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「日本維新の会」の選挙結果をまとめてみた


◎はじめに

 12/10投開票の茨城県下妻市議選(定数18/21人)にて、維新が擁立した候補が20位“ブービー落選” するという事態が発生しました。

 元来、茨城を含む北関東エリアにおいて維新は苦戦していましたが、その中でも茨城県は国会議員(比例)や県議、市議を誕生させている地域。 それならば、これまでの、

地方議員選挙では下位で複数当選させるより候補を一人に絞って上位当選させて、その “インパクト” を内外にアピールするコトを優先するのが、維新

 という傾向から見て、当選は固くて何位で当選するかの勝負だろうと見ていたトコロで “ブービー落選” ときたので、私は衝撃を受けたのでした。

 コレは大阪万博をはじめとする維新のズンドコっぷりが露呈したコトが大きいのでしょうが、それ以外にも何か要因が有るのではないか。 例えば、地域差とか・・・

 と、いうワケで、私は現在、

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 参政党の選挙結果を今年5月(統一地方選後)からチェックしてきているのですが、同様のコトを維新でもやってみました。  全国を衆院選比例代表に倣って11ブロックに分けて、今年5月以降の選挙で維新が擁立した候補の勝敗をまとめてみました。 もし宜しければご覧ください。

 ただし、大阪府に関しては現状維新独占状態で他県と状況が違いすぎるため、除外しています。 近畿ブロックは大阪府を除く府県でチェックしていますので御了承下さい。
 また、もし漏れが御座いましたらコメントやtwitter-Xなどで教えていただけると幸いです。


◎北海道ブロック

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 候補者は、ゼロ。 北海道には維新の風は吹いていないようです。

 そもそも最近まで新党大地鈴木宗男参院議員が維新で「国会議員団副団長」を務めており、宗男氏が離党してこれから立て直さなきゃならないという状況なのでしょう。


◎四国ブロック(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)

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 四国では今週末に行われる徳島県の上勝町議選が(5月以降では)初の公認候補のようです。 御年80歳の新人候補が党公認を得て当選出来るのか、気になります。


◎九州ブロック(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県)

 九州沖縄では福岡県広川町議選で無投票当選したのが唯一の候補。
 全ブロックを見ていただければ分かるかと存じますが無投票当選となった選挙はごく僅かです。 維新にとっては選挙戦となって、マイクでビラでポスターで「維新」の名をアピールするコトが最重要で、ただ候補を増やすコトはあまり意味が無いのでしょう。


◎中国ブロック(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)

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 中国地方では島根県益田市議選に候補を立てたのみ。 しかも落選しています。
 このエリアは保守地盤が強い地域なので、さもありなんでしょうが、こうやって見ると大阪を中心に近畿エリアでは幅を利かせている維新も、そこから西ではサッパリなのが分かります。
 コレもまとめてみて気づいたコト。 頑張った甲斐が有るってもんです(自画自賛)。


◎北陸信越ブロック(新潟県・富山県・石川県・福井県・長野県)

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 このブロックで候補を出した選挙は2つだけ。 戦績は2勝1敗です。

 取材した長野市議選で維新は2人擁立し、元アナウンサーの候補は知名度を生かしトップ当選しましたが、ピザ屋の候補は落選。 少しでも票割りをすれば2人当選出来たのですが、公明党や共産党のように支持者を明確に囲い込まず、且つ、良く言えば候補者の方針を尊重、悪く言えば候補も「新自由主義」の党是よろしくほったらかすのが維新の選挙スタイル。 他地域他県の議員をスタッフとして動員する部分は手厚い一方、それ以外には冷淡だというのが維新であるというコトが、この選挙結果に表れています。


◎東海ブロック(岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)

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 東の伊豆半島と西の紀伊半島(の一部)が同じ括りだという違和感が未だに消えない東海ブロック。 愛知と静岡に擁立し4戦全勝です。

