【聞香会のアーカイブ】2022年11月30日・六国の会・伽羅
「さまざまな伽羅を聞き比べる」メニュー(予定)
一、仮銘 波路の舟(鉄油伽羅)
かすみゆく波路の舟もほのかなりまつらが沖の春の明けぼの(伏見院)
111℃ → 124℃
二、仮銘 いづる日(黒油伽羅)
いづる日に春のひかりはあらはれて年たちかへるあまのかぐ山(後村上院)
109℃ → 118℃
三、仮銘 にごらぬ波(柴油伽羅)
てらし見よ御もすそ川に澄む月もにごらぬ波の底の心を(後醍醐天皇)
112℃ → 111℃
四、仮銘 月待つ空(緑油伽羅)
山の端の月待つ空のにほふより花に染むくる春のともし火(前中納言定家)
102℃ → 113℃
五、仮銘 風の梅が香(黄油伽羅)
大空をおほはん袖につつむともあまるばかりの風の梅が香(後水尾院)
104℃ → 112℃
六、仮銘 月の影(縮油伽羅)
天の戸をおしあけがたの雲間より神代の月の影ぞ残れる(九条良経)
107℃ → 115℃
七、志ら雪(安永四年より以前に渡来していた古伽羅)
103℃ → 114℃
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・会長 いらっしゃいませ。本日もよろしくお願いいたします。
一つ用意していたものが無くなったように思って、慌ててバタバタしてました。失礼いたしました。息が…(笑)
・連衆 (笑)
・会長 24日に全部用意しといたはずが今袋から出してみたら「波路の舟」が見当たらなくて、どこ行ったんだろうと思って…すみません、ちょっと息があがってしまいました。
今日は二回目の伽羅ということで、すでに前回参加していただいた方もおられるかと思いますけれど、さまざまな伽羅について取り上げさせて頂こうと思っております。
何かご質問おありの場合は、おっしゃっていただいて…
よろしくお願い致します。
伽羅と言うとですね…
香木にいろいろと種類がある中で、伽羅の場合はもう「伽羅か伽羅じゃないかと言うことで比較的ハッキリしている木所」というふうに私なんかは考えるのですが…香木としての伽羅っていうのは、私に言わせると明らかなんですね。
ほかの沈香との違いっていうのは非常に明確に分かります。
塊を見ただけでも、伽羅か伽羅以外の沈香かということは、ほぼ分かるんですね。稀に「どっちかな?」ということはありますが、
ですから本来伽羅ということに関しては間違いようがないというふうに思えるんですけども…
ただ、塊の外見上、いろんな姿、形をしています。
昔の人は…主に中国の人ですけれど…塊の外見がどういうふうな色合いに見えるかっていうことを中心にして伽羅の分類を確立したというか、始めたというか、やっていましたね。
で、私の父の時代は、取引先というのは香港だったんですね。あるいはシンガポール。
良い伽羅を輸入しようと言う場合に出かけてゆく先はベトナムとかじゃなくて、それらが集積されている香港、あるいはシンガポールでした。
それほど当時の中国は、伽羅をはじめとした沈香の輸入取引に精通していたというか、大々的に取り扱いをしていたのですね。
香港には三社ぐらい、取引先がありました。なんとか貿易っていう会社ですね。
小さなビルの2階に上がっていくと、一室にこれぐらいの大小さまざまなキャラの塊がゴロゴロ並べられていて、そこに案内されて、そこからパッと見でよさそうなもの…見た目でわかりますから…これとこれとこれとこれこれっていう風な形で買い付けをしていました。
今思えば、全部買っとけばよかった。(笑)
・連衆 (笑)
・会長 お金さえあれば、もう女房を質に入れてでも…(笑)って
買っておけば良かったかもしれないですが、今のようにもう本当に枯渇するっていうふうな、そういう未来は当時想像できなかったですね。
だから、とにかく、集めてくれたものの中から、とにかくいいものだけ厳選して…というふうなことをやってました。
その当時の何十年の間から現在までの間に、私どもはじめとして、大阪の堺のどこどこさんとか、そういう輸入卸し業者さんがまあ2、3社あって、そこらへんがこれまでに輸入した上等の伽羅だけでも、たぶん4~5tはあっただろうと言われています。
だからそれぐらい、枯渇などしていなかった時代なんですね。
もう本当にヨリドリミドリっていう感じでした。
で、そういう塊を見ると、どことなく緑っぽく見えるとか、どことなく黒っぽいとか、あるいは紫っぽい。そういうことで、ある程度色分けがされるようになっていたんですね。
別にその当時、じゃあ「緑油伽羅はこんなのです」とか、「紫はこんなのです」とかって、分けていたことは一切無かったんですが、中国の業者さんなんかは表現する場合「これ緑です」とか「これ紫です」というふうなことを言ってたんですね。それが日本でも通用するようになっていました。
言われてみると、例えば緑油といわれる緑っぽい伽羅を炷くとですね、やはりそれなりに緑には緑なりの、特性というか、個性というか特徴が確かに感じられるんですね。
それは鋸で挽いていても、緑油の伽羅を挽いている時と、別の伽羅を挽いてる時とでは、鋸の感触とか、粉の状態が違ったりしますから、中国人がある程度外見の色味で選別しようとしていたのは、あながち外れてはいないのかなというふうに思いますね。伽羅をそこまで詳しく分類する必要があるのかないのかわかりませんが、可能は可能。分けることは可能ということですね。
そこで、分けるからにはその根拠というか、特徴の違いがあるというところをですね、今日、皆様にお聞かせできたらと思っています。まあ、微妙な違いでしかないと思いますけど。
14:12
・会長 暑すぎたり、寒かったり大丈夫ですか?室温は…
もし暑かったり、涼しかったりしましたら仰ってくださいね。
・会長 最初に「波路の舟」…鉄油伽羅というふうな書き方をしてますが、これはなんとなく鉄っぽく見えるくらいのことだと思います。だいたいその色の分け方というのは、そんなふうなところで、なんとなくっていう感じなんですが…「波路の舟」です。
(「波路の舟 :鉄油伽羅」原木を回す)
・会長 今日はわりとコンディションはよさそうですね。室温は今21.2℃ですが、湿度が66%あります。
この木はあんまり樹脂分の流動性と言いますか、ネバネバしているという感じの木ではないんですね。わりとカチンとした木ですね。それで鉄って言うんじゃあないとは思いますけど、はい。
・会長「波路の舟」です。これ今111℃°くらいです。
樹脂分が柔らかいと言いますかね、べとっとしたねっちょりとしたようなタイプの伽羅に比べると立ち上がりはゆっくりめですね。徐々に立ってくるという感じだと思います。
(「波路の舟 :鉄油伽羅」香炉を回す)
22:08
・連衆 でも充分もうすごく香りはします。
・連衆 すごい…
・会長 見かけがなんかちょっとしょぼい感じに見える(笑)、どちらかと言いますとね。だからあまり期待しないで炷くんですが、意外とちゃんと良く立ってくれて。面白い木ですね。
・連衆 ここに来た時にふぁっと…
・連衆 この距離でもというのが…
・会長 あぁそうでしたか、
・連衆 さっきのあのおっきい原木の何だろうこの?横のところ、中が白くて、外が黒っぽい感じで、白いところは使わないというか使えないような感じなんですか?そういう訳でもないんですか?
