになって時間が自由になり、存分に彼氏のところにも行けるぞ!と思った途端にトラブル続出。ゴールデンウィークの前半からおよそ1か月の間に立て続けだ。せっかちに仕事上の手助けを迫られたり、向こうのスケジュール調整の不手際がこちらの予定を右往左往させたり、都合次第で引き留められたかと思えば強引に帰されたり。寝不足と以前からの無理なスケジュールで体調がへろへろのところ追い出されて、這う這うの体で200km運転せざるを得なくなったこともあった。 (これが3年目の危機という

          20_性と体はかすがいと知ったけど、だからって全部ゆるした訳じゃないから。

          19_女子が高学歴でも高収入でも、別にびびる必要はない。男子も、女子も。

          「中国人との縁組はもうしないのか」は結婚支援員さんたちの集まりで出てきた話だったが、もうひとつ、別の支援員さんから出てきて、考え込んでしまった話があった。それが「最近は女性が高学歴で収入も増えたから、だから結婚が減った」という話だ。この話は今までたくさんの女の人たちが否定してきたし、結婚や少子化の問題に取り組む人たちの間では「女性の社会進出に伴って一時は出生率が落ちるが、その後、女性の地位が整備されて社会に定着し、安定のフェーズに入ると、今度は出生率が上がる」というのは常識な

          19_女子が高学歴でも高収入でも、別にびびる必要はない。男子も、女子も。

          18_なぜ、中国やフィリピンから女子を連れてきてはいけないか。

           と、タイトルを書いたものの、わたしの上記の問いに対する答えは、「え……だって……どう考えても駄目じゃん」と、あまりにも虚を突かれて思考停止してしまうのだ。皆さまもそう思わないでしょうか。「嫁が足りないからといって、中国やフィリピンから、女子を連れてきてはいけない」という話なのですが。  そしてもうひとつ困惑していることがある。それはおそらく、「嫁不足のあまり中国やフィリピンの女子を連れてくるのがブームだったのは、もうかなり過去の話だ」ということだ。多分、もうそんなことを真

          18_なぜ、中国やフィリピンから女子を連れてきてはいけないか。

          17_Blood A。ていうかあなた、そんなにA型でもない。

           深刻なことばかり書いていると疲れるので、今回はラフに書く。例によって、彼氏の惚気話だ。彼氏の惚気話を書くのが大好きなのだ。実は、いったん中断した執筆を再開する動機になったのも、人様をはばかることなく盛大に惚気てみたかったからだ。なぜかというと、惚気話はリアルな知り合いに実話ベースですればするほど、角が立っていい加減にしろ感が強まって、反応が冷たくなるものなのだ。文章にして「ちょっといい話」とか「ちょっと愉快な話」的に変換すると、そのいい加減にしろ感が薄まるのだ。なのでこれか

          17_Blood A。ていうかあなた、そんなにA型でもない。

          16_コンサバアラサー女子は、気をつけないと搾取される。「CLASSY」考。

           1か月ほど前、美容院に行ったら前に置かれた雑誌のひとつが CLASSY だった。この雑誌のターゲット層はどのへんなのかな、と思ってぱらぱらと誌面をめくると、コンサバティブなファッションを好む20代後半から30代くらいをメインターゲットにしている雑誌なんだな、と理解した。わたしはもうその年齢集団から上半身くらいは抜け出しているし、その時着ていた服もスウェット素材のメンズライクなトレーナーに迷彩柄のスカートだったのだから、何でこの雑誌を渡してくれたのかいまいち分からない。雑誌の

          16_コンサバアラサー女子は、気をつけないと搾取される。「CLASSY」考。