幸福さえも商業化した欲望の猿

無理をしてでも私たちは
食べ残された未来をまだ見つめていた。
辿り着く頃には何も残っていないことは考えないようにして。

無理をしてしまった誰かたちは
支え合う人の血肉を吸ってでも欲張った。
もがいて苦しんで誰かに時間をかけてでも受け入れさせて。

無茶を出来ない私たちは
声を上げることさえも諦めてしまっていた。
喜びも悲しみも用意されたものに重ねて胸に押し込めて。

無茶をしてしまった誰かたちは
世界を照らすのではなく自分を照らしてしまった。
明日が望む場所の三途の川の六文銭を先払いさせて笑いながら。

迷い込み繋がった私たちは
背伸びをしてでも手を伸ばして触れ合った。
届かなかったとしても握れたとそんなふうに願いながら。

誘い込んで繋げた誰かたちは
抱きかかえ、縛り上げ、一人じゃないと囁いた。
飢餓の民たちに栄養の偏ったパンの一欠片だけを見せながら。