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これじゃあ「まず勉強させてもらいます」って言いたくなる

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記事一覧

【完】預金は貸出の原資でない。でも...

【完】預金は貸出の原資でない。でも...

前記事で「大和総研、富士通総研、野村総研、新生証券調査部長などが、当然一般常識、いわゆる”又貸し論”を理解した上で、”それは間違い”と結論づけている」と紹介しました。

【全国銀行協会の書籍】度々紹介している「全銀協(銀行の業界団体)」様です。

一般人向けHPでの説明は下記の通りでした。(こちらの記事で紹介)

一方で
全銀協の企画部金融調査室発行の「図解 わが国の銀行」記載は

【日本銀行企画

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国債(9)日本の常識は世界の非常識。

国債(9)日本の常識は世界の非常識。

前回の要約:
『国債は”政府の帳簿上、利息分だけ計上すればいいじゃん”』が世界標準です。

日本流:国債のコストとは?
で、前回の最後に「実際は世界各国で累積赤字が積みあがる」としましたね。この部分を組み入れて対応しているのが日本流なんです。

結論:
 "国債発行は元本と利息分の両方を計上しなきゃダメじゃん。"

まぁ、グローバル標準とは全然違いますね。

当然、歳入=収入として
つまり「国の支

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財政破綻への道。歴史を振り返って

財政破綻への道。歴史を振り返って

「日本が財政破綻するのを避けなければ!」
「将来世代のためにも消費税負担を我慢しなければ...」
という、高い危機意識をお持ちの方々

まず、こちらの記事を読んでほしい。

『日本国が財政破綻する道筋。』

日本政府の借金が増える一方で
問題なのはどこまで借金を許容できるか?

という前提にたった時

「借金の上限は資産の上限と同じ」と考えた時に....。

そういう話です。

歴史は事実の積み重

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国債(5)グローバルスタンダード

国債(5)グローバルスタンダード

日本の国債償還には『60年償還ルール』があり、それを改めるべきだ、という言説は多い。財政当局に近い立場の方からも発信されている。
 基本としておさえるべき。このルールは
 ■財政収支無条件ー財政収支が赤字でもー
 ■期間限定ー60年期限で全額ー 
 の2条件を守り、国の会計に計上した
 国債の額に見合うお金を用意しないといけな(=償還する)、
 というもの。

驚愕のグローバルスタンダードとは!?

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1855年のMMT。カール・ディーツェル。

1855年のMMT。カール・ディーツェル。

あまりの衝撃。
世間に紹介、Wikipedia執筆を猛烈にしたくなった。
2人の人物を紹介したくて。

ドイツ財政学のパイオニアの一人、カール・ディーツェル。
ドイツ財政学、ディーツェルなどを紹介してきた池田浩太郎氏。

ディーツェル(1855)がMMTの源流?1855年、明治維新より前。
ドイツ財政学のパイオニア、カール・ディーツェル(Karl August Dietzel)の代表作。
この中で

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国債(4)戦前からの統計で完結。

国債(4)戦前からの統計で完結。

前回の要約:
IMF(世界通貨基金)、世界で信頼されているデータベースに基づいて
=先進33国、平均31年間の歴史的事実として=
 ■そもそも単年収支で黒字達成を一度も達成したことがない国が4分の1
 ■収支黒字の達成経験ある国においても、その確率は4分の1程度。

=累積赤字がない国=
 ■G7,G20,【先進諸国でも記録の全ての年で累積赤字】。
 ■全世界の累積赤字統計を集計したら
 4,92

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国債(3)収支黒字国はこれだ!

国債(3)収支黒字国はこれだ!

前回の要約:
『日本の財政収支が悪いので財政黒字を目指す必要がある!』と言われているので、世界中の政府や公的機関が信頼するIMF(国際通貨基金)データベースを使い、世界の財政収支の模範国、成功国を探す旅に出た....。

歴史的事実:先進国の財政収支■先進G7では7カ国中3カ国、イギリス、ドイツ、カナダしか財政黒字年度の経験がなかった。  けれども

・G20(G7除)では、11カ国中8カ国、ロシ

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国債(2)財政収支の成功国は...?

