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働けなくなったときどうする?Part② 〜障害年金を知ろう〜

昨日は働けなくなった時に考えるにあたって
知っておきたい「傷病手当金」について
お伝えしました。

では、本日はさらに「障害年金」についても
考えていきます。

傷病手当金以外にも、働けなくなった場合に
支えとなる年金です。

『障害年金』


過去記事で日本の年金制度をお伝えしましたが、
皆さんが納めている国民年金や厚生年金保険料
によって、老後の「老齢年金」だけではなく、
障害時に受け取れる「障害年金」という年金も
存在します。


障害年金とは病気やケガにより、生活や仕事が
今まで通りできなくなった場合に受け取れる
年金のことです。


この障害年金には、障害基礎年金と障害厚生
年金2つの種類があります。
※ややこしい部分も多いのでざっくりと

受け取れる条件と支給条件は下記のとおり。

①障害基礎年金

これは国民年金および厚生年金に加入されて
いる方が対象となる基礎部分です。


【受け取れる条件】

・国民年金に加入中
・20歳前もしくは60歳以上65歳未満
 (年金制度に加入していない期間で日本在住)
・保険料納付要件を満たすこと

【支給条件】

上記期間に対して、

初診日(障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やけがで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。
引用:日本年金機構 障害年金

②障害厚生年金

これは厚生年金に加入している方が基礎年金に
上乗せで支給される年金です。
そのため、国民年金のみの加入者にはない二階
立て部分です。

さらに、障害厚生年金が支払われない場合でも、
障害手当金が支払いになることもあります。

【受け取れる条件】

・厚生年金に加入中
・保険料納付要件を満たすこと

【支給条件】

厚生年金に加入している間に初診日のある病気やけがで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
また、障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。
なお、初診日から5年以内に病気やけがが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。
引用:日本年金機構 障害年金

このように、年金の加入中に一定の条件に該当
した場合に支給となります。

この場合の一定の条件として挙げられているのが
「障害等級」といわれるものです。

国民年金法で定められている障害認定基準は
下記日本年金機構HP掲載のとおり。

一定の条件に該当する、

・目が見えなくなった
・耳が聞こえなくなった
・手足が動かなくなった
・そしゃく機能がなくなった
・精神状態など

こういった状態に区分されているそれぞれの
「障害等級」に該当した場合に支給されます。

例えば、主な病気でいうとこのような場合です。

出典:政府広報オンライン 障害年金の制度をご存じですか?
がんや糖尿病など内部疾患の方も対象です




では、いくらこの年金が支給されるのかです。

令和3年4月分からの金額は以下の通り。


①障害基礎年金

1級:976,125円+子の加算額
2級:780,900円+子の加算額

子の加算額は、
2人まで:1人につき224,700円
3人目以降:1人につき74,900円



②障害厚生年金

1級:(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕
2級:(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕
3級:(報酬比例の年金額) 最低保障額 585,700円


報酬比例部分は非常に計算が複雑な部分です。
今回は説明を省略しますが、簡単に言うと、
これまで年金制度に加入した期間や過去の報酬
などに応じて決まる基礎部分
です。

お時間ある方は年金機構の解説を読んでみて
ください。


また、加給年金額については、その方に生計を
維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に
加算される上乗せ部分です。

子の加算額についても、その方に生計を維持
されている子がいるときに加算される上乗せ部分
です。

子については、18歳になった後の最初の3月31日
までの子であるか、もしくは20歳未満で障害等級
1級または2級の状態にある子を指します。



いずれにしても金額はケースバイケースで変動
します。
障害厚生年金の部分は計算に苦慮するかと思い
ますので、ご自身の万が一の障害年金額を知り
たい場合はご相談ください。

また、過去記事で紹介した「ねんきん定期便」
を活用して、将来の年金額をシミュレーション
するツールなども保険会社から公開されて
います。


例えば、SOMPOひまわり生命からのツールで
このようなものがあります。
ぜひ活用してみてください。


では、最後にこの障害年金がいつからいつまで
支給されるのかについてです。

まず、支給開始についてです。

これは、以下の2つのいずれかです。

・障害の原因となった病気やけがについて、
 初診日から1年6ヶ月を経過した日

・初診日から1年6ヶ月経過せずとも、症状が固定
 して回復見込みがない状態となった日


何かお気づきになることはありますか?

1年6ヶ月というのは「傷病手当金」の支給限度
でありました。
そのため、傷病手当金支給が限度を迎えたあと、
障害年金の支給が始まるイメージです。

続いて、いつまで支給されるかについてです。

これはシンプルです。

障害年金はお受け取りになるご本人がお亡くなり
になる月まで支給されます。

そのため、傷病手当金の1年6ヶ月が限度という
スポットの保障ではなく、ご存命の限り永続的
に受け取れるものです。


しかし、上記の障害等級に変動が生じた場合、
例えば、1級から3級になった場合や、
そもそも障害状態に該当しなくなった場合、
このような場合は金額が減ったり、支給停止
となることがあります。

さらには、現況届といわれる現在の障害状態
などを報告する書類の提出をしなかった場合、

老齢年金や遺族年金などのその他の年金を
受け取る選択をした場合など、

永続的に受け取れる障害年金ではありますが、
支給されなくなる場合もあるので注意して
ください。


以上が「働けなくなったとき」に知っておきたい
障害年金についてです。

障害年金は遡及して受け取れるのは5年分まで
が限度です。
そのため、障害状態となった場合はすみやかに
手続きを進めましょう。

その場合は、日本年金機構の「ねんきんダイヤル」(ナビダイヤル0570-05-1165)に問い合わせを
するか、お近くの年金事務所などにお申し出を
してみてください。

では、明日は1回目と2回目でお伝えした
「傷病手当金」と「障害年金」を踏まえて、
どのように「保障」を考えるべきかについて
お伝えします。

それでは。

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