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創作論

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創作論です。以前にカクヨムで公開していたものには、note版公開にあたって改めて前書きを新規に書き下ろしております。 (最終更新日:2021/07/23)
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記事一覧

【創作論】名作のリメイクと改めて考える創作の現在地

【創作論】名作のリメイクと改めて考える創作の現在地

告知他
0.名作のリメイク 昨日9月29日。とあるPCゲームが発売された。タイトルは「それは舞い散る桜のように(以下それ散る)」。古参も古参の「エロゲ―オタ」ならば恐らくその名前を知らないということは無いだろう。

 現在はプリンセスコネクト!Re:Diveのなかよし部関連のシナリオなどでもライターを務めている王雀孫がライターを務めた作品だ。務めた、と過去形なのには訳がある。そもそもこの「それ散る

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【創作論】声なき声を聞け─違法利用と、新時代の出版戦略─

【創作論】声なき声を聞け─違法利用と、新時代の出版戦略─

当記事についてあらすじ  2021年12月24日。ひとつのニュースがネット上を駆け巡った。漫画家・赤松健が、自身の漫画を無断掲載した海賊版サイトに、広告を出稿した代理店に対して、損害賠償を起こした裁判に勝訴した、というのだ。
 
 さかのぼること3年前。「漫画村」という海賊版サイトが大きな話題となった。今回の訴訟はそういったサイトに対して「広告代理店が広告を出せないように牽制する」意味合いも強いも

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【創作論】長文タイトルについて立ち止まって考えてみた。

【創作論】長文タイトルについて立ち止まって考えてみた。

当記事についてあらすじ 今、ネット上を見渡すと「長文タイトル」がとても多いように思う。

 ネット上のニュース記事であれば、長々とした文章に「○○な訳」「○○した結果」などと言った「よく見る語尾」が付いたものをよく目にする。

 ネット小説に視線を移しても「○○~××な件~」といった「それだけで内容が一発で分かるタイトル」をつけているものを多く見かける。

 それらは作者が「読んでもらうため」にし

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【創作論】違法利用との接し方-「漫画村」騒動から得るべき事とは-

【創作論】違法利用との接し方-「漫画村」騒動から得るべき事とは-

当記事について本文0.はじめに

 まず初めに断っておこう。本稿は、言ってしまえば自分の「直感」に頼っているところがある。言い方を変えるならば、ともすれば若干論拠に欠けるという部分がある。例えば数千人にアンケート調査を実施している訳でも無ければ、現在行われている、知名度の低いムーブメントに対して、隅々まで把握している訳でも無い。

 要するに洗練されている訳では全然ないのである。そこについてきちん

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「わたなれ」の感想と、好かれる主人公の話

「わたなれ」の感想と、好かれる主人公の話

※本稿は「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」4巻までのネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

はじめに こんばんは。今日は創作論と感想の中間地点くらいの話を書いていきたいと思います。

 これ、ずっと書きたいと思っていたんですけど、まとまり切らないわ、そもそもどういう形で出せばいいか分からないわで大分悩んでいました。
 それを「取り合えず書いてみよ

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【創作論】センスを狂わせる無責任な“アドバイス”

【創作論】センスを狂わせる無責任な“アドバイス”

本稿について・筆者は所謂学術的な研究者ではありません。従って細かな事象については管轄外です。あらかじめご了承ください。
・本稿は筆者のnote総PV数50,000突破感謝記事です。
・本稿では「センス」「半センス」「非センス」という用語が出てきますが、これは筆者の造語ですのでご理解の上でお読みください。
・本稿はあくまでも筆者の体験から導き出した仮説にすぎません。そのため専門的なエビデンスが欠ける

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【創作論】カクヨムコンの歩き方

【創作論】カクヨムコンの歩き方

本作について・本作は以前カクヨムで公開した創作論を転載したものになります。元記事はこちら
・「note版公開にあたって」以外は全て、カクヨム版と同じ内容になります。

(以下カクヨム版概要より転載)

◇本作について◇
・本作は「カクヨムコン4」を題材にした「作品を読むときにやった方がいい事」を主観でまとめたものです。
・本作が「完璧な正解」であるとは思っていません。あくまで「こう思うんだけど、ど

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【創作論】データ化された「流行」の罠

【創作論】データ化された「流行」の罠

本作についてnote版公開にあたって 自分が書いた、恐らく現状最後の創作論ではないかと思われます。その他こまごまとしてものはありますが、一つの作品としてまとまった創作論はこれ以降書いていないと思います。

 そして、これは一番受けが良くなかったです。まあ、当たり前と言えば当たり前なんですけどね。そもそも主張が主張なので。

 自分は基本、才能のある人の味方です。なので、大して面白くもないのに「みん

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【創作論】LINEノベルとカクヨムの収益化システムから見る、「売り方」の未来

【創作論】LINEノベルとカクヨムの収益化システムから見る、「売り方」の未来

本作についてnote版公開にあたって 既に定期更新となっている創作論の第三弾です。ただ、現在は創作論を一切書いていないので、ストックがなくなり次第更新も途切れると思います。その辺はご了承ください。

 この創作論は自分にとって一つ思い出深いものです。新しく始まろうとしていた取り組みをざっくりと纏めるような形で書いたものだったのですが、思ったよりも伸び、自分の中では「なろう系」の次に評価を獲得してい

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【創作論】「高校野球」と「コミケ」から考える、「プロ」と「アマチュア」の境界線

【創作論】「高校野球」と「コミケ」から考える、「プロ」と「アマチュア」の境界線

本作についてnote版公開にあたって 以前に公開した何故”なろう系”は嫌われるのか?の直後に書いた記事になります。上記の創作論と比べるとかなり尺の長いもの(29,000字程度)となりますので、ご注意ください。

 この創作論。実のところ割と自分の中では力を入れて、自信を持って書いたものになります。細かいところのデータを詰めれば恐らくは一冊の本になるレベルになる量の話を「取り合えず理論だけ」提示した

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【創作論】何故”なろう系”は嫌われるのか?

【創作論】何故”なろう系”は嫌われるのか?

本作についてnote公開にあたって
 こんばんは。

 実にこの創作論を公開してからもう一年半以上が経ちました。早いもんですね。

 あれから色々なものを書きました。創作論だったり、そうじゃなかったり。
 ただひとつだけ言えるのは「これよりも伸びたものはなかった」ということでしょうか。ただ「伸びたもの」です。自分の中でもっとよく書けたものはいくらでもありました。

 正直に言います。以下の内容は自

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