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メンタルヘルス

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#起業

言葉の贈り物

言葉の贈り物

 夫が退職して、もうすぐ一年になる。服用していたメンタルの薬は徐々に減って、今は朝食後に半錠だけ。もはや飲んでも飲まなくても良くない?くらいのレベルになっている。

 夫の気分の波も安定し、半年前に始めた週2日のアルバイトにも機嫌よく通っている。一時期、低下していた夫の能力も回復し、今は頼もしいばかりだ。

 来春からは厚労省が新設する仕事にも挑戦しようと思っている、と今朝、夫から聞かされた。夫に

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過去の棚卸し

過去の棚卸し

 夫が学術大会で遠方に出かけている。一日目を終えて、二日目の朝。何となく話したいなと思って、電話をかけてみた。コロナ禍で長らく会えていなかった人との再会、昨年末に仕事を辞めて状況が大きく変わったこと、これから始めようとしている仕事…そんなよもやま話がたくさんあっただろう。

 電話に出た夫の声は、私の想像に反してトーンが暗めだった。最初は語ろうとしなかったが、話を聞いていくと、どうやら気分がブルー

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休息完了宣言

休息完了宣言

「俺、じゅうぶん休んだと思う」

 夫がそんなことを言い出した。仕事のストレスで不安定になってメンタルクリニックの通院や休職をしたのが一年くらい前。一度、職場復帰したものの年末に退職した夫の、事実上の“休息完了宣言”だ。

 8月に入ってから、夫の動きが変わってきたのは感じていた。

 自ら自宅の一室を事務所にリメイクするために粗大ごみを整理したり、商工会議所のセミナーに申し込んだり…という動きを

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早朝覚醒と生活スタイル

早朝覚醒と生活スタイル

 夫の早朝覚醒が再燃している。一時期は深く、長く眠れるようになって、薬も減らして喜んでいたので、再びやってきた早朝覚醒に多少なりともショックを受けているようだ。

 早朝覚醒といっても、10時過ぎには薬で眠っているし、朝4時ごろ起きたとしても、6時間程度は寝ているわけだから「そんなに気にしなくてもいいのでは?」という言葉が出かかって止まる。

 何にせよ、本人が気になるものを「気にしなくていい」と

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未来の自分に向けた紙ひこうき

未来の自分に向けた紙ひこうき

 ビジネスプランを煎じ詰めて考えていく時にふと思う。

 私、なんでこのビジネスをやりたいと思ったんだろう?

 きっとビジネスを始めた後にも、繰り返し湧いてくるだろうこの疑問の答えをここに記しておきたい。

 私がいま考えているビジネスのアイデアの源は“夫”だ。夫が精神的にしんどくなって休職して、私より先に退職をして暗いトンネルにいた時、私は夫を何とか元気づけたいと思っていた。もちろん、元気づけ

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過去への執着をシュレッダーする

過去への執着をシュレッダーする

 事務所スペースを確保するために大掃除をしている。うちは毎年、5月の連休は大掃除をすると決めている。どこに出かけても人が大勢いるし、いつもより出費がかさむし、エネルギーもお金も消耗するだけだ。
 その点、掃除は良い。年末の大掃除は寒くて、窓を開け放つのが嫌になるけど、5月ならさわやかで身体も動きやすい。

 今年は仕事をしていないので連休も何もないんだけど、いつもと同じように大掃除をして過ごしてい

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遅まきの青春がもたらすもの

遅まきの青春がもたらすもの

 仕事を辞めることを決めて、美容師さんに報告した時、「これまで出来なかった髪色にチャレンジしたいんですよね」と言うと「いいですね!それ」と即、賛同してもらえた。

 これまでは医療職だったので、髪色の縛りがあった。美容師さんには自分の職業を明らかにしていなかったので、これまでは「今度はもう少し明るい髪色にしませんか」と提案されても「う~ん。職場の決まりがあるので」と色のトーンを下げてもらっていた。

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