・会長 はい。ネットで販売させていただくような時は、とりあえず白いところは入れないで、黒っぽく見えるところだけお分けするようにしますが、白いところは…あれば焚いてみるのですが…あの、面白いです。
・連衆 香りの質ですか?
・会長 まったく樹脂分が沈着していてない場合と10%、20%ぐらいは全体の組織の中に樹脂が出てきていると言う場合があってさまざまなんですけど、真っ白々だと、香木としての味わいはそんなに期待できないんですけど、真っ白々じゃなくて、それくらい(回している原木)ちょっと茶色っぽいという場合、多分20%かそこらは、細胞組織の、いわゆる篩管と言われる組織に樹脂が入っている…というふうに期待できますから、炷けばそれなりに香りは出ますね。
ただ、黒い所の本当いいところと比べると全然違いますよね。だけど、よく聞くと、その「波路の舟」としての、その特徴、特性はいわゆる伽羅としての匂いの筋みたいなものが意外とね、共通していることが普通です。
ただ、樹脂化しなかった組織の匂いというのは混ざりますから。純粋に「波路の舟」として愉しむということは、ちょっと難しいですが、ただ面白いです。同じ一木に違いないので。
黒いところも白いところも「波路の舟」ですから。
そういう点で、香組をされる時に使われると…白いところと黒いところと、あの…ひんしゅくを買います。(笑)
・連衆 (笑)
・会長 当たらないじゃないかって言われますね。(笑)
・連衆 今の香木の味みたいなのを・・・●●とか●●とかで表現したら?
…の付け方は?
・会長 はい、ちょっともう一回(回しているものが)帰ってきた時に一回聴かしていただけますか。はい。
そんなにこうはっきりと目立つ…これが目立つっていうのは確かなかったような気がしますけど。
・会長 伽羅ですからね。常温でも少しは香り出ますかね。
・連衆 前回9月にも寄せていただいたんですけど、その時にあの持たせていただいた、香木の塊より、体積当たりの重さが重い気がするんですけど、気のせいですか?伽羅と思ってるから重く感じるのかしら?
・会長 ああ!えっとコースはなんでしたっけ?9月なんでしたっけ?伽羅じゃないやつ…あ分かりました。えっとですね。佐曽羅ですか?
はい、あの、その木所によって違うと思いますけれど、基本的にはあの持ち重りがするものっていうのはやっぱりあるんですね。
それは、細胞組織の樹脂の詰まり方、密度が濃いということと、それから、もしかしたら、沈香より伽羅の方が樹脂分自体の重さというのが多少あるかもしれないですね。
やってみたらいいんですけど、これ多分、水には浮かないと思いますね。
水に放り込んだら、ことんと沈むぐらいの比重の大きさがあると思います。
・連衆 立方あたり重いやろなと…(笑)
・会長 良い伽羅っていうかな…水に浮かなければ即ち品質が良いと言い切れないんですけれど、逆に比重が大きい場所っていうのは、その香木の中で良い場所だということは間違いなく言えますね。
でもこれだけ白いところが真ん中に入ってますけれども、それ以外の場所が非常に緻密に樹脂化しているので、多分、比重は大きいですね。
伽羅の会は初めてですか?
・連衆 はい
・会長 これからいくつか出てきますけど、ほぼみんなずっしりしてると思います。はい。
最後の方の「月の影」とか縮油ってやつですけど、これなんか本当にもうものすごく重いですね。小ちゃくなっちゃってますけど、すごく重いですね。
・連衆 あの、これ「鉄」とか「黒」とか「紫」とか色がついて色分けしてるんですけど、これによって色のこのランクとかレベルみたいな感じあるんですか?
・会長 んーあのえっとですね…
・連衆 まあ言ってみれば金額も違ったみたいな(笑)
30:20
・会長 はい。あの無いんですけど、日本では。
・連衆 日本では無い(笑)
・会長 だけど、中国で圧倒的に好まれるのが緑なんですね。緑油ですね。彼等は圧倒的に緑油を好みます。まあ、好き好きなんですけど。
・連衆 (笑)
・会長 なぜかというと、加工をした時に結果が良いというか…
いかにも伽羅っていう香りがふわーっと立ってくるのが緑油なんですよね。柔らかいですし、いかにもその、中国の人はみんながみんな伽羅だったら緑がいいんだっていうふうに信じ込んでますから。だから評価も高いんです。
彼らは加工して仏さま彫ったりとか、ペンダントヘッド作ったりとか、それからブレスレットの珠作ったりとかする為に香木を買いますから。ですから、加工の結果が良いものが好まれるわけですね。
だから、そんなふうにしか使いようが無いというか、使い方を知らないような人たちに上等な伽羅を買って欲しくないんですけど、はい。
・連衆 まあ、悔しいですよね
・連衆 もったいないけど、もったいない…
・会長 彼らは我々が昔、輸入して、それこそ何tも輸入してきてお線香屋さんとか、お仏壇屋さんとか、お寺さんとかに販売した(伽羅をはじめとする最上質の沈香たち)それらのまだ残っているのを探しに、日本にやって来てるんですね。もう10年以上前からそういうことがあって、今はちょっと下火になってきてはいますけれども。
でも、これまでの10年ぐらいの間にものすごい量、彼らは買い戻すというか、買って帰りました。中国人に売りたくないというふうなことを思っていたとしても、今、仮に1キロ伽羅を持ってるとして使い道が無かったりするのに、札束をどーんと持って来られたら手放しますよね。
私どもに売ってくれたらいいんですけど。(笑)
・連衆 (笑)
・連衆 ちなみに色は、あと何色ぐらいあるんですか?鉄とか黒とか紫とか、緑、黄色、縮油…他にも色が…
・会長 私が存じ上げるのはあと「白皮緑油」っていうのが…はくひ、「白い皮」で「緑油」。っていうのが存在するらしいんですけど、私は実物を確認したことがないです。
昔、中国の海南島で採れたというようなことを言う中国人もいますが、実物見せてみろって言ったら「それはもうない」。(笑)
写真だけ見たことがあって確かに本当に白っぽいんですよ。白っぽいんだけど、すっと刀入れると中は黒い。
放っておくと、またそこが白くなる。切った所が白くなる。…って言うんですけど、あの、見たこと無いから、それは分かんないです。そういうふうなものがあることは聞いてはいますね。見たことは無いですが。
要は、見かけの色での色分けですから、いい加減といえばいい加減です。
ただ、確かにその、なるほど…と思える特徴の違いっていうのは、ここに取り上げたものに関しては感じられるかなというところですね。
・連衆 白皮と、緑油? 白皮緑油? 一つで…?
・会長 「白皮緑油」一つなんです。四文字熟語みたいなものですね。
「白皮緑油」と言うのは、すごく品質が良いと言うふうには聞きますけど。なんせ実物を見たことないので、なんとも言えませんが。
・連衆 伽羅とか色々そういう分類ができたのはいつ頃の時代なんでしょうか?
・会長 はい。えっとこの伽羅の色わけですか?
