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ツッコミの数だけ思考が生まれる~敵対的読書はいかが?~

 本を読んでいると、たまにとてつもなく共感値の低い文章に遭遇する。
「言いたいことは分かるけれど、それは言い過ぎでは?」「ちょっと主観が入りすぎでは?」「矛盾生じてない?」等々、至る所にツッコミを入れたくなる。そういう本に出会ったときは、少し気が滅入る。
 しかしマイナスな面ばかりでもない。それどころか、大きなプラスに転じる可能性すら秘めている。

 先日Audibleを聴いていたときのことだ。中

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この世で一番怖いもの

この世で一番怖いもの

「まんじゅうこわい」という落語がある。怖いものなんて無いという男を怖がらせるべく、「まんじゅうが怖い」と漏らした言葉を信じて男を怖がらせようとする噺である。オチは有名なので語るべくも無いとして、序盤に若者たちが言い合う怖いものは虫、動物、実在しない物と多種多様である。
 さて、貴方は何が恐ろしい?
 私は何より「確証バイアス」が恐ろしい。

確証バイアスとは
 ある持論に対して、持論を支持する証拠

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朝読書のすすめ、または悪魔の囁き

朝読書のすすめ、または悪魔の囁き

 いつ読書をするべきか。
「そんなもん読みたいときでいいだろう」と思われるかもしれないが、決まった時間や決まったタイミングで行うことが習慣継続のコツらしい。故に読書にかける時間はさておき、読書を始める時間はいつも同じ方が良い。
 別に習慣化しなくとも本くらい読めるだろう。そういう人も居る。何なら私自身そう思っている。しかし実際のところ、精神が不調に傾きすぎると、本を読むことが出来なくなる。文字を文

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誰がなんと言おうと希望の書~「なぜ銅の剣までしか売らないんですか?」~

 勇者が魔王を倒しに行くRPGを思い浮かべてみてほしい。ステレオタイプのもので構わない。否、出来るだけステレオタイプのものが望ましい。
 貴方は、こんな疑問を抱いたことは無いだろうか。
 どうして、序盤の街から強い武器や防具を販売しないんだろう。
 どうして、敵を倒したらお金が手に入るんだろう。
 どうして、勇者と奉り上げておきながら、国王は大した金銭も装備も寄越さないんだろう。
 今はこんな定型

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読みたい本が多すぎる

読みたい本が多すぎる

 今日の文章は本当に表題通りというか、表題以上の意味は無い。本に憑りつかれた人間が「どうすれば本を読破出来るのか」と答えのない(或いはごく限られた答えしか無い)問いをああでもないこうでもないと頭を悩ませている様が確認できるだけである。よって、ここで帰って頂いて構わない。

 初めて読んだ本は何かは覚えていない。初めて一人で本を読み始めた歳も覚えていない。
 記憶に残っている児童書や絵本はいくつかあ

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本に直接書き込むことに対する一意見

本に直接書き込むことに対する一意見

 私は何でもかんでも疑ってかかる。これはもうMBTIなどを通り越えた私の本質だと思っている。以前はすぐに疑ってかかる自分が好きではなかったが、今は諦観にも似た受け入れ態勢を整えている。
 そんな私だが、ただ疑ったり批判したりするのではなく、自分に挑戦出来ることであれば挑戦してからケチをつけようという腹積もりで過ごしている。最終的にケチをつける気満々であることは否めない。
 今までNoteに掲載した

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「華氏451度」を通して考える、本が語ることとは

「華氏451度」を通して考える、本が語ることとは

「華氏451度」という作品はご存知だろうか。
 レイ・ブラッドベリによる著作で、舞台は近未来のディストピア。どこの家庭にもテレビが埋め込まれた壁が複数枚あり、一緒に暮らす家族よりもテレビを眺めて暮らしている。本は人心を惑わすとしてありとあらゆる本が禁制品となり、「消火士」たるファイアマンは本を焼き払う「昇火士」に実態を変えた。皆が皆画一化された意見しか言わず、少しでも「普通」から外れた人間は異端の

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厳しさの裏に隠れた本質、そして愛情~「20代で身につけるべき『本当の教養』を教えよう」~

厳しさの裏に隠れた本質、そして愛情~「20代で身につけるべき『本当の教養』を教えよう」~

 優しい嘘で誤魔化されることと、厳しい現実を突きつけられること、どちらがお好みだろうか。
 或いは、どれだけ出来ていなくても小さなことを見つけて褒めてくれることと、出来ていないことに対し正面から「出来ていない」と指摘し、改善点を提案されること、どちらの境遇に立ちたいだろうか。
 人それぞれ、状況にもよるだろうから、回答にはきっとばらつきが出るだろう。
 しかしもし、貴方がどれだけ厳しい言葉でもいい

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食わず嫌いの本はありますか?

食わず嫌いの本はありますか?

 最近読んでいた本は千田琢哉氏の「20代で身につけるべき『本当の教養』を教えよう」という本だ。
 この本の感想はまた後日記述するとして、この本の最後の方に、「人生を変えたいと思ったならば、学生時代食わず嫌いだった本を読め」と記載されていた。本嫌いだった著者がとある本と運命の本と出会い、それから貪るように本を読み始め、文筆家になるに至ったという実体験を元にした言葉のようだった。
 この話を見て驚いた

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