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【本を薦める記事】東雅夫編『文豪怪談傑作選 芥川龍之介集』
アンソロジスト・東雅夫が、明治~大正時代の文豪の作品の中から、怪談話や不思議な話をチョイスした『文豪怪談傑作選』の一つ。
芥川龍之介と言えば、「羅生門」や「鼻」、「杜子春」なんかが有名どころですが、本書を読めば「こんなにアヤシイ話も書いていたなんて!」と新鮮な発見があること請け合い。
怪談アンソロジーの名手によって編まれた、数々の『アヤシイ話』が楽しめる一冊です。以下、収録作品の中から、個人的に面
【読書メモ】安達裕哉『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか』
タイトルのとおり、
仕事で必要なコミュニケーション能力を会得する方法(考え方、姿勢など)を解説した本。
非常に分かりやすく具体的だったが、読めば読むほど「コミュニケーションって大変なんだなあ」と改めて感じてしまった。
本書でかなり詳しくポイントを説明してくれているが、最終的に実践するのは読者自身。読んだだけでできるようになることは決してない。
以下、自分的にポイントと感じたところをメモ。
仕事で
【本を薦める記事】夏目漱石『漱石人生論集』
本書は題名のとおり、夏目漱石が人生や人間というものについて書いた文章を集めているものだ。
編者の出久根達郎が言うように「漱石の作品のすべてが人生を論じている」が、本書では小説以外の文章、具体的には雑誌や新聞への寄稿文、講演や談話の記録、手紙やメモなどを対象にしている。
その中から個人的に「良いな」と思った部分について見ていきたい。
漱石は日本を代表する文豪だけれど、大学卒業後は学校の英語教師な
なぜ妖怪は”おらぶ”のか
日本昔ばなしの「おらびぐら」前回まで、和歌山に伝わる“ヤマオジ”という妖怪を取り上げ、高知の妖怪と比較しながらその特徴やルーツを整理してきた。
ヤマオジと高知のヤマジイという妖怪の特徴として、
「大声で吠える」「人間に吠え比べをしかけてくる」というものがある。
吠え比べとは大声の比べ合いで、ヤマオジにもヤマジイにも、「吠え比べを挑まれた猟師が鉄砲を使って撃退させる」話が伝わっている。
この「吠え
紀ノ国妖怪考“ヤマオジ”①和歌山の山間部に伝わる怪異譚
小さい頃から祖母と暮らしていたためか、地元のお年寄り達に色々な昔話を聞かせてもらって育った。
そのせいかどうか、長じてから地元和歌山の民間伝承に興味を持つようになり、文献を調べたり古老に聞いたりして、色々な話を集めるのが趣味になっている。
民間伝承について調べていくと、妖怪話の豊富さに驚かされる。しかもそういった話は、一昔前の人々には身近なものであったようで、八十代くらいの人達に話を聞くと、狸が人