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宮下宗三(鍼灸師)
2023年8月8日 09:59
冷たい物を飲食する機会が多い夏は、胃腸の不調が出やすい季節です。東洋医学では胃の不調は万病のもとと考えられており、冷たい物で胃を冷やすと、秋以降の体調にも大きく影響します。また、意外なことに、胃の冷えは呼吸器の症状とも関係していると考えられています。冷たいものが呼吸器に影響?肺の経絡はお腹から始まり、肺を通過して手の親指にめぐります。そのため、おなかを冷やすと、この肺の経絡を通じて、肺の働
2023年4月8日 08:48
今回は目の疲れによい導引術です。 自分でやってみた体感としては、眼の奥に効く感じでした。 短時間で簡単にできるのでぜひお試しください。首を痛めている方は控えましょう。
2022年9月8日 13:50
秋は肺を養う季節です。 肺の養生のために、晩夏からは特に冷たいものの飲食を控えましょう。 東洋医学では、肺の経絡はお腹から始まり、肺につながると考えられています。 そのため、冷たい物の飲食でお腹が冷えると、間接的に肺も冷えてしまいます。肺は冷えに弱いため、これに外側からの冷えも加わると、呼吸器系の症状につながります。 気温が下がってくると、発汗後に汗が自然乾燥しづらくなり、
2022年5月8日 09:50
2021年7月7日 18:38
今回は江戸時代の佐藤民之助がまとめた『とし玉』という養生書にある、肩の秘灸をご紹介します。特に肩や首のこりを伴う眼精疲労に効果的なので、ぜひお試しください。『とし玉』(国立国会図書館所蔵)『とし玉』には「古くから伝わる秘灸だが、効果が優れているために公開する」と記載されています。ありがたや。原文を翻刻したものを参考までに載せておきます。歯の痛(いたみ)肩のはりいたむを直す傳(でん)
2021年6月8日 13:41
梅雨の湿気で体調を崩してしまう方は沢山いらっしゃると思います。ただ、やっかいなことに、湿気から逃げるというのは、基本的に不可能です。梅雨を少しでも楽に過ごすためには、湿気の影響を受けづらい体を作るしかありません。 今回は湿気に負けない身体を作るための、家庭でできる「打ち抜きの灸」のやり方をご紹介します。梅雨が苦手な方はぜひお試しください。戦場の陣取りでも湿地が避けられていた 湿気は東
2020年1月15日 10:45
今回は『養生大意抄』から、睡眠に関する記載をいくつか紹介する。1.酒食後すぐに寝てはいけない【原文】○酒食の後いまだ消化(こなれ)ざるに臥しねむれば、酒食の気滞りて気血めぐらず病となる。若(もし)臥さば久しくねふるべからず。傍(かたわら)の人に言置てよびさまさしむべし。【意訳】酒を飲み、食事をした後、まだ消化しないうちに横になり眠ると、酒食の気が滞り、気血がめぐらずに病になる。もし横に
2020年1月8日 11:17
1.寝正月による正月明けの疲労感寝正月という言葉があるように、休みの日にひたすら寝たり、家で大人しくしているというのも、悪くない過ごし方だと思う。ただ、安静に過ごしすぎているために、休暇の後に体調を崩す場合もある。今回紹介する『養生大意抄』の一節は、身体を動かさないことの害について。『養生大意抄』意訳『呂氏春秋』(りょししゅんじゅう)には「流水腐(くち)ず戸枢蠧(むしばま)ず」とある。流
2019年12月25日 10:54
1.正月休みでかえって疲れがたまる人今年もあと1週間をきり、長い正月休みがいよいよ始まる。正月は自由な時間がたっぷりできるので、好きなことをして、ゆっくり過ごす方も多いだろう。ただ、ゆっくりと楽しく過ごすつもりが、正月にかえって疲れてしまうこともある。好きなことをして過ごせば、休息になりそうなものだが、楽しいことほど、ほどほどが難しく、疲労をかえりみずに続けてしまう。今回紹介する一節は、休
2019年12月18日 09:40
1.先天の気と後天の気植物の種子は、土や水があることで生長する。同じように、人間も飲食物なしには生きていけない。東洋医学には先天の気と後天の気という概念がある。先天の気とは、父母より授かった根源的な気である。後天の気は飲食物より得られるエネルギーになる。健康を維持しながら年をとっていくためには、この二つの気を養い保つことが重要であり、これが今回紹介する一節のテーマとなる。では以下に原文
2019年12月11日 16:10
1.養生の動機付け養生の要は、体に良い事を習慣化することだ。ただ、それには強い動機付けが必要となる。特に今現在健康な人は、健康になろうという動機が希薄になってしまうため、なかなか習慣化が難しいだろう。一方で、体が弱いという自覚のある人や、大病をした後には、養生に対するモチベーションは、すごく高くなる。そして、そういう人たちの方が、逆に体に気をつけ続けるので、一病息災というように、意外と
2019年12月4日 11:39
1.心は静かにしてやわらかに【原文】心は静(しずか)にして和(やわら)かに躁(さわ)がしからざるを養生の一大要務とす。如何となれば凡人の耳目口鼻の七竅皆上に在ゆへ見聞言語飲食に就て身内の諸気尽(ことごと)く上部へ引あぐることのみなり。然るに心あらあら忙(せは)しければや神気うかみて気うはつる故、心気おさまらず、惟(ただ)逆上のみにて下降することなし。素問に気降(くだ)るを順としのぼる
2019年7月31日 12:00
前回は胃をいたわる夏の食べ方について、江戸の養生書の『養生大意抄』から紹介した。今回も引き続き同書から、胃にやさしい食べる順序について紹介する。汁物を先に飲むべし【原文】空腹なる時驟(あわて)てすぐに物を食すべからず。先(まづ)湯茶の類にても羹汁(にもののしる)抔のたぐひにても飲て、腹内をよくうるおして後に物を食すべし。凡飢過て食するときは、必味噌汁をとくと飲て後に飯を喫(くら)へば病を生
2019年7月24日 11:11
昔の人は、人体に害を与えるほどの暑さのことを、暑邪と呼んでいた。暑邪に対処する身近な方法といえば、飲食によって体の熱をさますことが挙げられるだろう。ただ、やみくもに冷たいものばかりを取ると、かえって害になってしまう。では、夏は冷たいものとどう付き合えばよいだろうか。今回は江戸時代の『養生大意抄』という養生書から、そのヒントを紹介しよう。夏の飲食は冷たいものと温かいもののどちらがよいか?