内容が理解できる会議の進め方 部下が発言を躊躇う理由をなくす
こんばんは、アドバイザーのこうたです。
今回は前回の続きですが、テーマが異なるので本記事単体でも参考になる内容となっています。
前回は、発言できる部下にするための意識改革を行おうというものでした。
そして同時に、部下が発言できない理由は、『内容が100%理解できていないから、または理解できている自信が持てないから』だと説明しました。
今回はその理解度を高める会議の進行方法について解説していきます。
本記事は改善策というよりも、3つの前提(理解が難しい理由)に対する理解のお話です。
本記事も会議に限らず、直属の上司と部下とのやり取りでも利用可能な有効な手法です。
『会議』のワードを気にせず読んでみてください。
1.大前提・人によって理解度が異なるのは必然
人によって仕事の能力がバラバラなのと同じで、そもそも頭脳もバラバラなのは当然のことと言えます。
そして議題を生み出すのは基本的に上司であり、上司が部下よりも頭脳が優れているのもある意味当然です。
であれば、上司よりも劣る部下の理解度が低いのは、必然と言えましょう。
まず上司は、この事実をしっかりと理解してください。
大袈裟な言い方をするならば、大人が子どもに理解をさせるのにはどうするでしょうか?
一から噛み砕いて説明しますよね?
そしてその際、理解が難しくて当然だと理解しながら話しますよね?
それと同じです。
何事も、仕事を教える相手には、自分よりも能力が低いことを前提に指導をするはずです。
誰だって最初は何も知らず、何もできないのが当たり前なのですから。
会議だって理解の仕方や意見を生み出す考え方、発言のタイミングや許容範囲など、知らなくて当然なのです。
しかも会議によって思考の仕方を変えていかなければならないですから、経験がなければ知識だけでも厳しいものがあります。
このように考えると、ただ意見を出すだけと一口に言っても、なかなか難しい行いであることが分かると思います。
2.第一に専門用語の問題を解決する
人の脳とは不便なもので、一つ理解できないことがあると、他の思考と共倒れしてどんどん理解力が低下してしまいます。
なぜかと言うと、理解できないことに思考を持っていかれてしまうからです。
英語のリスニングの試験を思い出してみてください。
ただでさえ英語⇨日本語 の変換を頭の中で行うだけでも大変な作業なのに、分からない単語が出てくると「?」で埋め尽くされてしまいます。
なんとか不明な部分を除外して大枠を把握しても、その時点で理解度が100%とは言えません。
不明な単語は重要な要素なのではないか?
設問の答えに確信を持てないのはこの単語が原因なのではないか?
と、自信をなくしてしまうかと思います。
会議も同じで、このような現象に陥ってしまうと、意見を出すことにも不安感を抱いてしまうんですね。
まず業界の専門用語は、事前に覚えさせましょう。
何年か働いていても、おざなりにして中途半端にしか理解していないこともあります。
意外に専門用語を基礎の基礎以外研修で全く触れないことも多く、自己学習で済ませていることがあります。
研修の意味がありません。
ビジネス用語については、可能な限りなくしたほうがいいでしょう。
上司は商談などでビジネス用語が飛び交うので、癖として使用してしまう傾向にあります。
もちろん部下の今後を考え、ビジネス用語に慣れさせるというのも考え方としてはありです。
私の業界はビジネス用語をほとんど使用されないので、別業種の人と話すとたまにチンプンカンプンな時がありました。
ただ、慣れていない人からすると、周りがビジネス用語を当たり前のように使いこなしていると、自分も使わなければと思ってしまいます。
慣れない単語を使用しようとすると、そこでもやはり不安が生じて発言に抵抗が生まれてしまいます。
ビジネス用語に慣れさせたいという考えがあるのであれば、やはりそれも研修で事前に補うべきです。
とはいえ、会議にしても商談にしても、会話とは相手に理解させる意識を持つ必要があります。
慣れさせることで、部下がある意味間違った使い方をしてしまうこともあるので、その辺りの認識もきちんと与えてください。
ビジネス用語に慣れた人は、ビジネス用語とはハイレベルな英単語を持ち出すようなもの、という認識を改めて持ってください。
3.口頭の難しさ
テレビを見る時、字幕をオンにして見ることはありませんか?
テレビを見ていて、一行分のセリフを聞き逃して「あれ?」ってなることがあると思います。
これはなぜかと言うと、言葉というのは意識を全集中させないと簡単に聞き逃してしまうからです。
テレビを見るのに集中力をマックスにし続けることはあまりなく、ちょっとした気の緩みで聞き逃してしまうんですね。
字幕があると日本語なら無意識に文字を追うことで、この聞き逃しを避けることができます。
また英語の例えを出しますが、英語に慣れていないと、英語⇨日本語の変換と同時に内容の理解を頭の中で行います。
つまり、2つのことを同時に処理しているわけです。
会議も同様で、内容の理解と意見を作り出すという作業を同時に行なっています。
意見を考えていたら人の意見を聞き逃した、ということは誰しも一度は経験しているはずです。
これが実は本当に難しい。
ただでさえ経験の少なさや場の緊張感で厳しい環境なのに、この難しい作業を行わなければならないのです。
早口で話す、次々と議題を変え続けるということを見直すだけで、大きく改善が見込めると思いますよ。
4.会社は常に適宜対応の精神が求められる
以上3つの前提を理解した時点で、あなたの話し方は変わるはずです。
今回は、あくまで経験の浅い部下が参加していた場合の話です。
ベテランばかりの参加者でも自主的な発言がない場合は、また違った対処を模索しなければなりません。
そもそも会社が任命した管理職の能力が低すぎることもあるでしょうし、社内全体の意識が低下していることもあるでしょう。
トップがワンマン過ぎて発言する気が失せているのかもしれません。
会社は常に、理由の分析と改善の模索をし続けるべきなのです。
頭ごなしに圧をかけたり、脳死で非効率なまま継続(放置)したりすることが論外。
なぜみんな無言なのか?
どうすれば意見を出しやすくなるか?
これらを考えてみる、ということから始めてみてください。
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