35:48
・連衆 伽羅とか真南蛮とかの方はまあ国ごとだからでも昔々は多分、沈香ひとくくりだったのかな?とか。
・会長 国ごと…はい、はい、はい。私はその六国っていう概念に関してですけれども、あの最初から産地が六つあったと…国が六つあったっていうのは、違うんじゃないかなと思っています。
六国の分類が定められたっていうのは歴史…それもはっきりしませんが、志野流サイドの資料からいえば、志野宗信が、足利義政に香木の整理を命じられて、それで義政所持の香木を聞きに聞きまくって、その結果、香木の種類っていうのは六種類だと。それで香りの性質というのは五つで表現されるっていうようなことを究めたと。というふうに書かれているようですが、ただ、他の資料によると最初は佐曽羅とか寸門陀羅とかは分類になかったっていう説もあるようですし、はっきりしないですよね。そこら辺はよく分からないですね。
例えば、今、五味の会をさせていただいていますが、その五味というのはいわゆる「古五味」。
あの、米川常白っていう昔の方が五味を表している…例えば甘いなら「甘い」辛いなら「辛い」…それら五味の代表的な香木(手鑑香)を十種類定めたというのがあって(古五味名香)…
で、その時に定めた十種類っていうのがたまたま私の手元にありますので、それを少しずつ削って皆さんにお聞きいただいて、米川常白が定めたところの、その甘いって、こういう立ち方の事です…とかですね、(聞香会という形で)させていただいていますが。
そのように六国に関しても、伽羅はこれが代表的なもの。羅国はこれが代表的なものとかっていう手鑑、手本木が志野流等の御家元のところにはお有りで、御伝授の時、それを炷いて聞かせて下さったりとかするようですけれども。
(五味に関しても)あくまでも十人十色である匂いの感覚を、(御家元・御宗家の)一定の基準に当てはめようとすることなので、そんなに完璧にはいかないですし、誰が聞いても、なるほど…と同じように感じるっていうことはたぶんほぼないと思うんですね。
ですから、絶対的な、誰が聞いてもまあそうだと、みんながそう思えるような基準みたいなものは、これは存在しないと思うんですね。
39:21
・会長 忘れてました。(戻ってきた「波路の舟」を聞く)
苦味も辛味も甘みもあるんですけど、私がこれ、伏見院のほのぼのとした歌から仮銘を取らせていただいたのですが、やっぱりその…ほのぼのとしてるんですよね、立ち方が。
だからこう、主張してくるような味がそんなに感じられなくて。
逆に言うと、バランスが良いというふうに言えるかもしれないですが。
…でも辛味は感じますね、かなり。はい。
で、あの火末に向かってはだいたいどの香木も甘味が増しますよね。
途中で、もしかしたらちょっとぐらいはしおはゆい(鹹)があったかもしれないなと。
・連衆 (小声)温度…温度…
・連衆 (笑)
・会長 失礼しました。いま、聞き入ってしまったんで。
( 「波路の舟」香炉 戻り)
・会長 あ、124℃ですね。
案外、苦味があまりないですね。もうちょっとあってもいいんだけど。
43:06
・会長 次に「いづる日」という…最初もうちょっとあったんですけどね。だいぶ無くなってきました。
・会長 「いずる日」です。
(「いずる日 :黒油伽羅」原木を回す)
・連衆 なんか音が「カンッ」っと…
・会長 これ、わりと硬いタイプですね、はい。
黒油伽羅って、柔らかいのとカチンとしているのと、まあ、大きく分けて、二種類あるかと思います。
柔らかいタイプの黒油ってひたすら甘かったりすることが多いですね。
方やこのわりとカチッとしたタイプの黒油っていうのは、なんて言いますか、いい加減な表現ですけど、お品がいいような立ち方をする。私なんかはそう感じます。
45:23
・連衆 柔らかいものがどんな感じでしたっけ?甘い?
・会長 甘い…のが多いです。
・連衆 固いのが?
・会長 …は、品がある。すごい、いい加減な言い方ですけど…。(笑)
・会長「いずる日」です。109℃
(「いづる日 :黒油伽羅」香炉を回す)
48:09
・連衆 品がある感じでした。
・会長 よかった。(笑)
50:00
・連衆 昔は戦国武将とか香木とか名香をお持ちだったと思うんですけど、お城は戦いで焼くではないですが、この時にまぁ、茶道具とかはもうその後を探して持ってたりとかしてましたけど、香木はそこで焼けてしまった可能性も?あるのか、それともなんかこう宝箱みたいなのに入れて、保存されて大丈夫だったのか…
・会長 はい。どこにどう保管されたかですね。
・連衆 保管法が…
・会長 …わかっていないですね。少なくとも私は存知上げないですね。
多分相当大事にされてたと思いますけれど…。
・連衆 誰々がやっぱり持っててみたいな。由来のある物もあったりするから…
・会長 はい、そうですね。ええとですね、宇和島の伊達家で、その実例が分かっていますけど…いろんな香木を持ってますけど、大きな塊は大きな木箱に入れてあって、普段はどこかに仕舞ってある。
で、炷いてもいいよっていうやつが別に箱に入って小出しにされている。
そういうふうな実例はありますね。だから、大元のでっかいやつっていうのはどっか、安全なところに。ま、蔵かなんか知りませんけど、保管されていたんだと思います。それはもう歴代、手をつけるなって言う分なんですよ。手をつけていいものは別の箱に入っている。
52:05
・連衆 厳重なんですね。
・会長 はい。相当、やっばり香木は大事にされていたと思います。
・連衆 やっぱり戦利品として持ってた可能性は高い?
・会長 まぁ、それもあるかもしれないですね。
・連衆 はぁ…そうですか…
・連衆 この間、大阪夏の陣か何かでこう、あの焼けた後のお城から茶道具の名品があるはずだっていうので、探してこいみたいな記事をちょっと読んで香木はどうなんだろうなってちょっと不思議に思ったのがあって。
・会長 もうちょっと香木の存在がメジャーになってたら、そういう時に茶道具もそうやし、香木もってことになってたかもしれないですよね。
家康なんかも相当一生懸命、香木を探してたみたいですから。
まぁ、そんなにぞんざいな扱いは、少なくともされてはいなかっただろうと思いますね。
53:24
・連衆 会長さん、この間、家康はわりと漢方薬としての香木を持っていたみたいな探してたみたいな…
・会長 そのようですね。なんか家康って健康オタクだったみたいですよ。だから体にいいことは何でも追求してて…だから、香木も漢方薬として、非常にいい物を欲しがった。自ら産地の国王に手紙書いてますよね。督促の手紙を…
・連衆 督促?! (笑)
・会長 本当、頂戴、頂戴って二、三回書いたみたいですよ。
・連衆 漢方薬になるのは、その油がいっぱいある香木なのか、それともどう、どういうのがいい?香りが良いのと漢方薬としてと…
・会長 そこらへんはちょっとよく分からないんですね。科学的な根拠が今研究されているようですけど中国で。よくわかっていないですね。
それに関しては、韓国の人も心臓の薬として非常に珍重します。
前にお話したかもしれませんけど、とにかく良い伽羅を欲しがる韓国の方が来られて。私はあんまり、外国の人に良い香木を売ったりしないんですけど、その人は、わざわざ日本にやってきて、汐留のコンラッド東京に…あそこが好きで。
・連衆 (笑)
・会長 なぜ好きかっていうと、そこの中華が薬膳なんですよ。
そこがいいからと言って泊まって、それでうちに来て、いい伽羅を売ってくれと。
だから来られると、まあちょっとずつはお分けしたりはしますけど。なぜ欲しがるかと言うと、自分の心臓は半分壊死してるのだと。
いや、本当かどうか知らないですよ。(笑)
半分壊死してると。だけど、その自分が今生きてられるのは、良い伽羅の香りのおかげだと。だから良い伽羅を売ってくれと。
そういう攻め方をされて。(笑)
56:04
・連衆 (笑)
・連衆 じゃ助けてあげないといけないですよね…
・連衆 韓国の方は、このように聞くんですか? 日本と同じように。
・会長 しっかり聞香されますね。
・連衆 あ、そうですか…
・会長 ただ薬として焚いてしまったら何かもうおしまいですよね。
まあ、時々そうやって言ってくるんです。無くなってきたから、また売ってくれと。だから、消費はされているんでしょうけど、どういう形で使われているのか、真相は詳しく存じ上げないですね。
・連衆 なんか伽羅の黒焼きとかしてないですよね。(笑)
・会長 中国の人は酒に漬けますよね?
