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【選挙放浪記】2024年 大阪府・熊取町長選 感想

 1月16日告示、1月21日投開票で熊取町長選挙が行われた。
 今回は3期目を目指す大阪維新の会(日本維新の会)の現職に、自民党をはじめとする5つの政党が推薦する新人候補らが挑む構図となった。
 そしてこの選挙は維新と「非維新」連合が今年初めて戦う首長選という記念すべきものであると同時に、後述の通り大阪府内における維新の今の実力を測るバロメータとなりうるものであった。
 また私としては、3つの陣営のうち2陣営に参政党の関連人物が属しているということから、非常に興味深く見ていたものである。

 本稿では、私が実際に各候補者の選挙運動を見物しに行き、その時に抱いた感想等を述べる。

1. 藤原 敏司氏(現・維新)

 藤原敏司氏は熊取町議、大阪府議を経て、2016年から熊取町長を2期務めている人物である。また横山英幸幹事長によれば大阪維新の会の古参メンバーでもあるとのことである。

 これまで私は拙稿で取り上げた選挙を含め、維新の現職候補が出馬した首長選を数件見てきたが、いずれの選挙でもその候補は「エネルギッシュな雰囲気」を振りまく人物であった。また彼らの演説には「自治体の明るい将来ビジョンを漠然と語る」という共通点があったが、これらには有権者に「この人なら何かいいことをしてくれそう」と期待感を抱かせる効果があったと思われる。
 この経験から、私は維新の現職候補に「ポジティブな雰囲気を醸し出す人物」というイメージを抱いていたのだが、藤原氏はこれとは大きく異なる候補者であった

熊取西セブンイレブン前にて、伊東信久衆院議員の
応援演説をボーッと聴く藤原氏。

 まず私の藤原氏の第一印象は「エネルギッシュさ」とは程遠いものである
 私は彼が熊取駅で利用客に挨拶をしたり、街頭で通行人に手を振っている様子を見たが、71歳と比較的高齢なこともあってか、はっきり言ってその姿は非常に地味なものであり、とても維新の候補には見えなかったのである。

 また彼は演説で「『身を切る改革』」「公民館の耐震化の推進」「ソーシャルワーカーの設置」といった実績を熱心に訴えていた。
 だが町の将来ビジョンについてはほとんど語らず、せいぜい「不登校対策」「ブルーベリーの特産化」等の個別の政策に言及した程度である。このような内容によって、演説を聴く有権者に将来への期待感を抱かせることは難しいであろう(1) 。

 付言するならば、藤原氏は選挙期間中を含めSNSを全く利用しなかった。いくら空中戦が実際の選挙に与える影響が限定的だとはいえ、彼がこれを活用せず自らの発信力を実質的に制限していた点は理解に苦しむものである。

 以上のように、藤原氏はポジティブな雰囲気にも、それを発信する力にも乏しいという維新らしからぬ候補者であった。したがって、私には彼個人に有権者を引き付ける魅力があるとはとても思えなかったのである。

交差点にて、往来する車に手を振る
維新の選挙スタッフ。

 だが、藤原氏陣営において候補者本人以上に注目すべきなのは、維新の十八番たる強力な地上戦である。これが良く分かったのは選挙戦の最終日である。

 藤原氏陣営のその日の選挙スタッフは大体3~40名程度と思われるが、彼らは1~3名のグループに分かれ、各々が交差点、コンビニ、スーパーマーケットといったおよそ人や車が集まりうるあらゆる場所に幟を立て、ひたすら通行人に手を振っていた。試しにある2名のグループを観察したところ、彼らは少なくとも1時間以上交差点にて手を振り続けていたのである。

 この運動によって熊取町民は明日が選挙だということを知ることができ、そして維新のシンボルカラー「黄緑」を見て、「全く知らない候補よりは、さっき見かけた維新の候補に投票したい」と考えるのではないだろうか(2) 。
 このような地道な活動を町内の広い範囲で展開したことは、選挙結果に大きな影響を与えたと思われる。

大阪維新の会の横山幹事長(藤原氏の右)らと
街頭演説を行う藤原氏。
(※画像の一部を加工しています)

 また横山幹事長や日本維新の会の馬場信幸代表藤田文武幹事長といった党幹部を始め、維新所属の国会議員、地方議員らが藤原氏の応援演説を積極的に行ったことも、より街頭演説の聴衆を増やし藤原氏の知名度を高める効果をもたらしたであろう。

