念水庵

略称:水です。 水のように生きたいと思ってます。 会社員ですが休日は坊主です。 念願の…

念水庵

略称:水です。 水のように生きたいと思ってます。 会社員ですが休日は坊主です。 念願の参禅堂が建ちました。 これからが本番です。 https://nensuian.com/

マガジン

  • TAO、老子「道徳経」の解説

    老子の道徳経を各章解説しつつ、日々の糧とする81日間の歩み。 独自の解釈ですが、わたしの日記のようなものです。

  • 私の道シルベ

    自分の道標として書いたものをマガジンにしています。 こうありたい、あるべき理想というより、アコガレに近いです。 しかし矜持として掲げておきたい。 そんな人生マガジンであります。

  • キングポーズ

    このキングポーズは、腕をあげて拳を耳の横にそろえ、ぐっと肩甲骨を引き寄せ、拳を前に突き出して肩甲骨を広げるというシンプルなエクササイズです。 月に一度以上の更新を予定しています。 中高年の運動は、極力シンプルで飽きのこない、楽しく続けられることが重要です。キングポーズで明るく元気になりましょう。

  • シンプル仏教

    同タイトル投稿記事のまとめです。 不定期更新を予定してます。 「仏教をわかりやすく伝える」がテーマ。

  • 仏教の本質

    仏教の本質シリーズ(過去記事)のまとめです。 仏教について私なりにまるっと解説してます。 為念いずれも私見であります。 ご意見ご感想はお気軽に!

記事一覧

老子50:善く生を保つ者とは?

老子第五十章 原文: 出生入死。 生之徒,十有三; 死之徒,十有三; 人之生,動之於死地,亦十有三。 夫何故也?以其生生之厚。 蓋聞善攝生者, 陸行不遇兕虎, 入軍不被…

念水庵
18時間前
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老子51:道が生み、徳が育む原理

老子第五十一章の原文: 現代語訳: 道(タオ)は万物を生み出し、徳(徳性)はそれを育む。物はそれによって形を成し、勢(エネルギー)はそれを完成させる。だから、万…

念水庵
1日前
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老子52:「母に戻る」とは?

老子 第五十二章 原文 現代語訳 解説 第五十二章は、老子の哲学における「根源への回帰」や「自然の道(タオ)」への信頼を説くものです。この章では、物事の本質に立ち…

念水庵
2日前
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老子53:小道を避け大道を歩む

老子第五十三章 原文 現代語訳 もし私がほんの少しの知恵を持っていたならば、私は大道を歩むことができるだろう。しかし、人々は大道を避け、まがり道を好む。 大道は…

念水庵
3日前
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老子54:徳の波及効果

老子第五十四章 原文 現代語訳と解説現代語訳 解説 第五十四章は、個人の徳がどのようにして拡大し、家族、地域、国家、そして天下へと波及していくかを述べています。…

念水庵
4日前
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老子55:赤ちゃんのように

老子第五十五章 原文 含德之厚 比於赤子。毒蟲不螫、猛獸不據、攫鳥不搏。骨弱筋柔而握固。未知牝牡之合而朘作、精之至也。終日號而不嗄、和之至也。知和曰常、知常曰明、…

念水庵
5日前
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老子56:目立つことなく生きる

老子第五十六章の原文 知者不言 言者不知 塞其兑 閉其門 挫其銳 解其紛 和其光 同其塵 是謂玄同 故不可得而親 不可得而疏 不可得而利 不可得而害 不可得而貴 不可得而賤 …

念水庵
6日前
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老子57:無事長久の秘訣と技巧

老子第五十七章 原文: 現代語訳: 独自の解釈と解説: この章では、老子が「無為自然」の政治理念を説いています。老子は、正道によって国を治め、奇策を用いることが戦…

念水庵
7日前
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老子58:政治と人間社会の本質

老子第五十八章 原文 読み下し文 現代語訳 独自の解釈 老子第五十八章は、政治や人間社会の本質について洞察を与える章です。ここでは、「柔軟で寛容な統治が、人々を…

念水庵
8日前
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老子59:長く生き続ける道

老子第五十九章 原文: 治人事天,莫若嗇。 夫唯嗇,是謂早服。 早服謂之重積德,重積德則無不克。 無不克則莫知其極,莫知其極可以有國。 有國之母可以長久,是謂深根固…

念水庵
9日前
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老子60:恐怖や迷信が消える調和

老子第六十章は次のような内容です。 原文 治大国、若烹小鮮。 以道莅天下、其鬼不神。 非其鬼不神、其神不傷人。 非其神不傷人、聖人亦不傷人。 夫二者不相傷、故徳…

念水庵
10日前
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老子61:川下で受ける度量

老子第六十一章は次のような内容です。 原文 大邦者下流。 天下之交,天下之牝。 牝恒以靜勝牡。 為下者則得之。 大邦以下小邦,則取小邦。 小邦以下大邦,則取大邦。 故…

念水庵
11日前
15

老子62:道(タオ)の本質と自然

老子の第六十二章は、「道徳経」における重要な章の一つであり、道(タオ)の本質やその役割について述べられています。以下にその内容を示します。 老子 第六十二章原文 …

