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深読み 村上春樹 スプートニクの恋人

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『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第9話「魔女の乳首と、冷えたキュウリ」

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第9話「魔女の乳首と、冷えたキュウリ」

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フランス、ブルゴーニュ

あなた、名前は?

私… 花笠…

花笠クリスティといいます…

あたしは佳世実。坂本佳世実。どうぞよろしく。

こちらこそ… 佳世実さん…

だけど凄いわね、あなた。スペイン語がペラペラで。

私、アメリカで10年働いていたんです。

スペイン語は第二公用語みたいなものだったから…

そう…

ところで、まだ約束の時間まで5時間もあるけど、どうしようか

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『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第8話「君が、嘘を、ついた〈後篇〉」

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第8話「君が、嘘を、ついた〈後篇〉」

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スナックふかよみ にて

なぜ村上春樹は「白樺派」なんて言葉を出したのかしら?

それとギリシャの島と何の関係が?

そのヒントは、白樺派を象徴する「この絵」の中にある。

同人誌「白樺」の表紙の絵の中に…

あっ!この表紙の絵、知ってる!教科書で見た記憶があるわ!

でもこの絵の中にギリシャの島の名前が隠されてるってホント?

of course。

では、その秘密を解き明かして

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『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第4話「千歳の岩」

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第4話「千歳の岩」

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スナックふかよみ にて

ご清聴ありがとうございました。

・・・・・

では『スプートニクの恋人』チャプター1の続きを見ていこう。

第二段落では、作家志望だった「すみれ」の苦悩について語られる…

 すみれはそのころ職業的作家になるために文字通り悪戦苦闘していた。この世界に人生の選択肢がどれだけ数多く存在しようとも、小説家になる以外に自分の進むべき道はない。その決意は千歳の岩の

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『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第3話「ミュウとDB」

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第3話「ミュウとDB」

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スナックふかよみ にて

『海獣の子供』や『COMIN THRO' THE RYE』を思い出すといい…

「23」にまつわる物語があったはず…

染色体!?

カランカラン♫
(ドアの開く音)

ちーっす。

あ…

イソグロ…

カヅオさん!

いきなりで何だけど1曲歌わせてもらうよ。

堺正章の『二十三夜』、聴いてね。

・・・・・

カヅオさん、なぜギター持ちながら入って来

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『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第1話「ライか?」

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第1話「ライか?」

プロローグ(序章)はこちら

スナックふかよみ にて

そう。何だったっけ…

ああ!思い出した!

何?

「スプトニック」って「スプートニク」と似てるって話!

ブブーーーッ!

大丈夫?

ごめんね。くだらな過ぎた?

い、いえ…

ちょっと気管に入っただけです…

・・・・・

ルンルンルルルルルンルン♪

ウィーウィッシュアメリクリスマス♫
エナハッピーニューイー♫

深代の愛がた~っぷ

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『深読み 村上春樹スプートニクの恋人』プロローグ前篇

『深読み 村上春樹スプートニクの恋人』プロローグ前篇

ここまでの流れ

渋谷の街角にある某カフェにて

そうか……そうだったのか……

何が「そう」なの?

『キャッチャー・イン・ザ・ライ』だよ。

は? 『ライ麦畑でつかまえて』のこと?

そう。J・D・サリンジャーの『THE CATCHER IN THE RYE』。

今、大変なことに気付いてしまった…

大変なこと? 何?

『ライ麦畑でつかまえて』の主人公「Holden Caulfield(ホ

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