琴松蘭児

やせいのえんげきじん。ひょっこり船主催者。 俳優にして演出家。 きれいなものとおいしい…

琴松蘭児

やせいのえんげきじん。ひょっこり船主催者。 俳優にして演出家。 きれいなものとおいしいものLove。新しい世界を見るための色眼鏡を! "vous êtes beau!"あなたは何と美しい!詩的レアリスムの映画、アール・デコと手塚マンガを愛してやまない平成ヒトケタ世代。

記事一覧

温泉と虹の架け橋 

サウナと温泉にハマっている。昨日は日本三大薬湯と言われている松之山温泉に足を伸ばした。雪が降っており車で行く際一度山道で滑って少し怖かったが、道が空いていたため…

琴松蘭児
7か月前
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二重の芸術・演劇

座・高円寺の劇場創造アカデミーの公開講座、舞台芸術の映像配信ワークショップに参加しています。1人1ページwebページをもらってそこに文章、画像を付し配信の場所をつく…

琴松蘭児
2年前
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俳優とキャラクターについて

2021 年12月3日 今回は俳優とキャラクター(登場人物)についてお話ししたいとおもいます。 今年度は非リアリズムの演技について議論してきて自分の中で考えたことをまと…

琴松蘭児
2年前
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スズキトレーニングメソッド体験記

2021 年 6 月 18 日演技論のゼミにて発表 2021 年 3 月 15 日から 2 週間ほど富山県利賀村にてスズキトレーニングメソッドを体験してきたので今日はそのことについて発表…

琴松蘭児
2年前
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演技論ゼミの発表 唐十郎の特権的肉体と肉体について

令和3年6月25日(金) 『特権的肉体論』を久しぶりに読んでの感想 何年ぶりに読んだだろうという感じです。初めて読んだのが中学生のときなので、その時はまだ色々知らなか…

琴松蘭児
2年前
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演技論ゼミの発表原稿 宝塚歌劇の演技について

さて日本の非リアリズムな演技について色々読んできたこのゼミで今回から宝塚の演技についてみていくわけですが。何から書いたらいいだろう。単なる一ファンにしか過ぎない…

琴松蘭児
2年前
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『五月雨(さみだれ)』 〜芥川龍之介『春の夜』より〜

2010年に作った自主映画です。約9分です。

琴松蘭児
3年前
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ほろにが

2007年に作った短編自主映画です。 10分

琴松蘭児
3年前

『◯◯のアポロ、』(原作ジャン・ジロドゥ『ベルラックのアポロ』)

登場人物 ​照 ​和子 ​チビ ​龍子 ※Tはテキストの投影を表す。 《一幕》 入り口に”大小発明家協会”と、でかでかと掲げれている家に入ると和室に通される。お茶…

琴松蘭児
3年前
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『あるひとごろしのあさ〜川端康成「散りぬるを」より〜』

某アカデミーで受講した映像を使った作品の上演用の上演台本です。 川端康成『散りぬるを』なので著作権的にヤバかったら消します。 ・《》内はスクリーンに投影する。 …

琴松蘭児
3年前
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貧しき若者の独白(毒吐く)ノーカット版

この前に載せたものは発表のために短くしたバージョンだったのでノーカットのも載せます。 劇作家女子会フィールドワーク部 (モノローグ)琴松蘭児 まあ、俺俺詐欺をや…

琴松蘭児
3年前
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貧しき若者の独白(毒吐く)

2017年に劇作家女子会『人間の条件』公演の中のフィールドワーク部という活動で作り。幕間に発表したものです。 客席には良き市民的な年配方も多かったので、なかなかに変…

琴松蘭児
3年前
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映像における演技について

昨年2020年に演技論のゼミでの発表のために書いたテキストです。多少間違いもあるかもしれませんが体験から感じていること、考えたことを書いております。   今日は映像…

琴松蘭児
3年前
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自画像2020

 穂の国PLATの戯曲創作講座2020に参加して書いたものです。全然戯曲の形式ではないですがちょっと、というかかなり苦しかったのですが書かなくては前に進めないような気が…

