OKOPEOPLE - お香とわたしの物語

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オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」

こんにちは、お香の交差点OKOCROSSINGを運営している麻布 香雅堂代表の山田です。

お香をはじめとする和のかおりの専門店・香雅堂を手伝い始めておよそ10年が経ちました。思うところがあって初めてこのような文章を書くに至っています。みなさまにあまり馴染みのないと思われるお香業界の今をさまざまな観点で紹介しながら、お香の未来について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

香木・香

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海の見える街でお香をてづくりするーgallery nagu さんでワークショップー

こんにちは、京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」 代表の山田悠介と申します。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。

感染症の状況が落ち着いて来たり(油断は禁物ですね)、こどもたちが少しずつ大きくなってきたり(下の子が4歳に)と、時間と体力に余裕が出てきた今日この頃…いままであまりできていなかったイベント等を徐々に再開しようと思ってわくわくし

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フォトグラファー・タカハシアキラ(Picser)が切り撮る、香りの手触り

あっという間に秋が深まり、肌寒くなってきました。雨が降ったり、晴れ間が見えたり、この季節らしい気まぐれな天気も多いですね。

フォトグラファーの方に毎月のテーマのお香からインスパイアされた写真を自由に撮影していただくOKOLIFEの企画「フォトグラファーが切り撮る、香りの手触り」。

今月の撮影に参加してくださったのは、フォトグラファー・タカハシアキラさん。冬の入口も垣間見える晩秋の冷たさを、11

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絶滅危惧種「火道具」を救えるか──香道具ファンドの一年間を振り返る

こんにちは、京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」 代表の山田悠介と申します。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。

早いもので、「香道具ファンド」の活動がちょうど1年を迎えました。香道具ファンドは、香道具を販売した売上の一部を必ず次の香道具の生産&販売に使用することで、絶滅危惧種としての香道具を守る試みです。

今回は1年の振り返りというこ

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フォトグラファー・池田さおりが切り撮る、香りの手触り

いくつかの台風が残暑をすっかりさらっていき、澄んだ秋空が清々しい日々になりました。夕暮れ時の帰り道に、どこからか香る、小さく甘い、静かな香りに包まれます。この香りの居所が夕闇の中で定かではないけれど、毎年この季節の香りといえば、金木犀。

春の芽吹きと弛緩、夏の激しさと熱、その後に来る秋はこころとからだが静かな湖面の様に落ち着く季節です。今年も、もうすっかり秋ですね。

さて、フォトグラファーの方

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作家・飯野美穂が切り撮る、香りの手触り

暑い夏がやっと過ぎ去り、秋風が心地よい季節になりました。あいかわらずマスク生活が続きますが、公園や身近な自然を散歩すると、いつもと変りなく、草花や風、動物たちのいる自然の中で、移り変わる季節に時の流れのあるのを感じます。

季節を五感で感じるように、時のながれの儚さと美しさをただ感じることのゆたかさを味わうこと。それは、お香を焚いて過ごす時間に近いのではないでしょうか。

香雅堂のOKOLIFEで

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春のめざめ、甘やかな記憶たち

編集部より:今春、作家ヴァージニア・ウルフへの愛情に溢れたファンブック『かわいいウルフ』が出版された。編著者である小澤みゆきさんに、ウルフと香りにまつわるエッセイを寄稿いただいた。新しい季節に、甘い青春の香りが蘇る。

この春、『かわいいウルフ』という編著を出版した。もともとは同人誌として作った本の商業書籍版だ。20世紀イギリスの作家ヴァージニア・ウルフという人を特集した本で、様々な面からウルフの

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1,500年の和の香りの歴史をいろどる至高の香木「伽羅」を聞く──スティックタイプの「伽羅のお香」をつくりました

こんにちは、京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」 代表の山田悠介と申します。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。

前回に引き続き、香雅堂の店頭で寄せられる声にお答えするnoteを書いてみようと思います! 今回は「スティックタイプの伽羅(きゃら)のお香はありますか?」というご質問についてです。

結論から言ってしまうと、「ありませんでしたが

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絶滅危惧種としての香道具~香道具ファンドNo.5「空女作の聞香炉」~

香道の神髄と言えるものが存在するとすれば、それは流派の御家元・御宗家の中にのみ在って、余人がその境地に至ることは、長い道のりを辿ってもなお困難を極めるものと想像します。
一方で、存じ上げる限りにおいては、志野流香道ご当代御家元も御家流香道先々代御宗家も同様に「香道は聞香(香木の香気を深く味わうこと)が出発点であり、到達点でもある」というような意味合いの解説をなされたと記憶しています。
香を聞くとい

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ものを作る家族と、喪失の香り

編集部より:シンガーソングライターのしずくだうみさんにエッセイを寄稿いただきました。もの作りの家に育ち、やがて表現活動へと導かれていったしずくださん。お香のかおりは、そんな家族を喪う記憶とともにありました。お香にふたたび出会い、自身のもの作りと家族の関係を振り返った記録。

お香の匂いが苦手だった。

私が産まれた時、曽祖母二人が生きていた。どちらも父方で、頻繁に顔を合わせるわけではなかったが、曽

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“香木としての白檀の香り”を気軽に楽しむには?──天の海シリーズ「星の林」

こんにちは、京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」 代表の山田悠介と申します。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。

先日店頭でお客様から「白檀のお線香の香りと、日用品にある“白檀の香り”は印象が異なりますね」という言葉をいただきました。ときどき聞いてくださる方がいるので、今日はこの言葉を踏まえて香雅堂のお線香を紹介したいと思います。

いろ

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