 まとめると、今回の選挙での維新は「弱い候補者」と「強い組織力」という対照的な要素を兼ね備えた体制であった。したがって藤原氏が当選した場合、それは「藤原氏の魅力」ではなく「維新の実力」によるところが大きい、と捉えることが可能であろう。

2. 矢野 正憲氏(新・無(自/立/公/国/参推薦))

 矢野正憲氏は自民党所属の町議である。今回は自民党だけでなく立憲民主党公明党国民民主党、そしてあの参政党からも推薦を受けた、いわば「非維新統一候補」として藤原氏に挑んだ。

熊取駅前ロータリーにて街頭演説を行う矢野氏。
隣は立憲府連の森山代表。

 矢野氏の主張する政策とは、防災基金やふるさと納税の税収を活用し、「学校給食費の無償化」「学校の体育館へのエアコンの設置」等の子育て政策を推進することで町への転入者を増やし、人口減少を解消するというものである。
 これらは今やどの選挙でもしばしば語られる政策であるが、興味深く感じたのは、彼がこれらと共に現職の藤原氏を「必要なことも新しいこともしない」「防災基金やふるさと納税の税収をため込むだけ」と、上記の政策等を実施しなかったことを強く批判していた点である。

 前掲の拙稿からも分かるように、「維新 vs 非維新」の選挙において、後者は往々にして相手候補ではなく維新全体への厳しい批判を訴えのメインとする傾向がある。だが維新が極めて高い支持を集めている大阪において、この主張が多くの有権者からの賛同を得られるかは実のところかなり怪しいであろう。
 他方、このように候補者個人の問題点を明らかにすることは、維新を支持しながらも現在の町政に不満を感じているような有権者からの支持をも獲得することを可能にするだろう。即ち矢野氏は「維新王国」たる大阪において極めて有効な戦術を取った、と言えるのである。

大久保区民ホールにて個人演説会を行う矢野氏。

 もっとも矢野氏の政策を俯瞰したところ、「地域通貨の導入」といった新しい取組も掲げていたとはいえ全体的に地味な印象が拭えない。かねてから私が「非維新」の候補に必要だと指摘している「維新に代わる魅力的なビジョン」を示すことができない限り、彼が幅広い有権者からの期待を集めて維新候補に勝つことは難しいであろう。
 加えて彼の演説が穏やかに語りかけるというインパクトに欠けるスタイルであったこともあり、私は矢野氏を「勝てる候補」とみなすことはできなかったのである。

 だが私が感銘を受けたのは、彼が個人演説会で「選挙戦を通じて他の候補者と知恵を出し合い、当選後は彼らの主張していた政策を真似したい」と述べていた点である。
 フリージャーナリストの畠山理仁氏が言うように、選挙にはそれを通じて「市民のための政策を練り上げる」という機能がある。それは例えば他の候補者が訴えた良い政策を当選した人が実際に採用する、といったものである(3) 。そして選挙期間中にも「他の候補者のチラシも読んでいる」と胸を張っていた矢野氏は、明らかにこの機能をはっきりと理解していたのである。
 その点で、彼はたとえ「勝てる候補」でなくとも「良い候補」であったことは間違いないだろう。

「地方創生とは…何か(ネットリ」等と言いながら
矢野氏の応援をする石破氏。

 矢野氏の選挙運動で特徴的だったのは、個人演説会をほぼ毎夜開催していた点である。これは同じ時間に連日駅立ちを行った他の候補と異なり、既存の支持者を中心として支持を広げようとする戦術だったのかもしれない。
 また彼は諸政党の統一候補としてそれらから強力な応援を受けていた。特に知名度の高い自民党の石破茂元幹事長が応援に入ったことは特筆ものであろう。他に立憲民主党府連の森山浩行代表らも応援演説を行い、公明党の山口那津男代表・石井啓一幹事長や国民民主党の玉木雄一郎代表らは為書きを送っていた(参政党については後述)。

 他方、矢野氏陣営としては維新と比べて貧弱な地上戦しか展開できていなかった。確かに彼らは最終日に交差点にて辻立ちを行っていた他、駅前ロータリーで「桃太郎」を実施したり、幟を乗せた自転車で町内を走る、といった宣伝も行っていたが、実のところそれらは「携わった人数」の面においても「彼らの熱量」の面においても、同日の維新の活動に大きく見劣りしていたのである。
 もし陣営が本気で選挙に勝つつもりだったのなら、維新の戦術を参考にした上で推薦を受けた政党の組織力を活かすべきではなかっただろうか。これほど多くの政党からの推薦が、こと地上戦においては半ば「宝の持ち腐れ」と化していた点は残念でならない。