琴松蘭児
3年前
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『クレオパトラの最後』

ひょっこりストリームという企画をやった際に書いたものです。世界三大美女の話を繋いで世界を旅するラジオ番組を進行するという設定のショーでした。そのなかのクレオパト…

琴松蘭児
5年前
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私のアポロン

戯曲のセリフに使おうと思ったけど使わなかったものです。 あなたのもとへ走ったなら、私は私が私のものになるんじゃないかとおもっていた。 だけど、どうやらそれもちが…

琴松蘭児
5年前
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温泉と虹の架け橋 

温泉と虹の架け橋 

サウナと温泉にハマっている。昨日は日本三大薬湯と言われている松之山温泉に足を伸ばした。雪が降っており車で行く際一度山道で滑って少し怖かったが、道が空いていたためことなきを得た。温泉は少し濁ったしょっぱいお湯だった。露天から山の景色と月がよく見えて雪の降るなかお湯から立ち昇る湯気にけぶる山の自然はとても素晴らしかった。

ドイツのサウナは混浴で男女問わず全裸で楽しむらしい。どんなものなのかマンガで少

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二重の芸術・演劇

二重の芸術・演劇

座・高円寺の劇場創造アカデミーの公開講座、舞台芸術の映像配信ワークショップに参加しています。1人1ページwebページをもらってそこに文章、画像を付し配信の場所をつくりそこでメインの映像を配信するということをする。舞台芸術の映像といっても舞台の記録映像ではなくそれ自体が舞台芸術かつ映像作品でもあるものを目指してつくるべしという課題。昨日の授業ではダニエル・シュミットのKAZUO OHONOの映像を例

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俳優とキャラクターについて

俳優とキャラクターについて

2021 年12月3日

今回は俳優とキャラクター(登場人物)についてお話ししたいとおもいます。
今年度は非リアリズムの演技について議論してきて自分の中で考えたことをまとめられたらいいなとおもっています。

なぜ「俳優とキャラクター」というテーマでの発表にしようかと思ったかというと非リアリズムの演技について考えているときに、その演技をしている際に俳優が演じているものが主にキャラクターであり何らかの

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スズキトレーニングメソッド体験記

スズキトレーニングメソッド体験記

2021 年 6 月 18 日演技論のゼミにて発表

2021 年 3 月 15 日から 2 週間ほど富山県利賀村にてスズキトレーニングメソッドを体験してきたので今日はそのことについて発表します。

場所は創造交流館という場所でもともと合宿用の施設で宿泊でき食堂とお風呂もあって公演もできる稽古場があるという場所。
普段であれば男女別で男部屋女部屋みたいな感じの相部屋になるところコロナ対策でひとり一

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演技論ゼミの発表 唐十郎の特権的肉体と肉体について

演技論ゼミの発表 唐十郎の特権的肉体と肉体について

令和3年6月25日(金)

『特権的肉体論』を久しぶりに読んでの感想

何年ぶりに読んだだろうという感じです。初めて読んだのが中学生のときなので、その時はまだ色々知らなかったので私はこれを読んでここに出てくる詩人や演劇人、文学者の名前やエピソードを知ったのでした。
今回読んでいて作品と人生のせめぎ合いについて書かれているような箇所が気になりました。中原中也が実生活と作品を同じにしようと律儀に振る

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演技論ゼミの発表原稿 宝塚歌劇の演技について

演技論ゼミの発表原稿 宝塚歌劇の演技について

さて日本の非リアリズムな演技について色々読んできたこのゼミで今回から宝塚の演技についてみていくわけですが。何から書いたらいいだろう。単なる一ファンにしか過ぎない、しかも生の観劇はたった 3 回でしかない私に一体なにが書けるというのだろうか。 また前回、前々回の歌舞伎やお能に比べて調べれば調べるほど、演技についての部分は 他の現代演劇との差が分からなくなってきてしまい。なんじゃらモンジャラ考えたので

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ほろにが

2007年に作った短編自主映画です。
10分

『◯◯のアポロ、』(原作ジャン・ジロドゥ『ベルラックのアポロ』)

『◯◯のアポロ、』(原作ジャン・ジロドゥ『ベルラックのアポロ』)