・連衆 あ、お酒に?香木を?
・会長 白酒(バイチュウ)て言うんですが「しろさけ」と書くやつ。アルコール度数が50%ぐらいですかね。それに漬け込んで、その酒を健康のためにと言って飲む習慣があるらしいです。
・連衆 飲まれたことあります?
・会長 いやぁ…
・連衆 やっぱりリキュール自体がすごい強い…
・会長 アルコール度数がめちゃくちゃ高いようで。容れ物の瓶の写真だけ見せてもらったことがあるんですけど、飲んだことはないですね。
・連衆 香りとかするんでしょうかね…
・会長 相当すると思います。はい。
・連衆 そういうの飲んだり食べたりしたら伽羅の体臭になるんですよね。(笑)体全体が…
・会長 可能性ありますね。あの楊貴妃が漢方薬飲んでたというあれも、多分、麝香の香りが…(笑)
58:03
・連衆 中国人は、作品を作った後のカスとかはお線香にしてるんですか?
・会長 してます。私もそれ売ってくれって話をしたことがあったんです。事実今、何十gかはありますけど。それは彫刻の削り後じゃなくて、珠を取った残りです。品質は良いとは言えないですけどね。
中国でも、そういう二次利用の需要はあるようです。だから、あんまりその大量に安く売ってくれないんですよ。
59:35
・連衆 なんか向こうでも変な香道のyoutube上がってますよね。
・会長 最近は知らないんですけど、10年ほど前に北京の大金持ちがやっぱり香木欲しいからとか言って、ちょこちょこ顔を出していたことがあったんですね。で、お香の店を出すから見にきてくれって言われて招待してくれたから、見に行ったんですよ。
彼らは一切お金払わせなくて全部招待、奢りになるわけですけどね。
顎足(アゴアシ)付きで。
で、様子見に行ったんですけど、「中国香道」みたいなことをやっぱり言っていて、ビル一棟を丸ごとなんかこう宝石屋があったり、すごい時計屋さんがあったりっていう、そういうブランドショップばっかりが入ってるビルを建てて、その一室に、お香屋さんを作ってました。
入口の上になんかこうモニターがあって、そこでお手前やってるんですよ。それが、阿古陀香炉に灰が入ってて、そこに炭を埋めて灰押しでかき上げてましたね。
・連衆 (笑)
・会長 えー!と思って見てましたけども。
・連衆 私、なんかどこかで変だと思うのを観たんです。どこの流派かなと思ったらどうも日本人じゃないような気がすると思って。
・会長 十数年前から向こうの人がよく日本にやってきて、それで我われの体験香席、香道体験に参加して、一生懸命熱心に見てましたけど、そういうところから見よう見まねで始めたんでしょうね。
「元々中国にも香道がありました」とか言われると、おそらく大昔はなんかそんなふうなことがあったのかもしれないですけど、わかんないですけど。でも文化大革命以降、そんな昔の中国の文化というのは、全く引き継がれてないですから、はい。そんなもの嘘に決まってるわっていう感じですよね。
だから、広めるのは別に結構だから、ちゃんとした香道をね、例えば御家流の香道、志野流の香道とかそういう正統なものをきちんと伝えて広めてくれたら、それはそれで悪くないと思いますけどね。
そういう交流っていうのは、あっても悪くないんじゃないかと思いますが、はい。勝手にやっちゃいますね。
1:02:46
・連衆 中国の方はわりと勝手にやっちゃいますね。
・会長 うちに来た時に火道具、七つ道具を買って行ったりされたんですけど、しばらくして日本に来た時に全然悪びれることなく「うちでこんなの作ったよ」って、そっくりな火道具を見せてくれたりとか…
金具に18金を使って豪華にしたりとかして。
・連衆 (笑)
・連衆 オリジナルにしてるんですね。
・会長 なんか知りませんけど、あれは全然その悪びれないですよね。
当然のような顔して…大嫌いになりましたけどね。
・連衆 (笑)
・会長 118°ですね。(「いづるの日」香炉 戻り )
(再度聞く)んー、もうちょっと(温度を)上げてもよかったかもしれないな…
1:06:05
・会長 紫っぽいのと黒っぽいのって非常に物によっては見分けがつけ難いのがあるんですが、あえて並べて、次に「紫油伽羅」をお回しします。
(「にごらぬ波 :紫油伽羅」原木を回す)
・連衆 なんかキラキラしてる。
・連衆 樹脂分が表面に出てるのかな…
・会長 はい。中から樹脂分に染み出してますよね?
・連衆 なんか水で濡れたみたいな感じ…
・連衆 味見したくなる。(笑)
・連衆 (笑)
・会長 どういうタイミングでその樹脂分がぽちぽちと出てきたのか?よくわかりませんけど、いつ頃のことなのか?
・連衆 光があたるとよくわかります。
・会長 截香して…細かく切ってる時もやっぱりそういうのが現れますね。中に。
ひび割れた部分があって、そこが特にそういう様相を呈しますよね。ぽちぽちっと。
・連衆 なんか伽羅のソフトクリーム食べて見たいですね。
・連衆 (笑)
・連衆 伽羅の香りの。心臓が良くなる。(笑)
・会長 心臓に良いとは言いますよね。
・連衆 ちょっとぐらいなら粉を入れても大丈夫かな。(笑)
・会長 本当にさっきの韓国の人もね伽羅のおかげで本当に心臓がそれで持ってるのかってよく分かりませんけど。ただ漢方薬としても、その認識が昔からあるようですよね。
・連衆 やっぱり信じることが一番の薬なんでしょうかね?
・会長 んーなんでしょうかね。
最近でも、インターネット。オンラインストアで大量に買おうとされるから困るんですよね。そんなにいっぱい売れませんって言って。
・連衆 ああ、そんなにいっぱい買おうとする方がいるんですね。
・会長 そう、韓国の人とか。
・連衆 あ、韓国の方!
