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社長の思い

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八鹿警備保障の代表取締役である田路智洋社長による手記。日々の仕事上の気づきや若社長としての心情を赤裸々に綴ります。
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2018年8月の記事一覧

付け焼き刃じゃブルーオーシャンをものにできやしない。

1. 青い海が見たい、けがれの知らない透き通った海が。あまりに恋いこがれて会社の色までブルーに染めてしまった…。

これは決して妄言ではない(笑)。ブルーオーシャン。経営者なら誰もが憧れる未開領域。

2. なぜそのような未開領域に憧れるかといえば、十分すぎるほどの先発の優位性が得られるから。

先発の優位性とは超過利潤やブランディングなど競争相手よりもいち早く市場に参入することで得られる優位性の

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業界の実態にあった法整備を

1.  経済の意味は「世をおさめ、民をすくう」という経世済民という語からきていると言われる。つまり人の幸せのためというのが根本にある。

なので競争こそが社会を豊かにする。規制は悪だという自由競争原理も上手く機能すれば経世済民につながる。

この発想が元になり独占禁止法(以下独禁法)が制定されている。

2.  しかし、この原理がかつての警備業界みたいな不毛な価格競争状態を導くのであれば本末転倒で

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人間関係に配慮できる会社にするために

1. 日本人労働者は人間関係を第一に考える傾向にあるといった調査結果に関する記事を前に読んだ事がある。

人間関係の大切さ。それがただの民族性の問題でなく、生産性向上に関してそれなりの科学的根拠があるということが実証された実験がある。

ホーソン実験である。

2. これはハーバード大学の精神科医メイヨーや心理学教授レスリスバーガーらがホーソン工場で5年にわたって行われ、作業所の明るさといった客観

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自分が考える採用における広告戦略

1. この前、採用もマーケティング的発想でいくべきでないかと述べた。

つまり「どこの誰に(Who)、どんな仕事を(What)、賃金・待遇をどれくらいで設定して、どのように伝えていくか(How)」といった採用戦略を策定すること。

大企業なら当然やっていることだと思う。でも中小企業でそういうことをしっかりやっているところってあまりないのではないかと思う。

もちろん、大企業みたいにヒト・モノ・カネ

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本当の意味で経営の効率を図るには

1. 警備は人を現場に派遣して売上を上げる仕事。

その売上を今ある総資産でどれだけ効率よく生み出しているか。それを計る経営指標が総資産回転率である。

総資産回転率は貸借対照表上の売上高をバランスシート上の総資産で割ることではじき出される。

業種にもよるが一般に目安として1倍以上だと資産を効率的に運用出来ていると評価される。

何度も言うように警備の会社は費用のほとんどが人件費。人件費は損益計

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交通誘導警備の厳しい現状と打開策

1. 警備員の人手不足はこのブログでしばしば述べて来た通りである。

それについては警備業各社はいろんな取り組みをしていると思う。

自社の場合は、施設警備の場合、一部現場の給与制度の見直し、警備員の「多能工化」、動画やSNS,ブログ等によるPR、といった形で対策を行っており、そのせいか、少しずつ成果もでてきている。

それでも仕事の依頼に人員の配置が追いつかない状況なので、さらなる手を今考え、企

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偏見と向き合い、科学する

1. 経営者も人である以上、経営判断を行う際は、何らかの偏見に左右される場合はあると思う。

ただ、その場合にそれをそれと認識できるようにしておくことが「現実を踏まえた企業理念に基づく経営判断」という自分が理想とする経営判断ができることに繋がると思う。

そのためにはまず、こういった経営場面を含む日常生活で問題となりそうな偏見、つまり認知バイアスのことを大まかにでも知っておく必要があろうかと思う。

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外部環境の分析を通して見えたもの

警備業界の外部をめぐる経営環境(以下、外部環境)はここでしばしば述べて来たが、ここでそれをPEST分析を行って、一旦まとめてみようと思う。ただすべて挙げると切りがないので重要な事実だけ挙げる事とする。

1. PEST分析とは政治的な規制といった政治的要因PoliticalのP、世界・国内経済の状況といった経済的要因EconomicalのE、少子高齢化などの社会的な潮流といった社会的要因Socia

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自社がほしい人材

1. おかげさまで最近仕事の話が多く大変ありがたいですが、そのスピードに人の手配がついていかないのが現状。

この人手不足時代、仕事の需要に対し、人の供給が追いつかない状況は何度も述べている通りであるが、都市部に続いてこの田舎でもその流れが本格的になってきた感がある。

いままでだと高い警備料金を設定すればたいがいの業者はより安い方に流れて行ったものだが、今はそれでもいいとおっしゃる業者が出始めて

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トップとしてのプライド

1. リーダーシップ論の中で、パス・ゴール理論というものがる。

この理論における有能なリーダーは、必要なパスを示して、従業員の業務目標達成を助けるというもので、緊急時を除いては、リーダーは基本的に従業員の仕事を補完する役割を担うスタイルをとるべきとする考え方である。

2. 自分も基本的にこのスタンスをとるべきと考え、警備マイスター制度等それに合わせた制度を作っている最中である。

警備員を現場

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“学校前の本屋”にしていくために

1. 著者はおそらく「さおだけ屋はなぜ潰れない」で有名な公認会計士の山田真哉氏だったと思うが“よくある学校前の人気のない本屋が実はそれなりにやっていける(今の電子書籍の時代、ちょっと…という感じもあるのだがまあいいや笑)のは、常連がいて固定収入がある上に入学シーズンになるとその学校から大量の教科書の注文が入りそれなりの臨時収入があるから。実はそれが理想の商売の形なんじゃないか”という旨の本を読んだ

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隊員個人がつかむ見えない情報をいかに見える化していくか

1. 警備は人だとは繰り返し述べている通り。どうもそれはマーケティングの世界でもいえるらしい。

マーケティングとは売れ続ける仕組み作りのことをいう。

まず、対象市場を分け、標的を絞って、その中でポジショニングをとる。

その上で経営資源を投入して売れ続ける仕組みを構築していくのだが、それを構成する4つの要素のことを商品・サービス内容といった製品のProduct,価格のPrice,チャネル・物流

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隊員のモチベーション管理に対する我が社の取り組み

1. 前回の最後のところで人事制度を企業理念の浸透、ひいてはサービスの差別化の手段と捉えると述べた。

組織のありかたとサービスの質が直結する。それだけにその構成員であり、サービスの提供主体である人を如何に考えるかが警備業者にとって一番大切な視点であることはいうまでもない。

2.人は商品と違い、人格をもった存在。なのでいかに彼らのモチベーションを上げて行くかが肝である。

その点についてアメリカ

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理想的に理念を現実にすり合わせる

1. この人は現場の仕事は出来るのに管理は向いていないなあとか、その逆とか感じるときがある。

代替わりした昨年のこの時期に合わせ、この会社に本物の警備という理念を浸透させながら、公平な組織にする目的で作った警備マイスター制度。

この制度の人事制度は現場隊員→管理もする隊長や事務方というシンプルな形(以前はこの形すらろくになかったので進歩したとはいえるのだが)。

考えてみれば、業務がすごく出来

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