麻布 香雅堂

京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」のnoteです。「オープン…

麻布 香雅堂

京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」のnoteです。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。www.kogado.co.jp _ お香の定期便「OKOLIFE」oko-crossing.net/okolife/

マガジン

  • 聞香会のアーカイブ【麻布 香雅堂】

    香雅堂が主催するイベント「聞香会 ~香木三昧のつどい~」の内容をアーカイブするマガジンです。このマガジンは、後世において香木の研究が行われるときの歴史的資料・一次情報として使用されることも(大げさかもしれませんが)見込んでいます。聞香会当日はもちろん、後日のnote上も含めて、何でもお気兼ねなく・お気軽にご質問をいただき、活発な情報交換の場になることを望んでおります。

  • 香道具ファンド【麻布 香雅堂】

    香道具ファンドは、香道具を販売した売上の一部を必ず次の香道具の生産&販売に使用することで、絶滅危惧種としての香道具を守る試みです。細々と・試行錯誤しながら、文化との向き合い方を考えていきたいと思っています。

  • OKOPEOPLE - お香とわたしの物語

    • 115本

    OKOCROSSING が運営する、香りにまつわる「わたしの物語」を編み集めるプロジェクトです。https://oko-crossing.net/okolife

最近の記事

【聞香会のアーカイブ】2023年1月25日・特別会・古木

聞香会  2023.1.25 (初めての参加者に香木断面の顕微鏡写真のコピーを説明して…) 「会長」何がわかるかというと…これ四種類撮影してありますが、これが元々の沈香樹。何もなっていないジンチョウゲ科アキラリア属の植物の表面を撮影してもらったものです。で、この下にあるのが、いわゆる沈香、インドネシアの沈香。それの比較的いいものですけど。それを撮影してもらった画像です。こっちは伽羅です。 「連衆」いただいてないです。貴重な資料。 (会長は資料を探す) 「会長」ごめんな

    • 【聞香会のアーカイブ】2022年10月26日・五味の会・酸

      (注:録音の都合で最初と最後の内容が記録されておらず、申し訳ございません) (古五味名香の極状コピーを回覧して…) 「会長」五味シリーズでお炷きしている古五味・手本木はすべてあちらから。 「連衆」じゃあ、あの中に『京極』って木が載っているわけですね。 「会長」はい。米川常伯っていますよね。米川常伯って志野流系の人らしいんですけれど、 志野流の文献によると、その昔、五味の手本木(てほんぼく)・手鑑(てかがみ) を十種類選んだんですね。各味ごとにふたつ選んでます。それを順

      • 3月の推奨香木は、久々に「甘」を特徴的に具える真南蛮♫

        すでに公開済みの真南蛮のうち、元々の塊が2.5㎏を超えていた「仮銘 白雲」や、「仮銘 惜しむ心」・「仮銘 木の間」と一緒に某藩の家老職の家柄から手付かずの一木で無銘のまま見つかった「仮銘 朧月夜」は、まだまだ安定して分木が可能ですが、香気の特徴は、いずれも「さほど甘味を感じさせるタイプではない」と言えます。 どちらかと言えば「鹹」が目立ち、「甘」は中ほど以降に控え目に出て来るように思えます。 3月に推奨したい香木は、古木と言い切れる材料は見つかっていないものの樹脂化の度合い

        • 【聞香会のアーカイブ】2022年8月24日・五味の会・辛

          「会長」 こんにちは。どうも、ようこそいらっしゃいました。なんか暑かったり、にわか雨が降ったりでややこしいお天気ですが。 また今日も五味は三回目、辛い、「辛」ということで,焚いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 「連衆」 よろしくお願いします。 「会長」 あの、15分で切れてしまう電気香炉なので、もし切れていたら教えていただいて、ご自分で入れていただいても結構ですが、よろしくお願いします。 で、前にも回しているかと思いますけど、この五味(注:古五味香) の

        【聞香会のアーカイブ】2023年1月25日・特別会・古木

        マガジン

        • 聞香会のアーカイブ【麻布 香雅堂】
          11本
        • 香道具ファンド【麻布 香雅堂】
          3本
        • OKOPEOPLE - お香とわたしの物語
          115本