1:10:16
・連衆 香木を飲むと思うと、粉っぽくて…
・連衆 やっぱ、ソフトクリームですよね。
・連衆 特になんか白檀とか凄い粉になっても木目が立ってる気がする。
・連衆 あー。
・連衆 白檀の端っこが砕けたのが袋の中。触ると痛そうだな…と思ってしまう。
・連衆 石臼で(笑)
・連衆 (笑)
・会長 「にごらぬ波」です。 112℃
(「にごらぬ波 :紫油伽羅」香炉を回す)
1:13:03
・連衆 ちょっと個性的な感じがしました。
・会長 見かけ黒っぽい伽羅と見分けがつかないくらい似てるんですけど、まぁ、焚いた感じ、ちょっと個性が違いますよね。
・連衆 全然違います。やっぱり、黒い方が上品でした。
・会長 (笑)そうでしたか、はい。なんとなく私はそんなイメージがあって。
・連衆 品があるっていうか、よくまとまってる。
・連衆 最初からカーン!!ってくる感じの。
1:14:41
・連衆 緑が一応、一番良いとされているっていうさっきおっしゃいましたね。まぁ、中国の方は…二番はなんですか?
・連衆 (笑)
・会長 なんでしょうね…彼らはとにかく、柔らかいのが好きなんですよ。
・連衆 柔らかいってことは、こうやって銀葉の上に乗せた時に樹脂がどわっと出るような感じのを?
・会長 そうです、そうです。はい。そうじゃないと伽羅と思わないぐらいなんですよ。例えば最初の「波路の舟」なんかだと、伽羅としての評価は相当低いです。
1:15:26
・会長 彼らにしてみたら、勝手に自分たちの基準で、伽羅と伽羅以外にも分けているんですね。
4、5年前から福建省で、そういう香木関係の人を集めて、それで伽羅の基準を決めるということをやったんです。
我々一切それ、関与してない。(笑)
・連衆 (笑)
・会長 確かに我々は中国経由で、ベトナムから買い入れることが多かったんですけれども、伽羅に関する、あるいは伽羅以外の香木に関する知識、というふうなものは歴史的にやはり、日本の昔の人たちからのいろんな見識・知見を受け継いで来てますから、我々なりの見方っていうか、考え方っていうのがあるんですけれども、そういうもののレベルと彼らが勝手に築き上げようとしている基準では、レベルが違うと思うんですね。
だから私がこれだって立派な伽羅だよっていうふうに言っても、彼らは、「いや、これは我々は伽羅と思わない」って言います。別にそれはそれで全然構わないんですけどね、彼らの勝手だからいいんですけど、だけど、そういう基準みたいなものを作りましたね。
大層な、もう忘れましたけど、なんか美術館みたいな香木博物館みたいなものを作ったりして…。それを作ろうとした段階で、なんか向こうからうち(香雅堂)にやって来て、なんちゃらかんちゃら言ってましたけど、あの、よくわからない。ま、勝手にやってます。(笑)
1:17:55
・連衆 (笑)
・連衆 香港にあった香木屋さんって、あの今でもあるんですか?
・会長 あるみたいですね。
だけどもう扱うような香木は無くなっているはずなので、今どうしてるか存知上げないですけど…
「どうせいぼうえき」という「同じ」っていう字に「生きる」、同生貿易っていう会社、それが、我々が一番最後まで付き合っていた会社ですね。
・連衆 中国で加工目的で、伽羅を用いてそれで飾り物とかアクセサリーしたら熱を加えないわけですよね。同じ常温で…香りとしてはこれくらい?
それで伽羅はそれでも良いというか、そういう取り扱いなんですか?
・会長 はい、そうです。値打ちがあるもので加工されているというのが大事なんです。
・連衆 それが大事なんですね。こういう香りだからというのではなくて緑油の伽羅という香木で作りました…ということが大事なんですね。
・会長 しかも水に入れたら沈む。そこが大事なんです。本当にもったいないですよ。
1:20:14
・連衆 表面に紫っていうのをつけるセンスはすごいなって。
・会長 なんとなく紫っぽくという感じですよね。まあ、我々が実際に炷いてみて、他の紫系統のと、あっやっぱりこっちだな、というふうにして、それで判断してしてるわけなんですけども。
・会長 次に、緑油ですね。すごくレアの。(笑)
・連衆 お待ちかねの…(笑)
(「月待つ空 :緑油伽羅」原木を回す)
・会長 どこが緑なんやって感じだと思いますが。かなりガツンとくる緑油です。
緑油の一つの特徴として、喉に絡みつくような、ぐっとくる立ち方。そういう点では伽羅らしい伽羅と言えるかもしれないんですが。
・会長 この断面の感じが、結構それって緑油っぽい感じなんですよ。
・連衆 カメラのフィルターを通すと、緑っぽいのがよりわかります。
・会長 あっ、そうですか、へぇ~。
・会長 どの伽羅も、(樹脂分を豊富に含む上質のものは)みんな断面は黒いんですけど、その同じ黒さでもちょっと違う感じがありますよね、緑油の場合。
・連衆 不思議…
・連衆 こうして加工して、加工したものってそのまま袋には入れないから、どんどん香りが飛んでいってしまうって、中国の【聞き取れず】言ってたんですね。でも香木として使うわけじゃないから、香りが飛んでも関係ないというか…
・会長 まぁ、そうですよね。多分、彼らの価値観というと、ものすごく価値の高いものを加工して何かを作って、それを人にあげて喜ばれたらそれでおしまい。
・連衆 香りが飛んじゃった後の加工品は価値が下が…
・会長 いやもう、あのなんていうか…
・連衆 あげたから、終わりだからいい…
・会長 偉い人にプレゼントして、その時点で終わってますね。多分。
それからもらった人が自慢して…ってことはあるかもしれませんけど。
・連衆 まぁ、あと何百年後の事はどうでもいいっと言うか、
・会長 もう全然。はい。考慮されていないと思います。
・連衆 白檀の扇子なんかもそのまま管理状態悪いと結構香りが‥
・会長 そうですね。管理のやり方如何に関わらず。香りは出ていきますよね、これは。白檀の扇子、ちゃんとした白檀で作られた、日本でちゃんと加工された…日本の扇子職人さんが作った本当のいい白檀で作った扇子だと30年、40年経っても、軽くフワッフワッとブラシかけてあげたら、香りは出ます。そうそう劣化しない。
香りが無くなっちゃうのは、品質の良くない白檀で作った扇子。中国とか、そこらへんのものは使ってる白檀がよくないんですよ。インド産じゃなくて、インドネシアの白檀とか台湾の白檀とかで作りますから、もともとそんなに香りが良くないので、化学合成香料を塗りつける。
だから、きつい匂いが最初するんですけど、それも数年経ったら飛んでしまいますから、そしたらもう、カスみたいな感じになっちゃうんですね。
・連衆 先ほど、緑油の特徴で、ある意味伽羅らしい伽羅って会長さんおっしゃいましたけど、この今日の七つ聞かせていただける中で、その日本的な感じで伽羅らしい伽羅って言ったらどれなんでしょうか?
それは個人の好みになってくるんですか?
・会長 そうですね…難しいですね。
こういう伽羅が我々がいうところの伽羅らしい伽羅や…というふうなのが、定まっているわけではないと思います。
ただ、伽羅の持ち味っていうのが、どこにあるのかという……
(「にごらぬ波」香炉 戻り )
・会長 111℃ですね。変わってない。
・連衆 1℃下がった…
・会長 下がるのは珍しいですね。
・連衆 電力の問題?
