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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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#コロナ禍

芸術や文化が与える力

芸術や文化が与える力

『戦争語彙集』という本が出版された。ウクライナで、戦禍の市民の声を詩人が聞きとった言葉が集められたものである。各方面から支持され、話題に上っている。日本語版では、ロバート・キャンベル氏が訳し、2023年12月に岩波書店から刊行された。だが、本の紹介は、いち早くNHKがすでに8月に大きく取り扱っている。
 
いまその本の紹介をしようとするのではない。その中の、ごくわずかな箇所だけに注目してみようと思

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『「良かったこと探し」から始めるアクセシブル社会』(星川安之・小学館)

『「良かったこと探し」から始めるアクセシブル社会』(星川安之・小学館)

タイトルだけからは、内容が掴みづらい。サブタイトルの「障害のある日との日常からヒントを探る」を見ると、内容が見えてくる。「障害」というのは広い範囲で捉えていて、視覚障害・聴覚障害・盲ろう・肢体不自由・難病・高齢者といったカテゴリーでカバーされている。このことは、最後に「調査」の方法を明かしてくれているところで分かる。
 
最初は、コロナ禍で、店の商品を無闇に触ることが禁じられた不条理な場面から始ま

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TOKYO MER

TOKYO MER

劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』を観てきた。医療従事者の妻がどうしても見たかったということで、連れられて行ったのだ。テレビドラマの劇場版だというが、私は見ていないので、予備知識ゼロで鑑賞した。
 
最初から私は泣き通しだった。いきなり、緊迫感の中で救急救命のチームが事故現場に飛び込むのだが、意識のない負傷者に対して、冷静に語りかける、そのシーンからだ。分かっている。医療従事者はそうす

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いま医療従事者に対して

いま医療従事者に対して

医療現場が機能不全になり始めた。重い病気と同じで、症状が出てきたら、もはや手の施しようがない、という場合がある。病状が表に出ないうちに手を打つのでなければ、助かるものも助からなくなるかもしれない。
 
だから、そうならないうちに対応しなければならなかった、という点では、政治的な方策が万全ではなかったことは確かである。しかし政治的な場面では、経済との板挟みがあり、経済を動かすために、病気への対応を万

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「私たちと一緒に その先の光を見に行こう。」

「私たちと一緒に その先の光を見に行こう。」

コロナ禍での受験は、まことに歯を食いしばるような営みだった。もともと受験勉強というものはストイックなイメージがあるが、束縛の大きさから考えても、全くゆとりのない生活を強いられていた受験生である。
 
兵庫県立大学の広報チームが教えてくれた。受験生へのエールである。最初の言葉は、そこで呼びかけられたものである。

https://www.u-hyogo.ac.jp/message2021/index

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竜とそばかすの姫

竜とそばかすの姫

映画「竜とそばかすの姫」を見た。有名になった作品への奇妙な称賛と、その逆のこきおろしなどに関わるのはごめんなので、制作者には失礼かもしれないが、非常に個人的な視点からのみ、少し触れる。「少し」というのは、いわゆるネタバレを起こしてはいけないということを意味する。
 
ヒロインの、バーチャル空間での名は「ベル」である。これで「ベルと竜」が私の頭に思い浮かばないはずがない。ヒロインの名を知ったときに、

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祈ります

祈ります

大阪での新規感染者の増加が著しかったが、その数字が各地方へ飛んでいる模様です(大阪に住む方々が安心できるようになることを願っています、いえ、どこででも)。人の動きがある限り、新型コロナウイルスの感染拡大は、簡単にはなくならないように見えます。
 
大阪では、亡くなる方が多いことで心が痛みます。苦しかったことでしょう。また、その家族な身内の方々の苦悩と悲しみも、想像を絶するものがありましょう。高齢の

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