念水庵
12日前
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老子63:無為自然の洞察

老子の第六十三章は、シンプルでありながら深い洞察を含んだ言葉が特徴です。まず、その原文を掲げ、現代語訳を示し、最後に独自の解釈を試みます。 原文 現代語訳 解釈…

念水庵
13日前
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老子64:千里の道も一歩ずつ

老子第六十四章は、物事がまだ小さく簡単なうちに手をつけることの重要性を説いています。以下に、第六十四章の原文、現代語訳、そして独自の解釈を加えた解説をお届けしま…

念水庵
2週間前
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老子65:知恵より玄徳で治める

老子「道徳経」第65章の原文は以下の通りです。 「古之善為道者、非以明民、将以愚之。民之難治、以其智多。故以智治国、国之賊、不以智治国、国之福。知此二者、亦稽式。…

念水庵
2週間前
18
老子50:善く生を保つ者とは?

老子50:善く生を保つ者とは?

老子第五十章 原文:

出生入死。 生之徒,十有三; 死之徒,十有三; 人之生,動之於死地,亦十有三。 夫何故也?以其生生之厚。 蓋聞善攝生者, 陸行不遇兕虎, 入軍不被甲兵; 兕無所投其角, 虎無所措其爪, 兵無所容其刃。 夫何故也?以其無死地。

現代語訳:

人は生まれてから死に向かう。
生きている人は十のうち三、
死んでいる人も十のうち三、
そして、生きているのに死地に向かう人も十のうち三

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老子51:道が生み、徳が育む原理

老子51:道が生み、徳が育む原理

老子第五十一章の原文:

現代語訳:

道(タオ)は万物を生み出し、徳(徳性)はそれを育む。物はそれによって形を成し、勢(エネルギー)はそれを完成させる。だから、万物は道を尊び、徳を貴ぶ。 道の尊さと徳の貴さは、誰かに命じられたわけではなく、常に自然にそうなるものである。 ゆえに、道は万物を生み出し、徳はそれを育て、成長させ、養い、保護し、満たす。 生み出しても所有せず、為してもそれに依存せず、成

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老子52:「母に戻る」とは?

老子52:「母に戻る」とは?

老子 第五十二章 原文

現代語訳

解説

第五十二章は、老子の哲学における「根源への回帰」や「自然の道(タオ)」への信頼を説くものです。この章では、物事の本質に立ち返ることの重要性、欲望を抑えることの大切さ、そして柔軟性を保ちながら生きることが強さであると述べられています。

1. 天下の母と子の比喩:

母と子の関係: ここで「母」とは万物の根源、つまり「タオ(道)」を指し、「子」はその結果

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老子53:小道を避け大道を歩む

老子53:小道を避け大道を歩む

老子第五十三章

原文

現代語訳

もし私がほんの少しの知恵を持っていたならば、私は大道を歩むことができるだろう。しかし、人々は大道を避け、まがり道を好む。
大道は平坦で歩きやすい道であるのに、人々はなぜか険しい小道を選ぶ。
宮殿は華美に飾られ、農地は荒れ果て、倉庫は空っぽである。人々は華やかな衣服を身にまとい、鋭い剣を帯び、飲食に飽き、財宝は余っている。このような状態は盗賊の誇りと何ら変わらな

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老子54:徳の波及効果

老子54:徳の波及効果

老子第五十四章 原文

現代語訳と解説現代語訳

解説

第五十四章は、個人の徳がどのようにして拡大し、家族、地域、国家、そして天下へと波及していくかを述べています。この章は、老子が説く「道(タオ)」の実践が個人から社会全体へと広がる過程を説明しており、非常に重要な教えです。

1. 「善建者不拔,善抱者不脱」について

ここで言う「善建者」は、しっかりとした基礎を築いた者を指します。これは、道の

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老子55:赤ちゃんのように

老子55:赤ちゃんのように

老子第五十五章 原文

含德之厚 比於赤子。毒蟲不螫、猛獸不據、攫鳥不搏。骨弱筋柔而握固。未知牝牡之合而朘作、精之至也。終日號而不嗄、和之至也。知和曰常、知常曰明、益生曰祥、心使氣曰強。物壯則老、謂之不道、不道早已。

現代語訳

徳をしっかりと身につけた者は、無邪気で純粋な赤子にたとえられる。赤子には毒虫も刺さず、猛獣も襲わず、猛禽も掴みかからない。骨は柔らかく筋も柔軟でありながら、その握りは力

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老子56:目立つことなく生きる

老子56:目立つことなく生きる

老子第五十六章の原文

知者不言 言者不知
塞其兑 閉其門
挫其銳 解其紛
和其光 同其塵
是謂玄同
故不可得而親
不可得而疏
不可得而利
不可得而害
不可得而貴
不可得而賤
故為天下貴

現代語訳

知っている者は語らず、語る者は知らない。
口を閉ざし、門を閉め、鋭さをくじき、混乱を解く。
輝きを和らげ、塵と同化する。
これを「玄同」と呼ぶ。
だから、親しくすることもできず、遠ざけることもできな

