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香道のお稽古とはどのようなものなのか?【7月10日 新しいクラスを開講します!】

こんにちは、京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」 代表の山田悠介と申します。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。

お客様とお話ししていると、「香道のお稽古ってどんなことするの?」「どんないいことがあるの?」というご質問をよくいただきます。今日は誠に僭越・恐縮ではありますが、香雅堂・香道に関わって10年強の筆者の個人的な主観に基づいて、回答をさせていただきます。少しでも香道という文化に親しみを持っていただき、関わる人口が増えていくことにつながることを願っております…!

また、7月10日より開講する、香道の新しいクラスについてのご案内も最後にさせていただきますので、もしよろしければご覧くださいませ。

まずは和の香りの歴史をサラッと

1500年前に大陸より日本に伝わった香りの文化。飛鳥時代の当初は仏さまにお供えする=お焼香することが主な目的でした。平安時代には貴族たちがいまでいう香水のようにお香を使い始めます。香りのする木=香木やその他のスパイスを独自のブレンドで練り固めた独自の「練香」をつくり、着物・髪の毛・手紙 等に焚き染めました。そして室町時代の終わりの頃、今から約500年前に芽生えた文化が香道です。

香道では何をするのか

あえて一言で表現するならば「みんなで集まって香りを聞き分ける遊戯をする」ということになります。夏ならば七夕伝説がテーマになった「星合香」、秋ならば中秋の名月がテーマになった「月見香」、源氏物語がテーマになった「源氏香」など、日本の四季折々・さまざまな文化が題材となった遊戯は300種にものぼるのですが、それらを総称して組香とよびます。

※全く初めての方だけを対象とした香道体験のイベントもございます。

何の香りを聞き分ける…?

組香では、特別な香りのする木=「香木」の香りを聞き分けます。今も昔も「日本では全く産出せず」「育てることのできない」という香木は、日常では似たものが存在しないようなスペシャルな香りをもっており、時代を超えて人々に愛され続けています。

※香木について以前 書いたnoteです。

香道のお稽古とは!

そんな香道。実は、茶道・華道とならぶ日本三大芸道(!)のひとつとして数えられており、それらの芸道と同じように「お稽古」が存在するのです…!流派や先生によって違いはあるのですが、香雅堂の教室でおこなわれている内容としては「2~3時間くらいの間に、季節の組香を2種類おこなう」ということになります。

香りを聞き分ける遊戯≒組香は、主に3つの役割によって成り立ちます。
①香木を炷く人=香元【1名】
②組香の記録を書く人=執筆【1名】
③香木の香りを聞いて、組香の回答者になる人=客【その他】
(④全体のサポート役=介添【1名】)

なので、季節の組香を2種類おこなう間に、①~③の役をローテーションしながら、それぞれの役割の作法を身につけることになります。具体例を書いてみると…

先生「今日は七夕が近いので星合香をまずやりますね。そのあとはひさしぶりに源氏香」をやりましょう。星合香の香元は山田さん、執筆は酒井さんやってみましょう。源氏香の香元は松本さん、執筆は宮川さん。」
山田「ええっ!わたし香元はじめてなんですけど大丈夫でしょうか」
先生「だれにでも初めてはあるのでぜんぜんだいじょうぶですよ◎」

というふうに和やかに進んでいきます。

どんな人がお稽古に通っているのか

女性80%/男性20%
初心~中級者/30~40代
上級者/50~60代
服装/80%が洋装・20%が和装

といった感じです。お稽古をはじめるきっかけとしては「お節句とか寺院とか、日本文化全般が好きで」「茶道のお稽古をしていて興味が…」「アロマ・精油の勉強をしていたら」「友人の紹介で」「職場が近かったから」「京都が好きで」「源氏物語が好きで」「家でお香を焚くのが好きで」「なんとなく香道の体験をしてみたら楽しかったから」と、とても多岐にわたります。

※香雅堂のお教室に通われている方たちの印象です。

お稽古を通して何が身につくの?

これはとても難しい質問で、十人十色の回答がありえると思います。僭越ではありますが筆者の個人的な感覚としては、「香りをとおして、ゆるやかに日本の教養が身につく」ということかなと、現時点では感じています。

七夕に行われる星合香を通して五色(の短冊)の意味を改めて知ったり、源氏香のあとには源氏物語を少しでも読んでみようとしたり。和室でのマナー・作法を少しずつ身につけたり、香元を担当したら炭や灰・そして香木の扱い方をおぼえたり、執筆をもっと上手にしたいと思って昔つかっていた習字道具を引っ張りだしてきて書の練習をしてみたり。ときには名刹・名建築で行われる「お香会」にお着物を着てちょっとドキドキしながら参加してみたり。。。

細く長くつづけることで、日本で/日本人として生きることが少しずつ楽しくなっていく。そんな感覚が近いかもしれません。そしてもちろん、香木の香りに静寂のなかで向き合う時間は、何にも代えることのできない特別なものだと感じます。

※あくまでも筆者の個人的な感想です。

7月10日(日)より、新クラスを開講します!