1:29:31
・連衆 キャラの持ち味のお話を…今、すみません。(笑)
・会長 あ、はい、ちょっと前のこととかおぼえて無くて(笑)
・連衆 大丈夫です。(笑)
・会長 例えば真南蛮の持ち味が甘い。だとか、佐曽羅の持ち味が酸っぱい。とかっていうような、そういう認識はありますよね、昔から。そういう点で行くと、伽羅の持ち味は苦味なんですよ。
苦くない伽羅は伽羅らしくない。だから、そういう伽羅が、真那伽とか羅国とかに流用されがちなんですよ。
・連衆 あー。
・会長 はい。私なんか言わせれば、別に苦く無くても木が伽羅であれば伽羅は伽羅だというふうに考えるんですけど。そのようには考えないようなことも、けっこう昔からあったようで。
今日、後でお聞かせする『志ら雪』という伽羅は、これはなぜ選んだかというと、本来であれば伽羅らしくない伽羅だとして新伽羅とか羅國とか真那伽とかに入れられそうなものなのに、ちゃんと伽羅になってたんですね。江戸時代から。そういう例もあるっていうことで、あえて選ばせていただいた。
本来であれば、こういうのは伽羅とは認められなかったんとちゃうやろか…って、いうそういう感じの伽羅なんですね。それがたまたま手元にあるんで、炷かしていただこうと。
その点、この「月待つ空」というのは、苦味しっかりありますし、それから、まぁそれとバランスを取って甘みも持ってると、というふうな大向こう受けする伽羅ですね、はい。
・連衆 クッキーだったら美味しそうじゃないですか? 伽羅のクッキーとか(笑)どうやって食べたら美味しいかなと思って考えてたらクッキーに混ぜ込んだらすっごく良い香りがしそうで(笑)
・連衆 やっぱり、ふりかけが一番でしょ(笑)
・連衆 白いご飯に、日本的な(笑)
・会長 贅沢な(笑)
ーーーーーー
(おかえりの新幹線の時間がある旨、お申し出があり)
・連衆 先生、それはそれなんですけど、私ちょっと新幹線の時間があって最後まで聞けるのかしらと…
・会長 そうですね、最後まで行かないといけないですね。
・連衆 クッキーもいいんですけど(笑)
ーーーーーー
・会長 クッキーかふりかけか…(笑)言っておきますけど、伽羅を舐めると辛いです。ピリッとした刺激があります。
・連衆 えーーーっ!
・会長 102℃ ちょっと温度下げました。
(「月待つ空 :緑油伽羅」香炉を回す)
・連衆 柔らかいから下げたっていうことですか。
・会長 他のよりちょっと立ちやすいやろと。はい。
1:36:56
・連衆 すごい樹脂が
・連衆 1個前の「にごらぬ波」のここに来た時点で、なんか樹脂がちょっと見える感じに思えた。それよりも樹脂が多い。
・会長 美味しそうですか?(笑)
・連衆 多分、美味しいです。(笑)
・連衆 沈香のチャイとか…
・会長 そういえば、昔、「美味しそうな伽羅ください」とよく言われましたね。(笑) 思い出しました。
・連衆 えーーっ!(笑)
・連衆 こんだけ香りがいいから食べて見たい人るんでしょうね。食べてみたいというか食べないけど。
・連衆 チョコレート伽羅風味のね。
・連衆 美味しそう
・連衆 ぜひ、出してください。
・連衆 バレンタインの時季が何かに…
・会長 うまいこと化学分析が進んで美味しそうなところだけ合成できたらいけるかもしれませんね。一回、高砂香料さんに言ってみようかな。
・会長 あの、次は黄油ですね、黄色いタイプ「風の梅が香」
(「風の梅が香 :黄油伽羅」原木を回す)
・会長 これはね。珍しいですね。黄色いタイプでしっかりした伽羅というのは。非常に…これの似たような例と言いますか、まあ、もちろんその逆にあちらさんの方が本家本元で凄いんですけど…宇和島の伊達家の『柴舟』、あれは、分類からいえば、明らかに黄油伽羅です。
私なんかの感覚で行くと、あとでこれ聞いていただければと思いますけど、黄油の伽羅というのは、辛味に特徴がある。辛い。『柴舟』というのは、見るからに辛そうな伽羅ということですね。
一木三銘もいろんなのがありますから、どれが正しいのか、分かりにくいんですけれども、少なくとも宇和島の伊達さんのところのは、真正な『柴舟』でしょうから。はい。それから行くと、『柴舟』は辛いですね。
1:44:23
・会長 「風の梅が香」 104℃ですね。(「風の梅が香 :黄油伽羅」香炉を回す)
・連衆 やっぱり辛い…。
・連衆 みんな違う。
・連衆 伽羅なのに全部違う…。伽羅なのにって言い方は変だけど。
・連衆 伽羅は分かりそうな感じがするんだけど…
・連衆 伽羅は伽羅ってグルーブの中だから伽羅やんと思ってたけど、すごいバリエーション
・連衆 また分からなくなってきた。
・会長 113℃ (「月の待つ空」香炉が戻り )
・連衆 なんか常温だと、これが、一番香りがするような気がします。(「風の梅が香」原木について)
・会長 はい。私もだから仮銘を付ける時はこの歌がピッタリあうと思って。「あまるばかりの風の梅が香」すごくよく…【聞き取れず】
それであの、「月の影」っていう次の伽羅ですが、縮油伽羅っていうのは、あまり聞いたことなくて、他の例、私は一つも知らないです。これしか知らないです。カチンカチンの伽羅です。
(「月の影 :縮油伽羅」原木を回す)
・会長 どうしてこういう風になっちゃったんだろうっていう、なんか地質学的に、なんかこう圧縮されたんじゃないか?みたいな。そういう硬さがあるんですよ。極めて珍しいです。これは他の例、私知らない。
・連衆 切り口がつるつるなのはもう、なんというか切り口のままなんですか?
・会長 はいそうです。私が鋸で挽いたあとですね。
・連衆 やっぱり硬いんですか?
