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記事一覧
西川美和「映画にまつわるxについて2」②〜適量の孤独が、鬼を踊らせる〜
引き続き、西川監督のエッセイの感想です。
感想、というほどのものでもないのですが、おっ!と思った箇所を備忘録のためにメモしたいと思います。
カット割の奥深さカット割によって、どこの台詞に力点をおくべきなのか、誰の感情でドラマを観て行けば良いのかも変化する。(略)つまりカット割は演出意図そのものであり、作り手の作為やセンスの結晶だ。シナリオは最高で、役者も良い芝居をしても、カメラポジションが悪けれ
西川美和「映画にまつわるxについて2」①〜撮る(shoot)ことは、撃つ(shoot)ことに似ている〜
1巻が大変面白かったので、2巻も読んでみました。
私は読書をする際、グッときた箇所には付箋を貼ることを習慣にしているのですが、2巻もまたまた付箋だらけになりました。という訳で、今回も2回に分けて記事を書いていきたいと思います。
この本の概要映画『永い言い訳』の制作過程をベースとしたエッセイです。読む前に一度映画を観て、読んだ後にもう一度観ると、「この撮影の時、あんなこと考えていたんだなぁ」とか「
西川美和「映画にまつわるxについて」②〜音響が映画の質を左右する〜
前回の記事の続きです。
このエッセイを読んで「おお〜」と思ったのは音響にまつわるエピソードでした。
映画というと注目されやすいのは、キャスティングの妙や役者の芝居、素敵な衣装やおしゃれなセット、エンドロールの主題歌なんかだと思います。
「この映画、音響が素晴らしいよね!」という感想ってあまり聞かないですよね。音は目に見えない、だから気づかれにくい。けれど、映画の質を左右するのは音である!と言っても
西川美和「映画にまつわるxについて」①〜映画作りへの矜持と恥じらい〜
「ゆれる」「ディア・ドクター」「夢売る二人」等で知られる映画監督の西川美和さんのエッセイがめちゃくちゃ面白かったので、noteに備忘録を書きたいと思います。(人気だったようで、2巻も出版されています)
言葉選びの細部に宿るこだわりとセンス豊かな語彙力がありながらそれをひけらかすのではなく、軽妙で分かり易い文章でした。真に頭のいい人は小難しい文章ではなく、読み易い文章を書くのだなぁと思います。
め
加入してるサブスク達に思いを馳せる
2年ほど前までは「サブスクって何ですか?」という状態だった私ですが、気づけば様々なサブスクに加入し、今ではサブスケ漬けと言っても過言ではない状態になっていることに気付きました。
そんなに沢山入っていて使いこなせてるのか、元は取れているのかを検証するために、使用状況をnoteにまとめてみようと思います。
Amazon プライム会費:年会費4900円。月額500円支払いより年払いの方が1100円お得
映画「窮鼠はチーズの夢を見る」を観て〜壁を乗り越える愛〜
2009年に発売された超人気BLコミック「窮鼠はチーズの夢を見る」がまさかの映画化!しかも主演はジャニーズの大倉忠義!
という訳で、早速観に行って参りました。
「窮鼠〜」についてnoteを書くにあたって、映画への感想のみならず原作への感想も語らざるを得ない訳なのですが、その前に私がBLというジャンルと向き合った時に得た気づきについて触れたいと思います。
私は果たしてBLが好きなのか否か先に結論か
「ストーリーオブマイライフ」はM1優勝者・ミルクボーイなのではないか!?
大学の後輩ちゃんと飲むことになりました。
で、飲み会の前に後輩ちゃんからLINEで宿題を出されました。
「次の飲み会の議題にするんで、ストーリーオブマイライフを必ず観てから来てください!」
早速翌日鑑賞しました。
我ながらすぐに宿題をこなす優等生!(ただの暇人とも言う)
なんでも映画好きな人々の界隈では、かなり話題になった作品だとか。
鑑賞前は(なんで今更、若草物語?なんで令和の今、リメイク
「死にがいを求めて生きているの」を読んで④〜失恋ショコラティエとの類似点〜
引き続き朝井リョウさん著「死にがいを求めて生きているの」の感想です。
前回の記事では、この作品のテーマが【対立は人生に意味を与えてくれるツールになり得る】だというお話をしました。
現代は、自力で自分の人生に意味を与えなければならなくなった時代です。
対立を(無理に)見つけ出すことで「これさえ考えていればOK!」という逃げ道を確保し続けてきた雄介。
そんな雄介によく似た性質も持つ人物を、主役に据え