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【選挙徘徊記】2024年 東京都知事選 感想
1. はじめに 6月20日告示/7月7日投開票で東京都知事選挙が行われた。
今回の選挙は一般的に「3選を目指す小池百合子都知事に2〜3名の『主要候補』らが挑む構図」と評されることが多いようだが、実際のところは過去最高の56名が立候補し十人十色の戦いを繰り広げたという、その背景はともかくとして大変賑やかな構図であった。
特に私としては大半のマスコミが取り上げない「独立候補」、俗に言う「泡沫候補」
【選挙徘徊記】2024年 衆議院・東京15区補選 感想
1. はじめに 4月16日告示/4月28日投開票で、衆議院東京15区補欠選挙が江東区にて行われた。
この選挙は公選法違反事件で有罪が確定した柿沢未途前議員の議員辞職に伴うものであり、裏金問題の逆風にあえぐ自民党が公認候補や推薦を出すことができず、事実上の「不戦敗」に追い込まれる(1)という異例の展開となった。
そして自民党候補の不在という隙を突くかの如く、立憲民主党や日本維新の会と共に新興勢力
【選挙徘徊記】2024年 大阪府・熊取町長選 感想
1月16日告示、1月21日投開票で熊取町長選挙が行われた。
今回は3期目を目指す大阪維新の会(日本維新の会)の現職に、自民党をはじめとする5つの政党が推薦する新人候補らが挑む構図となった。
そしてこの選挙は維新と「非維新」連合が今年初めて戦う首長選という記念すべきものであると同時に、後述の通り大阪府内における維新の今の実力を測るバロメータとなりうるものであった。
また私としては、3つの陣営
【選挙徘徊記】2023年 大阪府・東大阪市議選 感想
9月17日告示、9月24日投開票で東大阪市議会議員選挙が行われた。
今回は自民党、大阪維新の会(日本維新の会)、共産党が現有議席を上回る候補者を擁立した上に、立憲民主党、れいわ新選組、参政党等も議席獲得を狙って候補を立てた。そして諸派や無所属の現職、新人らも次々と出馬した結果、定数38を57名で争う大激戦となった。
本稿では、私が実際に各候補者の選挙運動を見に行き、その時に抱いた感想を述べ
所属会派から読み解く、参政党地方議員の政治的性格 ~彼らは「非妥協的な極右」なのか~
本稿は参政党の地方議員の政治的性格を、彼らが議会で所属している会派を手がかりとして考察するものである。
参政党は一般的に、既存の政党を厳しく批判する姿勢(1)や「極右政党」というイメージ(2)で知られている。
他方国政政党になって以来メディアや専門家らが参政党を取り上げる機会も増えたが、その中で神谷宗幣代表が政策的に共通する部分があれば「協力できるところとはどこ(の政党)とでも協力する」と
【選挙徘徊記】2023年 京都府・八幡市長選 感想
11月5日告示、11月12日投開票で八幡市長選挙が行われた。
今回の選挙は、現職の堀口文昭市長が自身の体調不良や市長選を前倒ししたい意向等から辞職したことで行われるものであり(1) 、国政与野党が推す候補と維新の候補などが激突することから、維新の動向が焦点となる来年2月の京都市長選の前哨戦として注目されていた(2) 。
本稿では、私が実際に各候補者の街頭演説等を聴きに行き、その時に抱いた感
【選挙徘徊記】2023年 兵庫県・三田市長選 感想
7月16日告示、7月23日投開票で三田市長選挙が行われた。
今回は市立の三田市民病院の再編統合計画(1)を推進している現職に対し、前明石市長の泉房穂氏が推す候補や共産党が推薦する候補らが計画反対等を掲げて挑む構図となった。
一般的には、市長在任中に「子育て支援政策」や「パワハラ・暴言」等で全国的に有名になった泉氏が、明石市外でどれほどの実力を発揮するのかが非常に注目された選挙である。
本
【選挙徘徊記】2023年 大阪府・堺市長選 感想
5月21日告示、6月4日投開票で堺市長選挙が行われた。
今回は再選を狙う維新現職の永藤ひでき氏と、連合が推薦し「非維新」諸政党の関係者が応援する、無所属の野村ともあき氏の2度目の戦いとなった。
1ヶ月半前の統一地方選で維新が各地で躍進したとはいえ、維新が勝利したのは前回が初めてというこの選挙で、一騎打ちを制するのはどちらであるかが注目された。
本稿では実際に各候補者の街頭演説等を聴きに行
【選挙徘徊記】2023年 大阪府・吹田市議選 感想
4月16日告示、4月23日投開票で吹田市議会議員選挙が行われた。
今回は大阪維新の会が現有議席を大きく上回る10名の候補者を擁立した他、れいわ新選組や旧N国党、そして参政党ら新興政党も議席を獲得せんと挑戦してきた。また現職も軒並み立候補した結果、定数36を45名で争う大激戦となった。
おそらく注目した方はほとんどいなかったであろうが、結論から述べると明らかに大きな変化が発生した、非常に興味
【覚書】参政党 2023年統一地方選と2022年参院選での得票数の比較
本稿では、参政党の2023年統一地方選での得票数が、2022年参院選と比較してどれほど減少(増加)したのかを検討する。
都道府県別のサンプル数に大きな偏りがあるためあまり当てにはならないが、この分析が、参政党はどの都道府県で強いか、またどの候補者や都道府県連が有能か、等の疑問への参考に少しでもなれば幸いである。
※注意点
・分析対象は、参院選は比例区での得票、統一地方選は政令市を除く市区議選