そんな香道のお稽古を香雅堂で運営しているのですが、この度 あたらしいクラスを開講することになりました。初心者の方むけのクラスがいつもいっぱいになっており気がかりだったのですが、状況がいい感じに整ったところでの開講です。

開講/2022年7月10日(日)より
日時/原則 毎月 第2日曜日 14:00~17:00
流派/志野流
募集人数/8名程度
講師/山田直子・佐藤幸子
服装等/ビジネスカジュアルに準じた服装・スカートの場合は正座時に膝が隠れる丈・白いソックスをお持ちください
参加費/月1回 5千円(月2回 8千円)+ 平均して月1千円程度の雑費
その他/入会金 5千円
※入会金は2回目の参加より発生
※志野流香道に入門時は別途費用有
その他/お道具代などは基本的に掛りません

まずは体験参加!その連絡方法など

とはいえ、ほとんどの方が「香道って未知…ちょっとおっかない」という印象もお持ちと思いますので、以下のような「様子を見る機会」をご活用くださいませ。

①講師の山田・佐藤が担当する既存のクラスに体験参加する(¥5000)
6月12日(日)10:00~13:00/1名のみ ▲満席▲
6月15日(水)10:00~13:00/1名のみ ▲満席▲
▼ご希望の場合
 香雅堂の問い合わせフォームより「十番教場、6月12日(日)10:00~13:00、体験参加希望」のようにご連絡ください

②講師の山田が部分的に担当する体験イベントに参加する(¥6100)
6月10日(金)13:30~15:00/~10名 ▲満席▲
※お稽古を前提としていない、1回完結型の体験イベントです
▼ご希望の場合
 香雅堂の体験企画ページより、お申込みください(5/27より受付開始)

③新クラスそのものに体験参加する(¥5000)
7月10日(日)・9月11日(日)・10月9日(日)・11月以降も続く… 
※※※7月10日の会は満席となりました※※※
▼ご希望の場合
 香雅堂の問い合わせフォームより「十番教場、7月10日(日)14:00~17:00、体験参加希望」のようにご連絡ください

言い換えると、
7月の新クラス 開講前に様子を知りたい→①② ▲満席▲
新クラス開講してから様子を知りたい→③ 
▲7月10日は満席▲
といった使い分けかなあと思います。そして7月以降も、基本的に③で体験参加をして検討 → 相性よさそうであれば入会、という流れになります。

その他、新クラスについてのご連絡・ご質問は香雅堂の問い合わせフォームよりお願いします。香雅堂の店舗にお電話いただいても、詳細な内容を把握している講師は基本的に不在にしておりますことご了承くださいませ。

③について補足しますと、
1回目のお稽古は基本的にどなた様も体験参加としてカウントし、2回目以降もご参加の場合は入会とみなし、入会金が発生するということになります。
また、明確な線引きはないのですが、お稽古を検討している方のみのご参加とお願いします。(=香道そのものをとにかく体験したい!という方は②の機会をご利用ください)
つまり、新クラスの開講してからしばらく?の時間は若干参加メンバーが流動的になり、段々と固定メンバーが定まっていく、ということがあり得るということです。

麻布 香雅堂でおまちしています!

新規のクラスになりますので、「同期入社」ではないですけれど、みなさんがあるていど同じスタートラインではじめられるわりとめずらしい機会だとおもいます。

周りには美術館や大使館が多い文化的な街で、香道のお稽古をはじめてみませんか?お会いできることをスタッフ一同たのしみにお待ちしています!

【連載】お香と100年、生きてみる
オープン・フェア・スローをキーワードに活動する香木・香道具店「麻布 香雅堂」の代表・山田悠介が書くnote。謎に包まれた和の香りの世界のことを、様々な切り口から紹介させていただきます。既にお香が好きな方に、潜在的にお香を必要としている方に、この連載を通じて少しずつご興味をお持ちいただけたら嬉しいです。

【プロフィール】山田悠介
香雅堂代表。1986年、東京の麻布十番に生まれる。「悠さんのランドセルは香りでわかる」と言われる様に和の香りと共に育ち、2011年から香雅堂に関わる。テニスを中心としたスポーツ・村上春樹さんをこよなく愛する、2児の父。家業・家庭・自分の時間、細く長くバランスよく、中庸に100年生きることを目指しています。



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