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seiji_arita
2024年4月24日 17:28
「君を捨てる」君を捨てる 其の傷跡は誰にも見えない深さや形を変えてなおも消える事無く記憶の中に生きている僕は独り君との足跡を辿る悲しみ 動揺 葛藤を含む象徴的な暗号誰にもわからない様に詩的に変換し吐露する事それが唯一の逃げ場である事を僕は知っていた斬殺 斬首された風の無い深淵其処に残された血を跡形も無く流し去る激しい雨僕は捨てられ 僕は君を
2024年2月25日 18:53
「小さな鍵」君が自由である事 それが僕の求めるただひとつの事だった 君の中にひっそりと隠された秘密の小さな鍵其の秘密の持つ孤独さを浮かべた君の微笑みを僕は見逃さなかった色彩が奪われた訳じゃ無い白も黒も同じ色には変わりないそれにやっと気が付いたんだ僕等はお互いの欠片を交換し合い 其の欠片を大切に胸にしまった 誰にも気付かれない様に 僕等の記憶
2024年1月30日 15:36
「I’M FLASH」彼女は僕の名前を呼んだ 確かに彼女の声だったその言葉は複雑で精巧な巨大な装置が動かしている世界の空中に浮かんでいた僕はその名前を側からぼんやりと眺めていた彼女は僕の名前をもう一度だけ呼んだ見慣れた辺りの景色の中でしばらく眠っていたそんな感覚に包まれて僕は目を覚ました全ては夢である事を知った彼女の柔らかな唇と声は全世界
2024年1月14日 20:02
「最終章」其処に君が居ると思い込むんじゃ無くて其処に君が居ない事を忘れてしまえばいいそれが僕の恋の始まりだった僕等を隔てる距離や周りの雑音は消え去り僕は常に君を感じる事が出来た遠くに輝く星はいつも僕の手を伸ばした少し先にある 決して触れる事の出来ない虚しさに 押し潰されそうになっていた数々の記憶の中から質の良いものだけをセレクトして再生した
2023年10月19日 15:44
「鏡の国」すすきの穂を揺らした十月の風金木犀の香り 銀杏の色彩微かな冷たさを含んだ風を感じていた細長い雲が線を引く青空は高く 高過ぎる空を見上げていたその情景が映し出す過去の特異点喪失の中に絡まる愛憎はやがて再生に似た世界の終わりを導く柔なか弧を描く細い塀の上を辛うじてバランスをとりながら歩く静かに暗唱を繰り返す鏡の国に君は居た そして今
2023年10月9日 23:33
「月見草」いつも僕は青空を望んでいた 其処に澄み渡る青がある事が当然の様に燃える太陽 その光を受けて暗闇の星は輝く眠れない僕達は夜空の月を連れて真夜中に外へ出かけた真白な淡い光につつまれて夢を見る 月見草静かな森の湖 独りじゃない 嬉しかったふたりは朝が来るまで愛し合った僕等の真実 君の好きな青と白 その色で世界は出来ていたそして
2023年5月20日 17:18
「落ち葉」癖のある髪 瞳にかかる前髪夢行きの列車 色彩 景色初めて僕に微笑んでくれた夜君と歩いた街並み君とよく行ったお気に入りのカフェ君の好きな あの歌君の仕草と口癖 真似して笑わせた 君の選んでくれた服君の好きな色至るところに溢れた思い出あれから僕も少しは強くなったよ本当だよ 君が居なくても大丈夫 なんて独り言 呟き 消せない想い
2023年5月13日 17:47
「かつてライオンだった少年へ」君の居る街には まだ雨が降っていますか陽の光 花や木の葉の色彩が見えますか街の雑踏 風の音が聞こえますか穏やかな時は流れていますか其処にも死はありますか捨て去った麻薬や拳銃かくれんぼの続き僕は今でも君を探していますきっと君を見つけてみせます見つけた時には笑ってください始めて会った時と同じ笑顔で僕は何も聞かずに君の手