・会長 固いです。沈香みたいな硬さとは違うんですけどね。
それで頭ポンッとされたら相当痛いような感じ。(笑)
・会長 『志ら雪』というのをちょっとお聞かせてする前に、さっき申し上げたその伽羅の分類のことに関してなんですけれど。これ、賢章院。ええと島津斉彬のお母さん、ですか。あの賢章院がお持ちだった香木の中に、新渡という香包みがあります。それから、新伽羅という香包みもあります。当時は伽羅以外に、新伽羅という分類が一応存在していた、ということ。それから、新渡という言い方もされていたと。新渡というのが、何が「新」なのかと言うと、いつかの時代より後に入ってきた伽羅だという意味ですよね。多分。
それがいつの時点かっていうことはちょっとはっきりわかってないんですけど、こういう例があったという包みだけなんで、中身はちょっとしか残ってないので炷けないんですけど、一応そういう例だけ、ご覧に入れます。
そこにたくさん入ってたら。どんなものかわかるんですが、恐らく新渡も新伽羅も両方とも伽羅だったと思います。本当に僅かしかなくて分かんないんですけど。
(『志ら雪』香包み 回す)
1:57:31
・連衆 すみません。これ「かぜ」って読むんですか? (新伽羅香包みの書)
・会長 「かぜ」だと思います。読み方知らないんですけど、『仙風』でしょうか。
・会長 あ、賢章院のなんか書いたのあったな…(賢章院の参考資料回覧)
(「風の梅が香」香炉 戻り)
・会長 この「風の梅が香」は香りが【聞き取れず】。112℃。
・会長 「月の影」です。107℃。(「月の影 :縮油伽羅」香炉を回す)
・連衆 「月の影」香りが爆発してます。
・連衆 (笑)
(『志ら雪』原木を回す)
・会長 で『志ら雪』ですが、蓋裏に貼ってある紙、これは箱は元々の箱じゃなかったと思いますけど、中に貼ってあるのは、これ当時安永四年四月九日っていうふうになってます。
1600…5、60年頃だと思います(正しくは1775年)けど、伽羅が二種っていうふうにあって、これ一種しか残ってないんですけれども、こちらの紙にはこれを、文政5年に量目を改めたと言うふうに出てますね。
これがその『志ら雪』という香木です。
これ最後にお焚きします。
賢章院があのご存命だった頃よりもだいぶ後の時代だと思いますけども。違うかこれ、前ですよね。
すみません、安永四年っていうのは1775年です。1775年だから、まあほぼ、賢章院と同じ時代だったんですね。その頃にあのえっと一応。私なんかが聞くと、そんなに伽羅らしくないなって思うようなタイプですけれども、伽羅として記録されていますね。それをちょっとお炷きします。
・会長『志ら雪』です。103℃ (「志ら雪」香炉を回す)
・会長 面白いでしょ。
・連衆 はい、面白い。伽羅じゃない見たい。
・連衆 なんか漢方っぽい匂い、伽羅というより…
・連衆 漢方薬の店先の匂い。(笑)
・連衆 家康は漢方薬っぽい香りが…こういうのが好みだったのかと
・会長 相当、上物を探し回っていたみたいですね。いいもの送ってくれって。
・連衆 お香の関係は徳川美術館とか多いって、あの聞いたことがことがあるんで、やっぱり相当な…
・会長 多いですね、徳川さんは。確か二千点くらいだっけな。相当多いですよ。
・連衆 お香関係が多いのは、徳川と大倉集古館も多いって何かに書いてあったんですけど、いかがですか?
・会長 一度炷かしてもらったこともありましたげど、集古舘の。徳川さんに比べると(収蔵数は)雲泥の差です。
・連衆 やっぱり…大御所は…
・会長 徳川さん、やはり規模が違いますよね。
・連衆 行ってみます。
・会長 (大倉)集古舘は確かに、大倉さんのおばあさんが、お香をやっておられて、山本霞月さんからの香木がかなり入ってます。
六十一種、確か全部揃ってたと思いますけど…結構いいものがありましたね。その中で切っても良さそうなものをいくつかピックアップして。
あの当時、非常に香木好きの学芸員さんがおられて…館長の姪御さんが学芸員におられたことがあって、その時にね、あの…唆して(笑)、名香を聞く会を実現させていただいた。
集古舘というと、桂雪会の熊坂さん達、あそこのお道具で、お稽古されたり、教えておられたりしたらしいですよ。
(注:桂雪会の桂はホテルオークラ創業者夫人 大倉華桂さんから採られたものです)
2:10:20
・連衆 あ、そうですか。熊坂久美子先生…
・会長 はい、くーちゃんですね(笑)。
集古舘の香木炷くのにやっぱり熊坂さんは外せませんから、お願いをして炷いてもらった。あの時に参加した人はかなりいい思いされたと思います。
・連衆 いいなあ。
・連衆 桂雪会のはじめてのお香体験、香道みたいな読解シリーズに参加させていただいたことがあるんです。
・会長 はい。
・連衆 熊坂先生が、文学センスというか、文学的なセンスが素敵だなあと思って。
・会長 結構面白い方なんですけど。文学的な、いかにも御家流らしい方ですので、しかも(山本)霞月さんからの流れの香木をお持ちですから、普段の稽古でも名香を使われたり…昔、「今日は『藤袴』を炷いたから、炷空をあげるわ」…とか仰って…
・連衆『藤袴』っているのは、あの、あれですか?1本の香木があの、三つの銘に分かれたという。
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(時間で帰られた方)
・連衆 それではすみません、失礼いたします。ありがとうございました。
・会長 すみませんでしたね、なんか。失礼いたします。
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・会長 あのえっと一部が献上されて後水尾帝ですか?そこで、あの『藤袴』と名付けられたというやつですよね。はい。多分、あちこちにいろんな『藤袴』があると思うんですけど。(笑)
・連衆 またあちこちに(笑)
・会長 そうですね。ある所の会で、お稽古初めて何十周年かの記念で『藤袴』を炷きたいから切ってねって言われて、切ったんですけど、切ってる時点で、あ、これは違うなと。(笑)
・連衆 でも口チャックですね。
・会長 そうです。そんな、ねぇ…
・連衆 すごい、大変…(笑)
・会長 オフレコですからね。(笑)
・連衆 これオフレコだから。カット(笑)
・連衆 記録はカット。(笑)
・会長 そんなこともありました。
・連衆 聴いては良くなかったですか?
・会長 ああ、全然…
2:13:29
・会長 今の『志ら雪』はその塊を見たら一応、伽羅だろうというふうに私なんかは判断しますが、当時の人たちだと伽羅とは認めないんじゃないかなっていうふうな感じの木ですよね。それが一応、伽羅と認められていたという証拠がありましたので、ちょっと面白いかなと思って今日、焚いてみたんですけど…
・連衆 見た目で認めるんですか? 香りで認める、認めない…
・会長 はい、おそらく見た目でとか言ってるのは我々の時代の話で、当時はやはり香りだったと思います。
・連衆 今日、こうやって七つ聞かせて頂いて、五番目の「風の梅が香」【聞き取れず】からの辛味が特殊な。それと、今この最後の『志ら雪』、両方とも伽羅ですよって言われずに聞かされると、えっ? なんだろ? っていうか、他の五つに関しては、あ、伽羅ってこんな感じだよねぇっていう。なんとなく甘くてほわっとした感じがあるんですけど…でも伽羅なんですよね?やはり見た目で決まったものなんですか?
