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貧しき若者の独白(毒吐く)

2017年に劇作家女子会『人間の条件』公演の中のフィールドワーク部という活動で作り。幕間に発表したものです。
客席には良き市民的な年配方も多かったので、なかなかに変な空気になったのも、まぁ良き思い出です。

(モノローグ)

いや、だけども、それは私はやってもしかたないんじゃないかと思います。それはだって一方には何も、もう一生困らないで生きていける余分のお金を持っている人がいる。
その一方で明日のご飯にも困る人がいる。
それは、いいことではないかもしれないけれど、本当に食べられなくなったり、健康を損なって死ぬくらいなら、余裕のある人から、いただく、というのは許されるのじゃないかとおもいますよ。私だったら死ぬくらいなら、多少減ってもとくに困らないような人からいただく、ということはしてもいいと思う。うん、その立場になったなら。そうするかもしれない。
まあ、俺俺詐欺をやるきもちは、わたしにはわかりますよ。だって、電話一本でですよ、ポンとうん十万うん百万も出せるんですよそのお年寄りは、私にはそんな金額とても捻出できないじゃないですか。たとえば週5でバイトをフルタイムで入るじゃないですか。それで一年働いたって、そのポンとだせる金額しか稼げない、それで生きているのにお金がかかるんだから、一年貯めたとしても十数万ですよ、これじゃあやっぱり夢を抱いたときに行動ができませんよ。なにかしたい何かもっと勉強やもっと人生を豊かにしたいと思うじゃないですか。でもギリギリでがんばって生きて行かなくちゃならない。
それは、だって遊んでいるそのお金、私にくれたっていいじゃないか、とおもいますますよ。
でも、親族でもない人がくれるわけもないですからね。だから、わからないように、こっそりと、、、。
いや、こんなこと言っているからって本当にはなかなか出来ないんですけどね。やれるようだったらこんなふうにくすぶっていないですよ。もしくはなにかそそっかしいミスしてお縄になっているかもしれないですけど、、、。

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