 取材した小牧市議選では1人擁立し2位当選を果たしました。 コレが冒頭に書いた「複数擁立し下位当選するなら1人に絞って上位当選する方を選ぶ」という例になります。
 一方、7月に行われた同県の刈谷市議選では下位当選になっていますが、コレは単純に候補者(及びスタッフ)の運動量の差だと思われます。


◎東北ブロック(青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)

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 コチラは候補者が多く出ていますが宮城県議選と仙台市議選に複数の候補を擁立したコトが要因で、戦績は10勝5敗です。

 7月の仙台市議選で5戦全勝を果たしたコトが大きなインパクトを与えましたが、10月の宮城県議選では2勝2敗。 定数が少ないコトや他候補が盤石なコトなどで不利な部分は有りましたが、落選候補はともに次点。 その壁を突き抜けられなかったのを見ると仙台市議選から4か月経った維新の「現在地」だと言えるかと。


◎南関東ブロック(千葉県・神奈川県・山梨県)

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 山梨を南関東で括るのはどうかと思いつつ、こちらの戦績は8勝1敗で、負けた選挙は公認ではなく、推薦候補です。

 11月の我孫子市議選で現職の2人を擁立しましたが中位から下位に甘んじ、得票数もさほど伸びていません。 現職の盤石さと維新の勢いが合わされば倍増も夢ではないハズが、この有様。 大阪万博をめぐるズンドコぶりが露わになって以降の選挙では、このように票が伸び悩む傾向が多く見られます。


◎近畿ブロック(滋賀県・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県)※大阪府を除く

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 大阪を除いても最多の候補者を擁立している近畿ブロック。 戦績は15勝2敗です。

 負けの2つも、元職を公認するという維新らしからぬムーブを見せた橿原市長選と自民系候補に対して勝ち目が無かった八幡市長選なので、やはり近畿エリアにおける維新の強さは際立っており、ブロック内の各府県で議員を誕生させている維新の “浸食” は結構、進んでいます。


◎東京エリア

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 かつて吉本興業が漫才ブームを機に東京へ進出したように、維新にとって東京で勢力を拡大させるコトは大きな野望でしょうが、現在は3勝2敗となっています。

 足立区議選で3候補当選させたものの、“キャラ被り” している都民ファーストの会が幅を利かせている現状ではなかなか候補を立てられず、更に6月の都議補選では2位の自民候補に結構な差をつけられて次点。 そしてこの前の江東区長選では候補者自身の質の悪さも合わさり、完全無所属の候補より票が獲れず最下位という醜態を晒してしまいました。 やはり東京は都民ファーストの会、というか、小池百合子氏がいる限り、進出は難しそうです。


◎北関東ブロック(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県)

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 さて、最後は、この記事を書くキッカケとなった下妻市議選を含む、北関東ブロック。
 テレビ番組で出演者が埼玉県のコトを「北関東」と言ったら視聴者から「埼玉県は北関東ではありません!」とクレームが来たという話を聞いたコトが有りますが選挙の世界で言えば埼玉は、北関東なんですよね。 戦績は4勝4敗となっています。

 維新がズンドコしてきて以降の選挙で埼玉県では上位当選させているのに対し、栃木茨城では1人擁立の候補が落選してしまっています。 テレビのクレーマーが言うように、埼玉を北関東に括るのは無理が有るようですね。


 以上、維新の地方選挙をブロック別に分けて並べてみました。 コレを見て気づくのは、

①“維新の風” は、近畿より西と北海道では吹いていない
②近畿エリアは確実に大阪から周辺県への浸食が始まっている
③東京進出は、百合子がいる限り厳しそう
④北関東エリアの弱さは、他に比べて際立っている
⑤大阪万博をめぐって露わになった維新のズンドコっぷりは、地方選において確実に影響が出ている

 というコトだと分かります。
 何となく気づいていましたし、皆様は既に承知のコトだとは思いますが、こうやってまとめると傾向とポイントが整理出来ました。 今後もこの表に書き足していって、その時その時の “維新の風” を測定していく所存です。



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