        記事

          【聞香会のアーカイブ】2022年11月30日・六国の会・伽羅

          「さまざまな伽羅を聞き比べる」メニュー(予定) 一、仮銘 波路の舟(鉄油伽羅) かすみゆく波路の舟もほのかなりまつらが沖の春の明けぼの(伏見院) 111℃ → 124℃ 二、仮銘 いづる日(黒油伽羅) いづる日に春のひかりはあらはれて年たちかへるあまのかぐ山(後村上院) 109℃ → 118℃ 三、仮銘 にごらぬ波(柴油伽羅) てらし見よ御もすそ川に澄む月もにごらぬ波の底の心を(後醍醐天皇) 112℃ → 111℃ 四、仮銘 月待つ空(緑油伽羅) 山の端

          【聞香会のアーカイブ】2022年11月30日・六国の会・伽羅

          【聞香会のアーカイブ】2022年12月14日・五味の会・鹹

          「会長」こんにちは。いらっしゃいませ。よろしくお願いします。 「連衆」お願いいたします。 「会長」お久しぶり。 「連衆」お久しぶりです。 「会長」今日、だいぶ湿度が低かったんで、昼休みちょっと換気扇を止めて。で、加湿器をつけてましたが、現状まだ33%ですね。まあちょっと条件的にはあまり芳しくないですが、でも午前中はよく立ってました。 いよいよ五味の最後、「鹹(しおはゆい)」ですね。 しおはゆいというと、決していいイメージではなくて。お手元に、早川甚三氏の本のコピーを

          【聞香会のアーカイブ】2022年12月14日・五味の会・鹹

          技術を継承するー香道具ファンド2年目のいまー

          こんにちは、京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」 代表の山田悠介と申します。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。 絶滅危惧種ともいえる香道具を細々と守りつづける「香道具ファンド」の活動が2年目に入っております。前回のnoteでは、香道具を載せるお盆や棚「指物」をつくる方が引退されてしまった…という悲しいニュースをお伝えしました。 ですが、その引退された職人である伊豫さんと会長の山田(眞)が力をあわせて、指物作家・益

          技術を継承するー香道具ファンド2年目のいまー

          【聞香会のアーカイブ】2022年10月26日・五味の会・酸

          (注:録音の都合で最初と最後の内容が記録されておらず、申し訳ございません) (古五味名香の極状コピーを回覧して…) 「会長」五味シリーズでお炷きしている古五味・手本木はすべてあちらから。 「連衆」じゃあ、あの中に『京極』って木が載っているわけですね。 「会長」はい。米川常伯っていますよね。米川常伯って志野流系の人らしいんですけれど、 志野流の文献によると、その昔、五味の手本木(てほんぼく)・手鑑(てかがみ) を十種類選んだんですね。だから、各味ごとにふたつ選んでます。

          【聞香会のアーカイブ】2022年10月26日・五味の会・酸

          【聞香会のアーカイブ】2022年9月28日・六国の会・佐曽羅

          「会長」皆さん、いらっしゃいませ。本日はようこそお越しくださいました。今日もよろしくお願いいたします。 えっと、初めての方はおられますか。はい、聞香会そのものがお初めてですか? …ただ聞くだけの会なので、もし何かございましたら、遠慮なくおっしゃっていただいて…よろしくお願いいたします。 今の六国シリーズでは木所ということで、その各木所の分類っていうものがどういうふうに行われてきていて、それぞれの特徴がどこにあるかなっていうふうなことで進めておりますが。 今日のメニュー、昨

          【聞香会のアーカイブ】2022年9月28日・六国の会・佐曽羅

          ARTS&SCIENCE/エッセンシャルオイルを使ったサシェのコラボレーション制作

          セレクトショップ・ブランドのARTS&SCIENCEさんとコラボレーションして、2種類のサシェを制作しました。提供いただいたエッセンシャルオイルをいかし、心に癒やしをあたえるオリジナルブレンドのお香です。ARTS&SCIENCEさんとのコラボレーションは約10年前のポケットサイズのサシェの制作以来になります。 クリスマスも近い今、ホリデーシーズンにぴったりの今回のサシェはサイズもすこし大きめ。ベッドサイド等に置くことでエッセンシャルオイルのウッディな香りが落ち着きや癒しをも