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老子57:無事長久の秘訣と技巧

老子57:無事長久の秘訣と技巧

老子第五十七章

原文:

現代語訳:

独自の解釈と解説:

この章では、老子が「無為自然」の政治理念を説いています。老子は、正道によって国を治め、奇策を用いることが戦においては有効であり、何もせずに天下を治めることが理想的であると述べています。

まず、老子は禁令や規制が増えると、それに反発して人々が貧しくなると述べています。つまり、過剰な管理や干渉は逆効果を生み出す可能性があるという警告です

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老子58:政治と人間社会の本質

老子58:政治と人間社会の本質

老子第五十八章 原文

読み下し文

現代語訳

独自の解釈

老子第五十八章は、政治や人間社会の本質について洞察を与える章です。ここでは、「柔軟で寛容な統治が、人々を誠実にする」という主張がなされています。逆に、厳格で過度に管理された社会では、人々が不安や不満を感じることを指摘しています。

老子は、善と悪、福と禍が互いに依存し合い、絶えず変化していることを説いています。つまり、一見すると良いこ

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老子59:長く生き続ける道

老子59:長く生き続ける道

老子第五十九章

原文:

治人事天,莫若嗇。 夫唯嗇,是謂早服。 早服謂之重積德,重積德則無不克。 無不克則莫知其極,莫知其極可以有國。 有國之母可以長久,是謂深根固柢,長生久視之道。

現代語訳

人々を治め、天に仕えるには、慎み深さに勝るものはない。 慎み深く行うことが、早くから準備を整えることにつながる。 早く準備を整えることは、徳を積み重ねることであり、徳を積み重ねれば、すべてが成功する

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老子60:恐怖や迷信が消える調和

老子60:恐怖や迷信が消える調和

老子第六十章は次のような内容です。

原文

治大国、若烹小鮮。

以道莅天下、其鬼不神。

非其鬼不神、其神不傷人。

非其神不傷人、聖人亦不傷人。

夫二者不相傷、故徳交歸焉。

現代語訳

大きな国を治めるには、小魚を煮るように慎重に行うべきだ。

道(タオ)によって天下を治めると、邪悪な霊も力を失う。

霊が力を失うのは、それが存在しないからではなく、道が自然に従い、霊も害を与えないからで

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老子61:川下で受ける度量

老子61:川下で受ける度量

老子第六十一章は次のような内容です。

原文

大邦者下流。
天下之交,天下之牝。
牝恒以靜勝牡。
為下者則得之。
大邦以下小邦,則取小邦。
小邦以下大邦,則取大邦。
故或下以取,或下而取。
大邦不過欲兼畜人,小邦不過欲入事人。
夫兩者各得其所欲,大者宜為下。

現代語訳

大きな国は、低い位置にある川のようであるべきだ。
全世界の交流の場として、全世界の受け手であるべきだ。
受け手は常に静かに、

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老子62:道(タオ)の本質と自然

老子62:道(タオ)の本質と自然

老子の第六十二章は、「道徳経」における重要な章の一つであり、道(タオ)の本質やその役割について述べられています。以下にその内容を示します。

老子 第六十二章原文

道者萬物之奧。
善人之寶,不善人之所保。
美言可以市尊,美行可以加人。
人之不善,何棄之有?
故立天子,置三公,雖有拱璧以先駟馬,不如坐進此道。
古之所以貴此道者何?不曰求以得,有罪以免邪?
故為天下貴。

現代語訳:

道(タオ)は

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老子63:無為自然の洞察

老子63:無為自然の洞察

老子の第六十三章は、シンプルでありながら深い洞察を含んだ言葉が特徴です。まず、その原文を掲げ、現代語訳を示し、最後に独自の解釈を試みます。

原文

現代語訳

解釈と洞察

老子の第六十三章は、日常生活や仕事、さらには人間関係における行動の指針を示しています。ここでは「無為」や「無事」といった概念が中心的なテーマとなっていますが、これはただ消極的で何もせずに過ごすことを意味するのではありません。

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老子64:千里の道も一歩ずつ

老子64:千里の道も一歩ずつ

老子第六十四章は、物事がまだ小さく簡単なうちに手をつけることの重要性を説いています。以下に、第六十四章の原文、現代語訳、そして独自の解釈を加えた解説をお届けします。

老子第六十四章(原文)

現代語訳

安定しているうちは、物事は容易に扱うことができる。まだ兆しが現れないうちは、簡単に計画を立てられる。壊れやすいものは、簡単に壊せるし、微細なものは、容易に散らすことができる。事が起こる前に対処し

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老子65:知恵より玄徳で治める

老子65:知恵より玄徳で治める

老子「道徳経」第65章の原文は以下の通りです。

「古之善為道者、非以明民、将以愚之。民之難治、以其智多。故以智治国、国之賊、不以智治国、国之福。知此二者、亦稽式。常知稽式、是謂玄徳。玄徳深矣、遠矣、與物反矣、然後乃至大順。」

現代語訳

古の道をよく行う者は、民衆を賢くするためではなく、むしろ純朴で素直な状態に保つために努力する。民衆が治めにくいのは、知恵や知識が多すぎるからである。だから、知

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