・会長 いや、あの私なんかが思うに、見た目からも、それから香りの内容からも伽羅。
ですから、皆さんおひとりおひとりが、その中に持っておられる、基準というものに当てはまらない場合もあるし、当てはまる場合もあるかなっていうふうに感じますね。
・連衆 まぁ確かに。じゃあ何も聴かされずに、聞いてみて、じゃあこれは六国の中のどれだっ?言われた時に、なかなか当てはまらないような気もするんですね。伽羅以外だったら…。なーんて生意気なこと言っちゃったりして(笑)伽羅ってわかっているから言ってる…(笑)
・会長、連衆 (笑)
・会長 確かにそうですよね。誰が聞いても分かりやすいようなもの。色で言えばブルーとかね。そういうふうな形で書いてあればいいんですけどね。なかなかそういうわけにはいかないので、香りは難しいと思いますね。
一つにはその、いろいろ聞いてこられた物のなかからの経験値みたいな、そういう風なことも絡んでくると思いますし。それから記憶に残りにくいので、残っていたりとか、その逆だったりとか、そういうなんかまたね。非常に難しいですね。はい。
なかなか正解らしい正解っていうのが、あのうはっきりしていないように思える。そういう世界ですよね、はい。あんまり、はっきりと割り切れない、割り切ってできないところがまた。楽しいのかもしれないと思いますし、はい。
逆にあの、こういうものが、例えばその伽羅っぽいようにも思えるけど、でも真那伽にされてるっていう例とかもありますし、やっぱり伽羅とされてるけど、やっぱ伽羅らしくないっていうような他の例も、古い香木であったりしますから、またそれをなんかの機会を捉えて、焚かせていただいたら面白いなぁと思ってます。
来年特に、なんかね、あの、香雅堂40周年らしいですね。あのここが出来てから、それで。社長があのなんか、ちょっとこれまでに無いような事とか…古い香木とか、あるいはもう一回、販売はしてたけど。もう今売り止めになっちゃってるストップになってるような香木の分木を再開したりとか、そんな風なことをやってみようかっていうふうなことを…
(戻ってきた香炉の温度確認のキラキラ団扇が上がる)
・会長 これでしたっけ?今、団扇が上がって( 笑)
(「月の影」香炉 戻り)
・会長 これ「月の影」ですよね? 115℃ です。 これ、まだよく立ってますね。うん。
(「月の影」2回目回す )
・連衆 最初、香り爆発という感じだったので…
・連衆 変わりました。
・会長 昔の伽羅でこんな風な伽羅って結構あります。はい。
・連衆 飲み物なんかだとコカコーラとか置いといたら「炭酸抜けちゃった」みたいなのがあるんですけど、香木とかって置いといたら「辛味抜けた」見たいなのってあります?
香りが途中で変わっちゃってる見たいな。甘くて…辛くて…酸っぱくて…「あれ?もう酸っぱくなくなったね」…みたいな
・会長 塊を置いとくうちに?
・連衆 そうです。
・会長 あぁ、多少ですね、木がどんどん蒸発というか立って行って立ち方がちょっと大人しくなるとか、そんなふうことはあるかもしれないですね。
だけど味が…なんていうんですか、匂いの筋があの変わってしまうっていうふうな、そこまではないんじゃないかと思いますけど。
どんどん表面から立ってきますから。中のほうは昔のままでも外の方からどんどん立っていくので、外の方を削って焚く時に立ち始めが遅くなったりとか、出始めちょっと「ん?!」というそういうことはよくありますよね。
・会長 あの、これなぜ『志ら雪』っていう名がついたのか?ちょっと想像ですけれども、あの一つ。申し上げられるとすれば、銀葉に乗せてから、ほんの僅かな間だけ伽羅らしいんですよ。これも最初から無理だと思ってたんで、そんなに慌てて出しませんでしたけど、加熱し始めて何秒ぐらいか…が、伽羅らしいんです。
・連衆 戻ってきた時の香りは、先生からすると、じゃ伽羅からちょっと離れた感じの香りですか?
・会長 あの、えっとね。途中どうなって、最後どうなって までは実はそんなに聞いてないので。はい。
(再度『志ら雪』聞きながら) んー、伽羅らしく無いですよね。伽羅っぽく感じられました?
・連衆 どちらかと言ったら六国の和歌の何に近いような感じの香りですか? って変な言い方ですが、これもまた…(笑)
・会長 他の木所の特徴を持ってるかというとそうでも無いですね。不思議な木ですね。あ、でも時折なんか甘さ出しますよね。甘い感じの…
・連衆 最初来た時は、えっこれは一体…なんて表現しようかというぐらい…
なんか「えっ?!」て感じだったんだけど、戻ってきた時には【聞き取れず】
(『志ら雪』香炉 戻り)
・会長 今また甘さがでてますね。これ多分、伽羅に入れないんだったら真那伽なんでしょうね。
114℃。
・会長 んー…んー… (『志ら雪』再度、聞きながら 悩まれる)
・連衆 (小笑)
・会長 よくこれが、伽羅として認められていたなっていうのは不思議ですよね。
・連衆 紫の油の読み方は「しゆ」?「むらさきゆ」?
・会長 「しゆ」ですね。
・連衆 「し→ゆ↑」?
・会長 「しゆ→」
まぁ、そんなにはっきりとした決まり切ったことでは無いので、いい加減だと思いますけど。
・連衆 と、「こくゆ(黒油)」?「てつゆ(鉄油)」?
・会長 と、「おうゆ(黄油)」「しゅくゆ(縮油)」
この縮油というのは、私はこの「月の影」以外は知らないですけどね。
2:28:16
・連衆 一度目、二度目、三度目と違いますよね。(三度目「月の影」を聞いて)
・連衆 そうですね。
・連衆 不思議な木ですね。
・連衆 何度も楽しめる…
・連衆 会長さんは、ご自身でも和歌を詠まれるんですか?
・会長 とんでもないです。(笑) 滅相もないです。(笑)
・連衆 (笑)
・連衆 こんなに知ってらっしゃるなら、詠まれるんじゃないかなと?
・会長 歌集から探してるだけですから。
・連衆 そうですか。でもやっぱりこの意味がわからないと。だからご自分でも詠まれるのかなと。
・会長 いやいやいや、なるべく自分のイメージと、なんか近しい和歌を一生懸命探しはしますが、はい。詠むのは川柳すら。(笑)
・連衆 川柳すら。(笑)
・会長 (笑)
・連衆 なんかちょっと変化してませんか?
・連衆 なんか、華やかさが出てませんか?
・会長 「月の影」って本当にこう圧縮されたみたいな木なんで、多分、匂いのその元みたいなものもいっぱい詰まってるんじゃないかって気がしますよね。火加減がよくわかってると長時間にわたって香り出し続けるような、そんな気がします
ん、全然まだ立ってます。はい。
・会長 ん、もうちょっといけけそうですね。
・連衆 はい
・会長 また、例によって30分オーバーしてしまっておりますが、はい。(笑) お時間ある方は、もうちょっと聞いて頂いて。
・連衆 (しばし、3回めの香炉を聞きながら雑談※表現について)
・連衆 【聞き取れず】
・連衆 私の場合は一回めは“香りの爆発”で、二回目は“爆発が小休止”して爽やかに落ち着いて、三回目で“華やかさ”が出てそのあとで“華やかさ”の中の落ち着きという感じ
・連衆 すごい物語がある
・連衆 【聞き取れず】
・会長 ん…やっぱり難しいですけど、よく立たない伽羅。
・連衆 (笑)
・会長 強いて言えば。(笑)
・連衆 よく立たない伽羅…(笑)
・会長 110°あるんですけど、ちょっと何回目だかわからないんですけど…
・会長 やはり甘い感じが他の木所とは違うんですよね。だから、さっき、ちょっと真那伽とか言いましたけども、やはり伽羅は伽羅ですよね。そう思いますね。はい。
・会長 時間が経ってしまいました。すみません。今日も色々楽しませていただいて、ありがとうござました。
・連衆 ありがとうございました。
・会長 12月は、(五味の会)が14日ですね。
また、そのときにお目にかかれたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。今年はそれで最後ですね。
・会長 来年は、ちょっと古い香木も焚いてみようかなとか社長が言ってますので、なるべく早めにご案内するよう心がけておきます。
・連衆 楽しみにしてます。
・会長 ありがとうございます。