          ARTS&SCIENCE/エッセンシャルオイルを使ったサシェのコラボレーション制作

          [12月17日(土)-18日(日)]企画展「村上雄一・お香と暮らしの道具展」と同時開催「1年を癒やす中国茶と聞香の会」のお知らせ

          香雅堂では12月17日(土)から18日(日)の2日間にわたって、岐阜県は土岐の陶芸家・村上雄一さんによる企画展「村上雄一・お香と暮らしの道具展」を開催します。 また、展示期間中に1日2回「1年を癒やす中国茶と聞香の会」も同時開催。村上さんの作品を手にとって味わいながら、聞香と中国茶、和菓子をお楽しみいただける特別なイベントです。 企画展の概要本展は陶芸家・村上雄一さんをお迎えし、お香立てや香炉、香合などお香の道具をはじめ、茶器や食器といった日々の生活に寄り添うような作品を

          [12月17日(土)-18日(日)]企画展「村上雄一・お香と暮らしの道具展」と同時開催「1年を癒やす中国茶と聞香の会」のお知らせ

          gallery nagu/「うつろひ twilight」の制作、聞香会「naguとうつろひをテーマとした香りを聞く会」&発売会開催

          三浦半島の海岸にあるgallery naguさんとコラボレーションして、スティックタイプのお香「うつろひ twilight」を制作しました。また、10月22日~23日の2日間にわたって発売会を実施、2日目の23日には「naguとうつろひをテーマとした香りを聞く会」を開き、香雅堂ならではの聞香体験とトークを行ないました。 コラボレーション制作の第一弾「うつろひ twilight」 gallery naguさんからもらった「うつろひ」というテーマ、ギャラリーのイメージにも合う

          gallery nagu/「うつろひ twilight」の制作、聞香会「naguとうつろひをテーマとした香りを聞く会」&発売会開催

          泉屋博古館東京/『古美術逍遙──東洋へのまなざし』展における、お香に関する所蔵品の調査と特別講座

          六本木・泉屋博古館東京さんのリニューアルオープン記念展Ⅲ『古美術逍遙——東洋へのまなざし』の開催にあたり、お香に関する所蔵品の調査および、調査結果を踏まえた特別講座「香りを聞く」を泉屋博古館東京にて開催させていただきました。 所蔵品の調査では、和の香りの専門家として、香木「紅葉賀」をはじめ、美しい香炉や香合、お香をたしなむ風景が描き込まれた屏風絵などを検分しました。特に香木「紅葉賀」は格式高い「六十一種名香」の一つ。全体に細い和紙の帯が一定間隔で巻き付けることにより、厳重に

          泉屋博古館東京/『古美術逍遙──東洋へのまなざし』展における、お香に関する所蔵品の調査と特別講座

          デンマークの夏の暮らしとお茶とお香

          強い陽射しに、生ぬるい空気ー8月のデンマークは暑さがぶり返し、もう最後ともなろう夏らしい日々が続いている。デンマークの夏は日本の夏に比べて短く、すぐに寒く、薄暗くなってしまうから、暑いとはいえ貴重な夏日だ。街の人々はそんなデンマークの夏を満喫するべく、アイスクリームショップに行列を作ったり、海に行ったりと思い思いに過ごしている。 冬には葉のついていなかった街の木々も青々と茂っており、道端には雑草が花を咲かせている。なもなき雑草たちはそれぞれに花を咲かせる時期が異なっており、

          デンマークの夏の暮らしとお茶とお香

          【聞香会のアーカイブ】2022年7月27日・六国の会・真南蛮

          「会長」どうぞよろしくお願いいたします。いやー暑いのに皆さん(笑) 倒れそうになるんですけど。 「会長」本日は真南蛮を聴き比べるという会でございますが。初めてご参加の方おられますか。一人、お二人。えっとこれまで…。 「連衆」五味の会先月。 「会長」五味の会お越しになっている。そちら様は? 「連衆」私は初めてです。 「会長」そうですか。分りました。じゃあどうしましょうかね。ただ香木ってどんなもんかっていう何か疑問とかお持ちのことあります? 「連衆」とりあえずは皆さん

          【聞香会のアーカイブ】2022年7月27日・六国の会・真南蛮

          根津美術館/企画展「阿弥陀如来 浄土への憧れ」の為のスティック香

          【製作年】2022年 【形状】スティックタイプのお香 【香りのタイプ(※)】現代的

          根津美術館/企画展「阿弥陀如来 浄土への憧れ」の為のスティック香