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#観察

「成功体験」考

失敗を楽しんで観察するとよい、と提案すると、「成功体験を積むことも大切」という指摘を頂くことが多々。私も成功体験を積むことには賛成。でも、指導する側が成功体験を積むことに意識をフォーカスさせることは、いろいろ不都合が起きやすいと考えている。

成功体験を積ませようと指導者が意識すると、子どもからしたら成功を急かされる感じになりやすい。指導する側も、早く成功させようと急かしたくなる気持ちになり、失敗

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失敗を楽しむから失敗しなくなる

おねしょを直す方法として、面白いアプローチを聞いたことがある。寝る前に水分たっぷりとって、「ジャンジャンおねしょしよう!」と伝えることだという。すると、病気が原因などは違うだろうが、程なくしておねしょしなくなるという。この話は人間心理を考える上で興味深い。

私達は失敗したとき、「失敗しちゃいけない」と考えがち。失敗を禁止事項として伝えれば失敗せずに済む、と考えがち。だから子どもや部下に「失敗しち

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「気を遣う」と疲れる、「気が利く」のは楽しい

FB友が「気を遣うと損をする、気が利くと得をする」という言葉を紹介。大変面白い。「気を遣う」と「気が利く」はよく似ているのに、なるほど、違いがあるように思う。
「気を遣って疲れた」という言葉をよく聞く。なぜ疲れるのかを考えると、自分が相手にどう見られるかを心配しているからかも。

こんなことをしたらどう思われるだろう?あんなことをしたら変に思われるかな?と、自分の見え方を気にしているのが、この場合

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「観察」考

昨晩のウェブ飲み会は、観察がテーマ。でも、観察って難しい。見ていても見えないことがあるから。次はナイチンゲールの言葉。
『経験をもたらすのは観察だけなのである。観察をしない女性が、50年あるいは60年病人のそばで過ごしたとしても、決して賢い人間にはならないであろう。』

「路傍の石」という言葉がある。確かに目に入っているのに、見えているのに、道端の石ころは気にとまらず、意識されず、気づかれもしない

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「観察」考

子育てで何より大切なのは観察だと思うのだけど、この観察が意外に難しい。私たちは見たいものしか見えないから。
異形が堂々と通り過ぎる動画なのに、別ごとに注目するよう言われると気づかない、という体験を、とある講演で味わったことがある。私たちの観察眼は、見たいものしか見えない。

これまでも「虚心坦懐に観察する」と述べてきたけど、案外これも実行が難しい。ひどい場合は見てても呆然としてしまって何も気づかな

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よい上司、よい親という呪い

よい上司になろう、よい親になろうとすると、なぜか私たちの言動はチグハグでぎこちないものになる。よい上司とは、を論じてる記事や本を読み、それをその通りまねようと「よい上司変身パーツ」を装着してスーパー上司になろうとするが、ことごとく的外れな言動になる。なぜだろう?

それはおそらく、自分ばかり見ているから。自分が周囲から、部下からどう見えるか、その外面的な見え方ばかり気にするからだ。これは無理もない

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まずは五感で観察、理論は後

もう10年近く前になるけれど、「すいえんさー」というNHK教育の番組が面白くて。特に衝撃的だったのは、大学対決。私が初めて大学対決を見たのは、京都大学との対決だった。A4の紙で作った物体の滞空時間を競うという競技。京大の学生は博学さと理論知を発揮して、様々な形の物体を作った。かたや。

アイドルグループのすイエんサーガールは、中学高校生の女の子たち。飛行体の知識も理論もなく、流体力学ももちろん知ら

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計画すんな、遊べ!

全く新しい研究を生むにはどうしたらよいか?「研究で遊ぶ」ことだと思う。興味の赴くまま、ふと思い立ったことを実験してみる。テーマなんか決めない。手元にある材料でも結構遊べる。遊んでるうち、すごくオモロイ発見ができるのだと思う。

よく「若い柔軟な発想で何年か自由に研究してもらう」と言う話になるんだけど、やれ計画書を書け、どのくらいの期間でどのくらいの成果が出そうか明確にしろ、と書類を書かせる。この時

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