登場人物

​照
​和子
​チビ
​龍子

※Tはテキストの投影を表す。

《一幕》

入り口に”大小発明家協会”と、でかでかと掲げれている家に入ると和室に通される。お茶を出されしばし待っていると、
一人の男が出てきてしゃべり出す。

照​ さて、お集まりのみなさん。こんにちは。今日はこの新発明の発表の場にお集まりくださり。誠にありがとうございます。本日私がご紹介いたしますのは。
夢のお話で

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『あるひとごろしのあさ〜川端康成「散りぬるを」より〜』

『あるひとごろしのあさ〜川端康成「散りぬるを」より〜』

某アカデミーで受講した映像を使った作品の上演用の上演台本です。
川端康成『散りぬるを』なので著作権的にヤバかったら消します。

・《》内はスクリーンに投影する。

○プロローグ
事件から五年後の作家

《滝子と蔦子が蚊帳一つのなかに寝床を並べながら、
二人とも、自分たちの殺されるのも知らずに眠っていた。》

《少なくともはっきりとは目を覚まさなんだ。》

《よく眠っていたものだな、》

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貧しき若者の独白(毒吐く)ノーカット版

この前に載せたものは発表のために短くしたバージョンだったのでノーカットのも載せます。
劇作家女子会フィールドワーク部
(モノローグ)琴松蘭児

まあ、俺俺詐欺をやる気持ちは、わたしにはわかりますよ。そりゃあ、詐欺はもちろん、いいことではないかもしれないけれど、気持ちはわかります。
 例えばなにかしたい。何かもっと勉強や、もっと人生を豊かにしたいと思うじゃないですか。でもそれをするにはお金がかかる

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貧しき若者の独白(毒吐く)

貧しき若者の独白(毒吐く)

2017年に劇作家女子会『人間の条件』公演の中のフィールドワーク部という活動で作り。幕間に発表したものです。
客席には良き市民的な年配方も多かったので、なかなかに変な空気になったのも、まぁ良き思い出です。

(モノローグ)

いや、だけども、それは私はやってもしかたないんじゃないかと思います。それはだって一方には何も、もう一生困らないで生きていける余分のお金を持っている人がいる。
その一方で明

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映像における演技について

映像における演技について

昨年2020年に演技論のゼミでの発表のために書いたテキストです。多少間違いもあるかもしれませんが体験から感じていること、考えたことを書いております。

  今日は映像、主に劇映画における演技について、私が考えていることについてお話したいと思います。私はまず俳優をやっていて、さらに短編映画の監督をしたことがあり、演出もやったことがあるという視点でお話しをします。

【俳優としての映像の中での演技の

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自画像2020

自画像2020

 穂の国PLATの戯曲創作講座2020に参加して書いたものです。全然戯曲の形式ではないですがちょっと、というかかなり苦しかったのですが書かなくては前に進めないような気がして書いたものです。

 雪国の温泉街の駅、観光地ではあるが今は夏の終わりなのでたいして人出はない。駅前の喫茶店。

秋は鼻がむずむずするし目もしょぼついてキツイ。
私は年中花粉症なのだ。しかし秋は特に辛い。
内科で検査したらいろ

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『クレオパトラの最後』

『クレオパトラの最後』

ひょっこりストリームという企画をやった際に書いたものです。世界三大美女の話を繋いで世界を旅するラジオ番組を進行するという設定のショーでした。そのなかのクレオパトラ編です。

登場人物

語り
プロキュレーアス
クレオパトラ
シャーミアン

①語り
さあ、みなさまもごぞんじのクレオパトラのお話です。クレオパトラ。知ってますか?知ってる。でも、どんな風に死んだか知っていますか?

ソロ

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私のアポロン

私のアポロン

戯曲のセリフに使おうと思ったけど使わなかったものです。

あなたのもとへ走ったなら、私は私が私のものになるんじゃないかとおもっていた。
だけど、どうやらそれもちがったみたい。
今となっては、情熱は描かれた花。もうにおいを持たない、形しかない、形さえもない。
けれど私、本当は形もハッキリしないイメージから出発したんじゃなかったかしら。
そう、子供の頃見ていた世界はそのままの世界でなんかなかった。わた

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