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花をいけることを通して気づいた、香りを聞き味わうこと

編集部より:花人のOYUさんに、いけばなから茶畑、パフューム、神経科学、そしてお香まで、香りをめぐる冒険の日々を綴っていただきました。OYUさんの経験を通じて、お香とほかの香り文化の共通点と違いがみえてきます。香りの多様性を聞き、味わうことができる文章です。

OKOPEOPLE編集室のnoteをご覧の皆さま、はじめまして、花人のOYUと申します。花人という肩書きは聞きなれないと思いますが、平たく

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うれしいです!
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なんたって源氏物語③

源氏物語を通読して驚いたのは、華やかなイケメンとして女性たちを虜にする、誰もがイメージする姿は前半だけで、残りは都落ちあり、心理的な葛藤あり、諸行無常感漂う暗い闇が支配する世界が広がっていたことです。しかも、全54帖のうち42帖から以降、つまり全体の約1/4は光源氏が亡き後の物語とは、、、。むしろ私自身はこの「もののあはれ」がたゆたう闇の世界観のほうに魅力を感じます。

ともあれ、源氏物語を通読す

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ありがとうございます!
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小麦粉よ!

ウェブマガジン「アパートメント」の管理人をはじめ、ユニークな活動を展開する浅井真理子さんにご寄稿いただきました。打ち合わせで「食と香りについて書いていただけないか」と相談したところ、ベーグル作りの話に。社会の変化をきっかけに、新しい香りが漂いはじめた浅井さんの暮らしに、触れてみてください。

最近、ベーグルを作るようになった。

もともと料理は好きだし、お菓子作りも手慣れたものだけれど、パン作りに

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ありがとうございます!
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家と香木

特に隠していたつもりはないが、香木が好きだということを特に言わずにいた。

周りに知られたのは結婚式がキッカケだった。会場入り口に、電子香炉と、当時持っていた香木の中で好みのものをすべて展示して、聞香ができるようにしたのである。それが元で、妻の友人には、式の最中に不安な眼差しで「なんか変な木が好きなんですね」と言われた。隣の妻は大笑いするだけで弁明せず。初めて会った妻の友人に必死で説明し、「良いご

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千手観音の御手に山菜

2020年春、海辺から山間部に家族で引越した。
同じ高知県内とはいえ、環境が驚くほど違う。

以前は冬でも夏のような日差しが注いだ温暖なところだったが、今いるところは春先に雪が降ったり水道管が凍結するような山の上だ(引越し早々、水道管破裂の洗礼を受けた)。

山の上から土佐湾を臨む

引越し作業は、田舎でも疫病のニュースで持ちきりとなった頃で、お世話になった人にろくに挨拶もできないままだ。未だ「引

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不動明王✨
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子どもから他の女の匂いを感じた日と、香りの自由みたいなもの

子どもを抱っこすると、おばあちゃんの家のバスクリンみたいな、ちょっと懐かしくなる、人工的ないい匂いがした。

それははじめて一時保育を利用して、迎えに行った子どもを抱き上げた時だった。お風呂でも入れてもらったの?と思いながら、匂いと預けたことの関係も判然とはしなくて、ただその日はずっと、いい匂いがするなあと思っていた。

また違う保育園に預けた日、やっぱり子どもから芳香が漂った。なんか、いい匂いが

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今日はいい日になりますよ。
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厳かなお寺の香り はじめての浄土真宗

お寺は良い匂いがする。お寺を取り囲む木々の深々とした匂い、伽藍の木の匂い、そしてお香の香り。それらの芳香に包まれると、背筋がすっと伸びる。特別な場所に来たことが自然とわかる。

それにしても、なんでお寺ってお香の香りがするんだろう。少し考えて、変な疑問かもしれないと思った。そもそも香木は仏教とともに日本に伝来したのではなかったか。

わたしは時間はあるけどお金はなかった学生時代、カフェも映画も美術

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今日はいい日になりますよ。
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白檀の香りと記憶の明滅

それは、パソコンの前で自動書記のようにつづられた物語だった(注:オカルトな話は出てきません)。編集者さんとの打ち合わせではエッセイを書くはずだったのに、いざ画面の前に座ってみると短編小説が生まれていた。

「OKOPEOPLE」で公開された「ながれながれて」のことだ。香りがきっかけとなった面白い体験だったので、小説のあとがき的に書いておこうと思う。

香りにいざなわれて物語の世界へ

お香の定期便

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大日如来✨
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境をつくる香り

子供の頃から、一時期を除いて和室で寝ている。毎朝、布団の中でひとつの暗闇と化している私を、仏壇から漂う1本の線香の香りが包み込む。

その度に、当たり前の日常がスタートする事。今日も東の空から太陽が昇る事。目が覚めた事。生きている事を自覚する。清澄な朝の空気に馴染む白檀の香りは、私にとって朝と夜の境であり、また大袈裟に言えば生と死の境である。

最近になって、お供物としてだけではなく、読書をする時

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冬のはじまりは雨上がりの匂い

晴れていた空がみるみるうちに暗くなって、地響きのような雷が落ちた。とたんに風が吹き荒れて、ぼつぼつ鳴っているのは何だろうと思ったら地面や屋根に打ち付けられている雨で、びゅうびゅう水がガラスを流れていき、また閃光。地響き。横殴りの雨。

あー、ぶりおこしだ。

こんな嵐に子どもを迎えにいくなんて嫌だなあ。思っているうちに雨は止んで、すっきりした青空がのぞいた。外に出ると、街はみずみずしく洗いたてとい

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٩( ᐛ )و٩
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