 結論としては、矢野氏及びその陣営は個々に注目すべき点はあれども、全体として「有権者を惹きつける選挙運動を展開できていた」とは言い難い。したがって今回の選挙では、彼の当落もまた「矢野氏とその陣営の魅力」ではなく、対抗馬である「維新の実力」によって決まることであろう。

参政党支持者の動画に出演する矢野氏(※出典)。

 なおここで「参政党ウォッチャー」の私として、矢野氏に推薦を出していた参政党についても触れておきたい。
 矢野氏本人によれば、彼は参政党の神谷宗幣代表と「大阪教育維新の会」以来の付き合いとのことである(4) 。今回党が異例の「首長選候補への推薦」 (5)を行ったのはこの事情が大きいと思われる。そして現地で参政党員が活動しているのかを確認することが、私の今回の見物の主目的であったのである。

 だが残念ながら矢野氏の陣営に参政党員が参加しているかは終始分からず、また党の関係者からの為書きも少なくとも事務所の目立つところには確認できなかった。私が現地で党の存在を感じたのはせいぜい、矢野氏のある日の街頭演説の際、聴衆の中にそれっぽい色のジャンパーを着た者が複数名いた時だけであった。
 とはいえ矢野氏は個人演説会で「参政党さんにはSNSで弱いところをカバーしていただいた」と謝辞を述べており(6) 、またある参政党支持者の動画に出演した際は選挙前に党員がチラシ配り等の手伝いに入っていたことを認めている(7) 。したがって参政党が矢野氏をその組織力をもって応援していたことは間違いないだろう。

矢野氏のチラシ(裏面)。
参政党の主張と一致する⑯⑱に加え、後述の⑤⑩に注目。

 だが指摘しなくてはならないは、矢野氏の政策には「帯状疱疹ワクチンの助成」「グローバル人材育成のための、英検の受験料の補助」という参政党の基本姿勢と真っ向から対立するものがあった点である。よもや参政党は推薦を決める際、「政策の一致」よりも「神谷氏との個人的関係」を優先したのだろうか。
 これまでも参政党は複数の首長選に関与しており(8) 、また今後も関わってくることは十分考えられる。そしてこのように彼らが応援する候補の政策が党のそれと一致しているのかについて分析することは、党の首長選への基本姿勢を理解するにあたって大いに参考となるであろう。

矢野氏と石破氏。

 なお最後に、石破氏が前述の個人演説会で矢野氏を推薦した各党への感謝の言葉を述べた際、参政党にはついぞ一言も触れなかったということを、笑い話として記しておきたい。

3. 田中 豊一氏(新・無所属)

 田中豊一氏は町職員出身の町議である。前回の町議選では維新公認でトップ当選した(9)が、今回は無所属候補として出馬した。
 田中氏の立候補を知った当初、私は彼が藤原氏と矢野氏、どちらの票を削るかということが結果に影響を与えうると考えていたが、現地で彼にあった際にすぐさまこの予測を取り下げた。何故なら田中氏は候補者としてあまりに弱過ぎるように見えたからである。

熊取駅前にて街頭演説を行う田中氏。

 まず彼は覇気に乏しい。演説は個別の政策をボソボソと訴えるスタイルであったが、それは全く迫力にかけるものであり、実際足を止めて彼の話を聞こうとする者はほとんどいななかったのである。
 また彼が通行人に積極的に声をかけようとしている様子はなかなか確認できなかったのだが、最初からいわば「第三の候補」という不利な立場に置かれている田中氏が、この姿勢で有権者に名前を知ってもらうことはなかなか難しいであろう。

 政策については、田中氏は矢野氏と同様に藤原氏を「何も決断しない」と批判しつつ、自らの町職員及び町議時代の実績や、「市街化調整区域の住宅開発」「外環状線の渋滞の解消」といった具体的な提案を次々と訴えていた。また演説の中ではこれに関連して各地域の課題や近隣の他市の取組についても詳細な説明をしており、私としては「流石、長年町政に携わっている田中氏である」と感じることができた。
 とはいえ、このような細かい政策を羅列するだけの演説では、支持者はともかく大多数の有権者を惹きつけることはあまりにも困難であろう

