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エッセイらしきものばかり

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何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
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2023年12月の記事一覧

そんなもの集めてどうするつもり

そんなもの集めてどうするつもり

 ジャガイモが好きなんです。なので、知人から「うちの実家から大量のジャガイモが届いてさ、よければ要る?」と聞かれた時は、食い気味に「要る要る」と答えました。本当のジャガイモ好きをアピールするために、その昔、通販で北海道からジャガイモを30キロ購入してひと冬の間にひとりで食いきった話をいたしました。

 知人は「そんなに好きなら」と、わざわざ車で家まで届けに来てくれました。30キロの時もデカい段ボー

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おじいさんは敢えておじいさんっぽくしているのか

おじいさんは敢えておじいさんっぽくしているのか

 私が選挙権を持つ前から「若者は選挙に行かない」と言われていました。若年層ほど投票率が低く、そういうことを取り上げるニュースに出てくる「若者」は、七色の髪をしていたリ、それどう考えてもグーは無理だろみたいなネイルをしていたりと、いかにも選挙に行かなそうな、逆にそれで選挙に行くとかどういうつもりだみたいな、そんな外見の人が選挙に行かない理由を語っていた気がします。

 以降も選挙があるたびに「若者は

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ルートマップとのび太の宝の地図

ルートマップとのび太の宝の地図

 先日、たまたま気象学を研究している大学院生とお話したんです。と申しましても、向こうが専門家の卵なのに対し、私はほとんど何も知らない卵以下の存在です。なので、こちらから一方的に質問しまくるという、偏ったコミュニケーションを展開しておりました。

 気象学の何たるかを分かっていない人間が聞くわけですから、質問内容も「台風同士がぶつかったらどうなるんですか」みたいな幼稚なものばかりです。「ドラえもんに

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小さな研究所らしきもの

小さな研究所らしきもの

 隣に人家がないくらいの田舎で育ったので、一人暮らしで住宅地に引っ越して始めて知ったんですけれども、普通の一軒家で小さな商売をしている方が意外と多いんですね。一階部分を店っぽくしてる家もあれば、玄関先に商品の入った段ボール箱と手書きの値札にお金を入れる貯金箱くらいしか置いてないところもある。

 商売の種類も様々で税理士や司法書士みたいな堅めな職業から食べ物や服などを売っているところ、ハンガーが段

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痴漢冤罪が新時代の変質者を生みかける

痴漢冤罪が新時代の変質者を生みかける

 ズボンのチャックを開けっぱなしのまま日常生活を過ごしてしまう時はあるものです。位置的につい閉め忘れてしまいがちですし、場所の割に皆さん意外と見てないのか、それとも場所が場所だけに指摘しづらいのか、全開に気づかずに1日を過ごしてしまう場合もある。家に帰って着替える時になってようやく全開に気づき、またやってしまったと思うことが今でもたまにあります。

 そんな全開ライフを満喫していた時のことです。知

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世間は私より脂肪を賢く使っている

世間は私より脂肪を賢く使っている

 私はどちらかと言うと痩せ型ですが、学生時代はなぜかそれだけで目の敵にされていました。同じクラスの女子が「そんなに細いのはズルい」と言うんです。「別に自分は細いとは思っていない」「普通に生活していれば普通はこうなる」「むしろ太りたくても太れない」というのが私の偽らざる気持ちなんですが、例え事実だったとしてもそれを素直に言うと痩せた身体にヒビを入れられかねないので、「ズルいと言われても………」と困惑

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全自動難易度調整ジョギングコース

全自動難易度調整ジョギングコース

 ゲームを作る上で大変なもののひとつに難易度調整があると勝手に決めつけています。極端に難しかったり簡単だったりするのは楽なんです。大変なのは「ちょうどいい難易度」、これです。簡単ではないけれど、頑張れば何とかなる。そこを狙うのが一苦労なんです。遊ぶ人を想定し、その能力に合わせて難易度を調整しなければならない。ゲーム内の課題が、プレイヤー自信で解決できるものなのか、ヒントなどでサポートをする必要があ

