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固まる病|カタトニア(緊張病)は多くの疾患にみられる症候群です

カタトニアと愛着の関係を教えてください。
統合失調症におけるものではなく、広義な意味での。たとえば発達障害、愛着障害、愛着不全でも、カタトニアはあるのでしょうか?

高間しのぶの質問箱より

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■DSM-5では?

まずDSM-5に沿ってカタトニアを解説します。カタトニアとは緊張病のことで障害ではありません。統合失調症ばかりではなく、うつ病、解離性障害、パーソナリティ障害、発達障害などのさまざまな病態で生じうる【症候群】です。

症候群とは、その原因が不明のとき、または単一でないときに、病名に準じたものとして用いる医学用語です。

出典:精選版 日本国語大辞典

そればかりか、カタトニアには身体要因もありますので、その区別がまずは必要です。例えば、脱水、代謝系の異常、脳炎なども考えられますので、内科的な診断が優先されるでしょう。そして身体要因が除外された状態で、次の3つ以上の精神的な症状があると、カタトニアと診断されます。

・①昏迷(*)ー周囲とのつながりが切れて活動していない状態
・②カタレプシー(*)ーひとつの姿勢を保ち続ける
・③ある姿勢をとらされることに抵抗する
・④無言(*)
・⑤他人からの指示を無視・拒絶する
・⑥奇妙でおおげさな行動をする
・⑦無意味な動きを続ける(常同運動)
・⑧刺激がないのに焦ったり、興奮する
・⑨しかめっつら
・⑩他人の言葉をマネして発言する
・⑪他人の行動をマネして行動する

(*)をつけた3つについては、カタトニア以外のことも多く、カタトニアの診断条件から除外してもよいかもしれません。ここまでがDSM-5におけるカタトニアの解説です。

次にカタトニアが疑われる(かもしれない)代表的な疾患をみていきます。

■発達障害とカタトニア

発達障害や知的障害では、①~⑪まで該当することがあります。重症度によってこの緊張感は顕著に大きくなっていくでしょう。

■愛着とカタトニア

カタトニアの愛着障害・愛着不全の人は、臨床現場ではあまりお会いしたことがありません。かなり重症になると緊張度もアップしますが、その場合は治療よりも、まずは入院になるでしょう。

愛着障害では、①、②、④、⑤、⑦、⑧、⑨などが該当するでしょう。ただ、障害の度合いによって大きくかわるのはあります。また反応性か脱抑制かでも変わってくるでしょう。反応性のほうがより強く緊張感を醸し出します。

愛着不全では、①、②、④、⑤、⑥、⑧、⑨などが該当するでしょう。ただ、こちらも不全感の度合いによって大きくかわります。

■うつ病とカタトニア

うつ病では、①、②、④、⑤、⑦、⑧、⑨などが該当するでしょう。回復してくると、きれいにカタトニア症状は消失します。

■解離性障害とカタトニア

解離性障害は①~⑧に該当することがあります。解離性障害も離隔~区画化までの幅広い症状がありますから、弱い①だけの場合もあります。離隔・区画化については▼

▶幽体離脱と解離性障害(愛着障害)

■パーソナリティ障害とカタトニア

パーソナリティ障害ではA群の統合失調症スペクトラム群の人々が該当するでしょう。

■まとめ

  • カタトニアとは緊張病のことで、障害でなく症候群である

  • 身体疾患(内分泌系)ばかりでなく、統合失調症・パーソナリティ障害・うつ病・解離性障害・愛着関連障害(以上、精神的疾患)などに広く見られる症状である


□質問箱について|ラジオおやすみカフェ

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