 このように田中氏の選挙戦術は、とても町議選でトップ当選できた人物のそれとは思えない、お粗末なものだったのである(10) 。

田中氏の応援演説を行う出原・貝塚市議。
左は彼の演説を配信する、参政党離党者を名乗る活動家。

 さて彼の陣営で特徴的だったのは、参政党からの離党者が複数名所属していた点である。 

 最も精力的に活動していたのは、昨年12月を以て参政党から離党した(11)貝塚市議の出原秀昭氏である。彼はしばしば田中氏の応援演説に立っていたが、それは「そんなこと(数字の上だけで物事を測るようなこと)するのが維新違うんか!? いい加減にせいよホンマに!! 」と怒鳴る等、終始維新への憎悪を撒き散らすものであっただがこのような相手陣営への罵詈雑言を聞いて田中氏に投票をしようと考える有権者が、一体何人いると言うのだろうか?
 因みに、出原氏が演説の中で「文句言うてこんねん誰も。真実を言うてるからや!!」「それでも大和魂持ってるんか皆さん!?」といった参政党関係者におなじみのフレーズを使っていた点を見るに、彼はもしかすると参政党を離党した今も「目覚めた」ままなのかもしれない。

 また「参政党の離党者」を名乗る活動家も田中氏に付き従い、彼の選挙運動の様子をしばしばYouTubeにて配信し続けていた(12) 。だが再生回数が平均300回程度にとどまっていた点を見るに、この空中戦の効果は極めて薄かったと思われる。
 他に3~4名のスタッフも精力的に活動していたが、藤原、矢野両氏に比べると組織力には絶望的なまでの差があったと言わざるを得ないだろう。

 総じて田中氏もその陣営も、彼の「元維新町議」という華々しい経歴に反して「独立(泡沫)候補」並みの貧弱な選挙運動しか展開できていなかった。したがって私は、彼が町議選での得票数を上回ることも、ましてや選挙結果に影響を及ぼすことも無理だと結論付けたのである。

田中氏と出原市議。田中氏のたすきのデザインに注目。

 因みに、田中氏陣営はポスターや幟、スタッフのジャンパー等を全て維新と同じく「黄緑」を基調としたデザインにしていた。更に田中氏本人の黄緑色のたすきには白色、そして2文字だけ赤色という維新のロゴと似たカラーリングで名前が書かれていた。
 田中氏陣営としてはもしかすると馴染みのある色にしただけなのかもしれない。だがあまり候補者のことを知らない有権者なら、田中氏を維新の候補と誤認したのではないだろうか。本来藤原氏に入るはずだった票の極めて一部が田中氏に入った可能性については、ここで指摘しておきたい。

4. 選挙結果と総括 〜維新、未だ衰えず〜

 今回の選挙について、まず投票率を前回を9.29ポイントも上回る42.41%にした熊取町民には敬意を表したい。
 そして結果は藤原氏が矢野氏を得票数で1,113票、得票率で7.53ポイント上回って三選を決めたのである。

 ここまで述べてきた通り、今回の選挙戦においては藤原氏個人、そして矢野氏及びその陣営には大きな魅力が欠けていた。したがって今回の選挙結果はほぼ「今の維新の実力」を表すものと捉えることができる。そして矢野氏との得票率の差が10ポイント未満の激戦になったとはいえ、最終的に藤原氏が勝利したこの結果は維新の高い実力を如実に表している、と解釈可能であろう。
 無論藤原氏が勝利した主な要因が「『維新』という看板の人気」なのか「維新の地上戦の効果」なのかについてはより詳細な分析が必要であるし、またこれが熊取町固有の現象である可能性も残っている。だが大阪府外の地方選挙で維新の票が伸び悩む傾向が見られる(13)中、今回の選挙は「維新は大阪府内においては未だその実力を衰えさせていない」という可能性を示唆しているのではないだろうか。

 なお田中氏の票にも注目したい。彼は前回の町議選では維新候補として約1,917票を獲得したが(14) 、今回は無所属候補として1,808票を得ている。当選の見込みも「維新」という重要な看板も実質的にない状況下で得票の減少を100票に抑えた点を見るに、彼は私の第一印象とは異なり個人として選挙にはそれなりに強かったのだろう。彼の実力を見誤った点については今回の反省点としたい。

激しく渋滞する、平日19時頃の外環状線。

 最後に、今回の見物を通じて私が感じた熊取町の課題について述べたい。

 最終日に町内を自転車で走り回ったことから実感したが、町の道路の多くは幅が狭く、自動車もすれ違うことに大いに苦労していた。他方町の大動脈である外環状線はしばしば渋滞をしており、こちらもスムーズな通行は困難なようであった。選挙戦でしばしば議論になった通り交通事情の改善は町の喫緊の課題の一つである。