国債(2)財政収支の成功国は...?

前回の要約:
「国の借金」が報道される際に決まって
『債務残高対GDP比で250%、世界最悪』と言います。
国際的にも『議論のスタンダード』なのですが、
そもそも、それがどーーなの?

そこで第一人者の河村小百合さんはこんな指摘をしていると。
(別に嫌いとかじゃなく論文いくつも読んで勉強させてもらい感謝です)

政府債務残高規模の増加傾向を止めるには、
プライマリー・バランス均衡では不足、
一定の

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国債(1)債務対GDP比は重要!?

国債(1)債務対GDP比は重要!?

”日本の財政赤字がヤバイ”っていうのはみんな知ってると思う。
下記が”我らが信頼できる?”政府とマスコミの報道ね。

『債務対GDP比』で語るのが当たり前
(以下、全部クリックでHPにとびます)

そこで
よく使われるのが「負債対GDP比で世界最悪」というもの。
 ⇓ こんな感じ ⇓

これもね❤

『これで語るのがグローバルスタンダード』なんですね...。
IMFのデータベースなどでも「,GDP

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国家予算を虫の目線で:海上保安庁編(1)

国家予算を虫の目線で:海上保安庁編(1)

政治の話、財政の話、大きな話、抽象的な議論......は
「視点や前提の違い」だとか「価値観や意見の違い」で
【激論や論争になってしまう】のが常ですよね。

 虫の目でいこう。

 細かく、テーマを限定すれば
「単なる事実だけ」が「議論の必要性なく」確認できるから。

<海上保安庁の予算を見てみる!>なぜ海上保安庁か?

 まず「国土交通省は大型工事とかあるだろうし、予算の変動が大きそう。そういう

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誰かの資産は誰かの負債。

誰かの資産は誰かの負債。

戦後復興期は「旧貨幣を一旦預金させ、その使用を禁止。そして、強制的に新貨幣に切替」を行いました。
1946年。終戦翌年です。

この年が「現日本円の元年」となる訳です。

<1946年、現日本円の元年頃の話。>その時(1946年)の統計では約1兆円(934億円)の日本銀行券が発行されています。 で、その半分にもなる504億円を日銀が貸出していると...。 (論文「戦後復興期における日本銀行の金融政

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インフレ期待はインフレを起こさない!?

インフレ期待はインフレを起こさない!?

『リフレはヤバい』(小幡績 著)を買ったのは1年ほど前だが、このお正月に読めたので自分なりの理解や解釈を書いてゆく。その第一弾。

『インフレ期待はインフレを起こすか?』著者の主張はこう書いてあります。(P31-34)

金利については不勉強で判断できませんが、
■インフレ期待は資産高を生むし
■一部それに影響し価格上昇するモノはあるものの
■全般的にはインフレ(所得と連動した価格上昇)は起きない

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通貨発行は主に民間金融機関が担っている!

通貨発行は主に民間金融機関が担っている!

前回の記事に続いて...

民間金融機関こそが主な通貨発行主体日銀のHPをもとに僕なりの要約をすると

◉通貨を保有する(だけ)=個人、地方公共団体・地方公営企業
◉通貨発行できる=様々な金融商品を発行している事業体。

具体的には、国と日本銀行、
      銀行や信用金庫など。

「NIPPONの数字」でも最新の数字が確認できます。
説明されていますが
『ある企業が金融機関から融資を受けたり、

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94%のお金は「法貨でなくグレーゾーン」!

94%のお金は「法貨でなくグレーゾーン」!

現代社会における「お金を法律の視点から整理」します。

こちらの記事の根拠となります。

まず

【貴金属がコインになる瞬間!?】硬貨を製造する「独立行政法人 造幣局」公式HPより

●通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律 第4条第1項
「貨幣の製造及び発行の機能は、政府に属する。」

●造幣局で製造した貨幣は、造幣局内にある間は見た目は貨幣ですがまだ通貨ではなく、日本銀行に納められた時点で初め

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