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陰陽論12精神の発生6
魂魄について、少し続きます。これを理解することは、伝統医学による臨床上でも、かなり重要な意義を持つと私は考えています。
生きている人間の魂がどこにあるかは、五蔵の肝にあると、この巻でも他の巻でも記されています。肝が担当しているというようなことです。ただし、今の医学でいう肝臓とは全く違います。その辺のことは、他の説明でも何度もしなければならなくなるでしょうが、とにかく「名前が同じで全然違うもの」く
陰陽論11 精神の発生5
「たましい」を漢字で書いてくださいと言われれば、たいがい「魂」の字を書かれるでしょう。ただ、「たましい」にはもう一つ字があります。それが「魄(はく)」です。
並精而出入者謂之魄。所以任物者謂之心。
「精に並びて出入りするもの、之を魄という。物に任(た)うる所以(ゆえん)のもの,之を心という。」
精に並んでとあります。精から生まれたとは書いていません。並んでというのは、米が精(白米の部分)と粕
陰陽論10精神の発生4
随神往来者謂之魂。
「神に随(したが)い往来する者、之を魂と謂う。」
いきなり「魂」の登場です。困ったことに、何から生まれたとはありませんが、書いてない以上、精から生まれたとするのが順当でしょう。今でも「精魂込めて」という言葉があります。それが「往来する」という。じゃあどことどこの間なのか?また書いてない(笑)
「魂」の字の偏は云で、雲の原字であり、空の雲や湯気の形象であるといいます。ちょっ
陰陽論9 精神の発生3
精と神の話です。タイトルの精神は、現代の言葉でいう精神であり、ここでの説明は古典や中医学にある精と神です。ややこしくてすみませんが、違う意味であることご承知ください。
故生之来謂之精両精相搏謂之神。随神往来者謂之魂。並精而出入者謂之魄。所以任物者謂之心。
精という文字は米偏と青からできています。同じ米偏に白で、粕という文字もありますね。内側が精で外側が粕ですが、それぞれ青くも白くもありません。