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目が疲れ肩がつらい時に - 肩の秘灸

今回は江戸時代の佐藤民之助がまとめた『とし玉』という養生書にある、肩の秘灸をご紹介します。特に肩や首のこりを伴う眼精疲労に効果的なので、ぜひお試しください。

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『とし玉』(国立国会図書館所蔵)

『とし玉』には「古くから伝わる秘灸だが、効果が優れているために公開する」と記載されています。ありがたや。

原文を翻刻したものを参考までに載せておきます。

歯の痛(いたみ)肩のはりいたむを直す傳(でん)
歯にても肩にても右いたまば右、左いたまば左の手の圖のところへ三火か五火つつも灸して速功(たちまちしるし)あり。かたのはるにも同し。もろもろの眼疾にもよし。平生(つね)その病あるにはたえず久しくすゆれば直るなり。こは皇国上古より故ある秘灸なれども妙なるがゆえに人に示す。

〔左の如く肩のはつれのとがりたるほねと臂(ひぢ)の下のとかりたるほねとますぐににらみ其間を一尺と定めこよりをわたすべし。さて上のかた四寸下のかた六寸との間のくぼくあなのやうな所、即灸穴なり。ふとりてわからぬ人はその所をおせばふかく穴のやうにほねのあたらぬ所としるべし。ちからこぶのうらにあたるすこし上にてくぼき所なればしろうとにもしらるるなり。左右ともに寸法おなし。但し一尺は圖の如く手の中指をかがめ上のふしの横の大筋と下のふしの横の大筋と堺にして中を一寸ととり十をあはせて一尺とするなり。小児にても老人にても長くてもみしかくてもそれにて一尺なり。すゆる時手のひらをむないたに当(あて)べし。〕
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『とし玉』(国立国会図書館所蔵、筆者翻刻、()内は傍訓、〔〕内は細字双行部、句読点を補った。)

では、さっそくやり方を見てみましょう。

ツボの場所

肩のお灸01

ツボの場所は、肩関節前面の骨の角と、肘関節外側の骨のでっぱりを結んだラインの中間点から親指の横幅くらい上がった所。押すと痛いことが多いです。

やり方

肩のお灸02

やり方の基本は普通の灸と同じです。お灸をするときの姿勢は上のイラストのようにしましょう。

・姿勢
胸板に手を当てながら

・お灸の種類
台座つきタイプで熱のソフトなもの

・個数
1カ所につき3個すえる

・注意
熱い場合はがまんせずにすぐ取ること

おまけ

肩のお灸03

おまけの眼のツボです。ここのツボはお灸ではなく、ツボ押し刺激です。めじりと目頭にはそれぞれ眼精疲労によいツボがあるので、以下のやり方で押してみましょう。

・目じりのツボ
目尻から親指の横幅の半分くらい外側に取る。

・目頭のツボ
目頭の少し内側。鼻柱の方に向けて押す。

・押し方
ツボの上に指をのせ、そのまま軽く圧迫し5秒間保持し、力をゆるめる。これを1か所つき3回。左右同時に刺激するのも可。グリグリと回すように押さないこと。

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