隊員個人がつかむ見えない情報をいかに見える化していくか

1. 警備は人だとは繰り返し述べている通り。どうもそれはマーケティングの世界でもいえるらしい。

マーケティングとは売れ続ける仕組み作りのことをいう。

まず、対象市場を分け、標的を絞って、その中でポジショニングをとる。

その上で経営資源を投入して売れ続ける仕組みを構築していくのだが、それを構成する4つの要素のことを商品・サービス内容といった製品のProduct,価格のPrice,チャネル・物流のPlace,広告やPRのPromotionのそれぞれ4つの頭文字のPをとって一般にマーケティングの4Pと言う。

さらにサービス業の場合、それに現場の声といった人員のPerson,教本・マニュアルといった業務プロセスのProcess,例えば高級ホテルの場合における豪華な内装といった物的証拠のPhysical Evidenceのそれぞれ3つの頭文字のPも加わるとのこと。

2. 警備の場合もその3P、特に人員と業務プロセスとの関連を考えたマーケティングを考える必要はあるのかなと思った。その際のKSF(成功要因)は隊員個人の暗黙知をいかに共有して形式知化していけるか、だと思っている。

まず暗黙知とは経験や勘に基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいもの、のことをいう。

次に形式知とは文章・図表・数式などによって説明・表現できる知識を指す・

お客様の安全・安心をお守りする警備の場合、隊員が何より現場の見えにくい情報(暗黙知)をつかみ、それを他の隊員と共有し、文章化(形式知)していくことが大切となる。

3. そのために必要なのが各部門でのミーティングなのである。

もちろん自社では連絡簿やラインのグループを使って情報共有しているが、それだけでは伝わらない部分が多い。

それをミーティングでのコミュニケーションで補完していく意義は大きいと考え、自社では積極的に月例ミーティングや食事会の開催を推進しているというわけなのである。

逆にどれだけいい教本を揃えて、素晴らしいマニュアルをつくってもそれが隊員の暗黙知に裏付けられていなければ何の意味もない。

バラバラの烏合の衆ではいいマニュアルができるわけがないのだ。

こういった面からも警備は隊員間のコミュニケーションの形、つまりは組織のあり方とマーケティングが結びついていると私は思うのだ。




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