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雑記

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#感想

ドラえもんの誕生日!

ドラえもんの誕生日!

ちょうど今、ドラえもんを観ていた。9月3日がドラえもんの誕生日ということで、今日は通常の17:00〜の放送に加えて、19:00〜のスペシャル放送がある。

そしてなんと、17:00〜の方は2006年公開の名作『のび太の恐竜2006』のリメイク版。僅か30分にも満たないほど圧縮されているが言うことなし。

改めてこの作品に触れてみて魅力的だなと思ったのが、のび太がドラえもんの力を借りることなく、自力

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本当にいいものに触れるとき

昨日はジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』を鑑賞。遠い昔に観た経験はあるが、幸いにもほとんど内容は忘れていた。

僕はいつも映画を観るとき、あるいは観終えた後に軽く感想や気づきを書き留めておくのだが、この作品はそういう気が一切起きなかった。

作品が作品として独立していて、鑑賞者が踏み入る隙がないというか、とにかく何かを語ることが強く憚られた。そのため、エンドロール後もずっと沈黙してしまっ

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『オペラ座の怪人』感想

『オペラ座の怪人』感想

昨日は劇団四季の『オペラ座の怪人』を鑑賞。原作を読んだ上で観たので、小説と劇の違いやそれぞれの良さに気づくことができた。例えば、小説は緻密な描写で主人公の感情を表現したり、不可解な事態のカラクリの詳細を明かしたりするが、一方で劇はバレエや歌、演出に主眼を置く。特に、オペラ座の不気味さの描写は圧倒的に小説に軍配が上がる。そんなの当たり前と言われればそれまでなんだけども、その歴然たる差を改めて認識させ

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8/4 コンサート感想

8/4 コンサート感想

昨日は京都市交響楽団のコンサートへ。
マエストロは広上淳一さん。音楽を純粋無垢に楽しんでぴょんぴょん跳ねたり、腕を自由に遊ばせたり、楽員に語りかけるように指揮する様子を間近で見て、新たな音楽の楽しみ方が分かったような気がする。

自分が主体的に音楽に関わり、楽しむ。もうこれに尽きる。音楽をただ聴くだけではなく、自分が指揮する勢いで音楽を奏でてみる。すると音楽は応えてくれる。そう確信した。

何はと

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モーツァルト『ジュピター』、ヤバい

仕事終わりに目を閉じて、40分ほどモーツァルトの交響曲41番を聴いた。久々に聴いたんだけど、これはヤバい。いや、ヤバい。やっぱり、ヤバい。特に第4楽章。

有名な逸話だが、このヤバさについて作曲家のリヒャルト・シュトラウスはこんなことを言っている。

私が聴いた音楽の中で最も偉大なものである。終曲のフーガを聞いたとき、私は天国にいるかの思いがした。

第4楽章はひたすら「ド〜レ〜ファ〜ミ」で畳みか

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映画『パラサイト』と愛

昨日、映画『パラサイト』を観ていて「愛こそ格差や差別を乗り越える手段である」ということを直感した。

この物語は超大雑把に言うと、貧乏家族4人が貧民とバレないように4人家族の富豪の召使いとなることに成功するというお話。

貧乏家族は絶えず身元がバレないように振る舞うため、ストーリーは絶えず緊張感を帯びている。そしてついに、富豪家族4人のうち3人は徐々に彼らから漂う貧乏人独特の臭いを感知してしまう。

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シェイクスピア朗読劇『冬物語』の感想

シェイクスピア朗読劇『冬物語』の感想

先日、大雨の中、シェイクスピアの戯曲『冬物語』の朗読劇を観劇してきた。本で読むだけでは感じ取れない気迫や悲哀が、朗読というフィルターを通すことでひしひしと伝わってくる。戯曲に生命が吹き込まれたのだ。

ところで、『冬物語』は簡単に言うと・・・
ある王が妃の不義を疑い、その相手を毒殺、妃を投獄することを命じるが、後に無実であることが発覚する。その瞬間、神罰によって妃と不義の相手と思われた者は死亡し、

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『東京物語』の不思議

『東京物語』の不思議

ここ数日、小津安二郎の『東京物語』がずっと頭から離れない。淡々と日常が進行する作品なのに、不思議と引き寄せられる。なぜかと考えてみれば、日常が、東山千栄子演じるとみの死を境に「淡々としながら」大きく変化しているからではないか。

冒頭〜とみの死まではゆったりと進む。しかし、それ以降は嵐のように家族が集い、去って行く。去った嵐に残された者たちは心の底を吐露する。深い底に眠っていた登場人物の真の想いが

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『東京物語』に宿る日本美

『東京物語』に宿る日本美

世界に誇る日本の映画、小津安二郎『東京物語』を観た。あまりにも素晴らしい作品で観賞後、感無量という他なかった。その魅力の一つは、隅から隅まで日本的な美しさを散りばめられていることだ。

登場人物の言葉遣いや言葉の響き、言を尽くさない余白、相手への気遣い、死生観、自然への眼差しなど、すべてに日本的な美しさが宿っている。中でも、東山千栄子と原節子の言葉の響きはもう音楽を聴いているかのよう。かと思えば、

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ポランスキー『水の中のナイフ』

映画 ポランスキー『水の中のナイフ』を観ました。

舞台の大半は一隻の水上ボートで、全体の3/4は一切何の突飛な事件が起こらず、ゆっくりゆっくりストーリーが展開する映画です。正直、終始退屈だと感じる人が多いような気がします。恐らく、即物的なものを追求する現代ではなかなか受け入れられないでしょう。
しかし逆説的ですが、平凡でつまらないとすら感じるのにも関わらず、吸い付くように夢中で観させる魔力を持っ

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一人一人の人間がそこにいる

お恥ずかしながら今更『ローマの休日』を初めて観た。個人的にこの面白さはタイトルの通り、「一人一人の人間がそこにいる」ことに焦点を当てていることだと思う。

簡単にあらすじを説明すると、とある国の女王アンは政務の疲れで夜中に宮殿を逃げ出し、街に飛び出し眠り込んでしまう。そこで記者ブラッドリーが彼女の身の安全のため自宅に連れて帰ったところ、女王だと気づいてしまう。記者である彼はスキャンダルによって大金

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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観た感想

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観た感想

京都アニメーション制作のアニメ、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』全13話を視聴した。

簡単に物語を紹介すると、主人公のヴァイオレットは元軍人の女性で感情を持たず、ギルベルトという少佐(上官)の道具として忠実に慕っていた。そんな中、とある戦いでギルベルトは瀕死になり、ヴァイオレットに「愛してる」という言葉を残し、自分だけを戦火に残し彼女を生き長らえさせた。その後ヴァイオレットは「愛してる」の意

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