隊員のモチベーション管理に対する我が社の取り組み

1. 前回の最後のところで人事制度を企業理念の浸透、ひいてはサービスの差別化の手段と捉えると述べた。

組織のありかたとサービスの質が直結する。それだけにその構成員であり、サービスの提供主体である人を如何に考えるかが警備業者にとって一番大切な視点であることはいうまでもない。

2.人は商品と違い、人格をもった存在。なのでいかに彼らのモチベーションを上げて行くかが肝である。

その点についてアメリカの心理学者であり、経営学者でもあるマクレガーのXY理論がある。

まず、人間観を生存や安全といった低次元の欲求に基づくX理論と承認欲求や自己実現といった高次元に基づくY理論に分ける。

その上で彼は仕事へのモチベーションを高めるには、X理論に基づく命令と統制による管理より、Y理論に基づいて高次の欲求を満たす必要があるとして従業員に対する業務の権限委譲や職務拡大とともに目標管理制度(MBO)による主体的な自己管理の必要性を説く。

3.MBOとは、個人目標を主体的に設定し、自己統制によってその実現を図って行こうとする制度のことをいう。

我が社もこの目標管理制度であるMBOを導入するための体制作りを始めている。

具体的にその体制作りとは①上司は部下に次期の業務目標を提出させ、組織全体の立場から話し合い、その目標を決定する。

②決定された目標の達成は、基本的に本人の創意に任せる。

③期末に部下は目標達成度を自己申告する。

④上司はこれに基づいて業績評価を行い、結果を部下に面接を通じてフィードバックし、次期のための改善すべき点を示す。

4. その際にポイントとなるのが上司と部下のコミュニケーションである。そのための手段として、自社では面談とともに毎月、隊長会議や各部門でのミーティングやパワーランチを実施している。

MBOを実施するための体制作りはそのまま、組織の活力を上げて行くことに繋がる。自社はいまその流れの最中にある。この流れをもっと促進して行くことが理念の浸透、ひいてはサービスの質の向上につながって行くと思うのである。

ちなみにグロービス経営大学院大学学長の堀義人氏は家庭でこのMBOを実践しているらしい。さすがというか、すごいなあ。

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