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seiji_arita
2024年6月26日 18:36
「死んだふり」必要悪が裏の正解領域で息を殺して生き続ける人の形をした程度の分際が虹を欲する辿り着けない朝の向こうに見えた汚れた海大人の顔をした愛想が一方的な暴力を振う生まれてきた喜びや生きて行く上での業だとか慢心と理想論 遠いと思い込んでいた天国と地獄誰も悪くないのなら 何故 僕等は泣いている夢の奥底 今は黙って死んだふり傷口を固めた嘘が
2024年6月21日 15:24
「道化師の告白」現実を何も語らない事により 何かが語られている色彩を失くした平板な世が血を流し 人格の一部を欠損した歪な夜空が消えそうな月を映し出す感覚を喪失した星は輝き方を忘れる僕の固定された視界には道化師の告白が終わり無く文章化されて行く彼は決して真実を語らないモノクロの街で薔薇を売る女暗室での祝祭 完結された愛純文学とは無関係な風が真夜中を彷
2024年6月19日 22:14
「樹木の影」垂直な壁に映る樹木の影其処にはあるのは 自分では無い誰かの影か 幻想か言葉は投げかけられ消えてゆく並列的に並んだ美質と欠落が境界線を超え存在する其の延長線にあるものは樹木では無く私自身だった解析不能な特質は決して開かれる事は無い定規で線を引く様に綺麗な均整其れと同種の物を身体に纏う血肉にもならない言葉の羅列に埋もれてゆく私は存在の狂
2024年6月10日 23:27
「白い月の光」夜明け前の白い月に 僕達ふたりのそれぞれが抱える事柄の差異が映し出されるその白い月は夜空の端っこで暗示的な光を微かに放つ僕は迷いの中で朝を迎える其れは圧倒的な混乱とは違う 確信のある答えが欲しかっただけなんだ彼女は時計を見つめているその針は宿命的な時を示す僕は彼女の背中をそっと指先で撫で君は静かにうなずいた所有し所有される事の
2024年6月9日 21:33
「君に贈る詩」君は詩なんか読まない僕の書いた文字は透き通っていて君の瞳には映らない窓からは低くたれこめた暗い雲が見えたそうかもしれない 僕は口に出してそう言った僕がペンを持った瞬間に言葉は消えて無くなってしまう詩を読む様に独り言を呟く君は詩なんか読まない静かに雨が降りはじめたPhoto : Seiji Arita