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スズキトレーニングメソッド体験記

2021 年 6 月 18 日演技論のゼミにて発表


2021 年 3 月 15 日から 2 週間ほど富山県利賀村にてスズキトレーニングメソッドを体験してきたので今日はそのことについて発表します。

場所は創造交流館という場所でもともと合宿用の施設で宿泊でき食堂とお風呂もあって公演もできる稽古場があるという場所。
普段であれば男女別で男部屋女部屋みたいな感じの相部屋になるところコロナ対策でひとり一部屋使わせてもらえるという贅沢使用でした。

参加者は 18 名東京、富山、福岡、兵庫、高知など各地から集まった 35 歳以下のメンバー。

講師は SCOT の佐藤ジョンソンあきさん。
ときどき鈴木氏が現れるのですが鈴木氏が来ると緊張感がすごかったです。

14 日(日)に到着し 15 日(月)から訓練開始。スケジュール的には毎朝 8 時半から食堂で朝食。9 時半から稽古場が開くので 30 分ほど各自でストレッチなどして 10 時から訓練開始 1時間半から 2 時間訓練。13 時から昼食。14 時半からまたストレッチ 15 時から訓練開始。

訓練は 1 時間半から 2 時間といった感じ。その後 17 時半から 18 時半のあいだに夕食。夕食後は食堂横の部屋で 21 時まで自主稽古が可能となっておりそこで各自稽古をしたり、ちょっと話したり。土曜日に休み(休みの日の昼食は SCOT の方々がバイキングですごく豪勢な歓迎をしてくれました)。また日曜日から金曜まで毎日訓練というスケジュールでした。なかなかみっちり。夕方映像を見る会がしばしば開かれ、SCOT の映像や鈴木氏一押しの映画(『天井桟敷の人々』と『総長賭博』)を観たりしました。

習った訓練をまとめると


足踏み

スロテン(スローテンテケテン)

プレスリー

ベーシック1、2、3

スタチュー

シッティングスタチュー

勧進帳

尺八

ウォーキング

といったラインナップ。

そしてこれらの成果を最終日には鈴木忠志氏や SCOT の方々の前で発表。

体験した感想としては、まず最初は足踏みだけでも結構きつく、プレスリーは息切れしてしまうし、シッティングスタチューでマクベスのセリフを姿勢を保ちながら言えなかったのですが最後のころにはできるようになっていて自分の能力にまだ伸びしろがあることに感動しました。あと足の重心の置き所だったりのくせがあぶりだされてきて、変なくせがあると上手く動けないのでどうにかやろうと頑張っていたら姿勢や重心のくせが一気に矯正されました。3 か月ぐらいたつのでもとに戻ってきてしまっていてもったいない感じがします。

先週の(spacの)奥野さんの話を伺っていても感じたのですが各人のギリギリ限界ぐらいのことを求められる訓練です。体験した感じではそのギリギリのさじ加減が絶妙であるように感じました。やっていて自分は今日こそ倒れてしまうんじゃないかと心配になりながらも最終日まで倒れることもなく体調不良もなく(もちろん筋肉痛はありますが)発表までやりきることができたのは講師の佐藤さんのさじ加減のよさもあったのではないかとおもいます。

訓練をしていて演技をする体の状態としては確実に感度のいい整った状態になっていたように感じます。空いている時間に zoom での戯曲の本読み会に参加したのですが自分でやっていて息の使い方や反応の機敏さが明らかに良くなっていたように感じました。あとふとした時の反応が機敏になるのでそれで遊べた。なのでスズキメソッドが鈴木演劇以外の演劇の役に立つのかという問に関しては私は役に立つと感じました。

形自体でなく相手に向かう意識(スズキトレーニングメソッドの訓練は基本対峙している相手に向かっている意識)でやるということや観客側にみせる意識を忘れないことが重要で、体を鍛えることだけではなくみせるための訓練だとのべられていたことも印象にのこりました。

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