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お化け屋敷の特殊な入口

お化け屋敷の特殊な入口

 私の幼なじみ、ここでは西岡君としておきますが、彼とは小学1年生の時によく遊んでました。

 西岡君の隣には当時6年生の男の子が住んでいました。ここでは吉井君としておきますけれども、西岡君は吉井君ともたまに遊んでいたようです。

 私と西岡君と吉井君の3人で遊んだことも何回かあります。1年生の我々からしてみたら、6年生は体力も知力も桁違いです。スポーツもゲームも、相当なハンデをもらった上に汚い手を

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ストロングスタイル天日干し

ストロングスタイル天日干し

 本当はいけないことだと、やってる本人も分かっているとは思うんです。ただ、事実として、私が昔、暮らしていた家のそばにある公園の低い生垣には、しばしば布団やマットが干されていました。恐らく、近所に住むどなたかのものなんでしょうけれども、「持ってかれたらどうしよう」なんて不安を微塵も感じさせない、ストロングスタイルの天日干しです。

 その公園はジョギングコースになっていたこともあり、ストロングスタイ

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特殊コーティング卒業アルバム

特殊コーティング卒業アルバム

 卒業アルバムというやつを初めてもらったのは小学生を終えた時でした。前々からなんか写真を撮られてるなと思ったら、いつの間にかできあがっていて、卒業式の日に渡された。私にとってアルバムはそんな感じでした。

 いざもらってみると、あまりにも使い道が謎すぎて戸惑った記憶があります。とりあえず、中を見ると同級生の写真がたくさん並んでいるんですが、大半は同じ中学に進む面々なので、眺めて懐かしむこともできな

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スポーツを巡るふたつの医者勢力

スポーツを巡るふたつの医者勢力

 ジョギングを始めてしばらくした頃、ふくらはぎがやたらと痛くなりました。普通は病院一択なんでしょうが、当時の私にとって病院は怖いしカネがかかるし面倒くさいしで、最初から選択肢に入れていませんでした。とは言え、ふくらはぎはマジで痛い。

 そこで、今後医者にかかるかどうかはともかく、まずはタダで楽で怖くない方法を選びました。図書館に行っていろいろ調べるんです。幸い、医者はその専門性の高さから伝統的に

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長生きすると相続がややこしくなるようです

長生きすると相続がややこしくなるようです

 大きな書店に行ったら、なんか不思議な単語が並んでいる本を見かけたんです。

 代襲相続、再転相続、数次相続。不思議すぎて、つい調べてしまいました。

 代襲相続は、もともと相続する人が亡くなってしまった場合、亡くなった人の子供が代わりに相続する状況とのことです。

 再転相続は、相続する人が遺産などを相続するかどうか決めないまま亡くなってしまった場合の相続を指すようです。

 数字相続は、いくつ

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名前が読みにくいのは年齢や時代のせいではない

名前が読みにくいのは年齢や時代のせいではない

 大きな書店で何かいい本はないかフラフラしていた時のことです。女性がふたり、店内のポスターを眺めていました。どうやら親子のようで、白髪交じりのお母様は娘さんに何やら質問を投げかけていました。

 ポスターに書かれていたのは、どうやらその書店でおこなわれるサイン会の案内のようです。とある作家の著書出版記念で行われるそのサイン会の開催は1ケ月後、参加者は応募者の中から抽選で決まるシステムでございました

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机の巨人が捨てられた

机の巨人が捨てられた

 人間、生きてるとどうしてもゴミが出ます。大抵はちょっとずつ出るものですけれども、たまにデカいものも出ます。粗大ゴミというやつですね。出す機会がないとは言え、出る時は出るのが粗大ゴミです。だから、粗大ゴミの収集日になりますと、道端に古い家具が鎮座した異様な光景を目にすることがあります。

 自治体にちゃんと手数料を支払った証拠のシールが家具に貼ってありますから、「ああ、派手な不法投棄ではないんだな

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