 また今回は熊取町の魅力というものも発見することができた。特に食については、石破氏が個人演説会で紹介していた「くまコロ」 (15)と「熊取ビール」 (16)というご当地グルメを実際に味わい、それらの美味しさに感動することができたのである。これらのような熊取町の、石破氏が言うところの「今だけ、ここだけ、あなただけ」の魅力を高めて地方創生を実現することも、町が積極的に取り組むべきものであろう。

 今回めでたく当選した藤原氏におかれては、相手候補による「新しいことを何もしようとしない」という批判を払拭すべく、これらの課題の解決に果敢に取り組み、ポスターに書かれたキャッチフレーズの如く「挑戦をやめない」でいただきたいと、切に願う次第である。


※ 註

(1) なお藤原氏がそもそも長期的ビジョンを抱いていない可能性もある。例えば選挙前に行われた公開討論会において、彼は人口減少対策に関して「人口は全国的に減っているのだから対策の取りようがない。それよりも今の住民のサービスを向上させるべき」と、町の将来を全く考慮しない発言をしていた。「泉佐野青年会議所」 2024年1月12日 「熊取町公開討論会」
https://www.youtube.com/watch?si=-6KaE0R6-epvMv7Y&v=iqGgIbUti-4&feature=youtu.be

(2) 実際に私は、維新のこの活動を見て「そういや明日選挙か」「どうせ維新が勝つやろ」云々と会話をしていた町民を確認することができた。

(3) 畠山理仁『コロナ時代の選挙漫遊記』(集英社、2021)

(4) 「一回しんだ男の言いたい放題チャンネル」 2024年1月9日 「参政党 神谷宗幣代表が初めて推薦する熊取町政に挑戦する矢野正憲議員とは?」
https://www.youtube.com/watch?v=29W6nFWevfo

(5) 参政党が推薦を出した首長選の候補は、私が確認できた限りでは他には2023年の八尾市長選の山口穂奈美候補のみである。NHK選挙WEB 「八尾市長選 統一地方選挙2023」
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/touitsu/27/18749/skh51847.html

(6) 実際本稿でも引用している通り、「参政党の支持者」を標榜する複数のYouTuberの動画に、矢野氏が出演していたことが確認された。また私が調査したところ、X(旧Twitter)にて矢野氏を応援する投稿をしたアカウントの中には、過去に参政党を支持する内容の投稿をしていたものが少なからず確認できた。したがって矢野氏のこの発言の信憑性は高いであろう。

(7) 「一回しんだ男の言いたい放題チャンネル」、前掲動画

(8) 私が確認したのは前述の八尾市長選の他に、2022年の那覇市長選(候補者を支援)、2023年の大阪府知事選(公認候補を擁立)、及び福井市長選(候補者を支援)である。

(9) 選挙ドットコム 「熊取町議会議員選挙 - 2023年04月23日投票」
https://go2senkyo.com/local/senkyo/23553

(10) 因みに田中氏は、維新の町議時代に藤原氏らから威圧的な言動を受け、党本部に対しハラスメント被害を申告したとの報道があった。だが選挙戦でこのことを持ち出して藤原氏を殊更に非難するようなことは確認できなかった。なお報道について、詳細は文春オンライン 2023年6月21日 「「不信感そのもの」「あんた考えが足らん」 維新町長らが町議を“つるし上げ音声”入手 ハラスメント被害を党に申告」
https://bunshun.jp/articles/-/63780

(11) X 「伊藤つばさ 大田区議会議員」(@itotsubame) 2024年1月29日午後7時20分の投稿
https://twitter.com/itotsubame/status/1751913225569063144

(12) その配信はYouTube 「kazuya_sun」 より視聴可能。
https://www.youtube.com/@kazuya_sun

(13) 詳細は金城ガンジ 2023年12月14日 「「日本維新の会」の選挙結果をまとめてみた」
https://note.com/mousouya/n/n86f07fd927af

(14) 選挙ドットコム、前掲記事

(15) 詳細は熊取うまいガイド 「【ご当地グルメ】とろ~りコロッケ「くまコロ」 大阪・熊取町」
https://kumatori-umai.com/kumakoro

(16) 手作り餃子専門店「ぎょーざやさん」にて賞味可能である。公式HPはhttp://gyo-zayasan.jp 。    

※URLは全て2024年2月3日最終閲覧。
※特記の無い写真は全て筆者撮影。

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