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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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2021年2月の記事一覧

だまされる脳 (日本バーチャルリアリティ学会)

だまされる脳 (日本バーチャルリアリティ学会)

 バーチャルリアリティ(VR:Virtual Reality)をテーマにした「知覚心理学」の初心者向け入門書です。

 バーチャルリアリティとは、「コンピューター上に構築した環境の中で、視覚や聴覚を通じて、空間を移動したり状況の変化を体験したように感じること」で、仮想現実とも言います。
 体験者はさまざまな機器をつかって、仮想の対象をあたかも実在の対象であるかのように感じ、操作することができます。

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データの罠 (田村 秀)

データの罠 (田村 秀)

 この本の内容は、統計学に基づくサンプル調査の基礎を理解している人から見ると、あまりにも当たり前の指摘です。

 が、昨今のマスコミや行政等で実施され公表されている「世論調査」と銘打っているものの中に、「如何に、意識的もしくは無知によるノイズが混じっているか」という実情を、多くの具体例を示して明らかにしている点は評価できます。

 昨今のプライバシー意識の高まりや個人情報保護の動きは所与の前提とす

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手仕事の日本 (柳 宗悦)

手仕事の日本 (柳 宗悦)

実用の美 著者の柳宗悦(やなぎむねよし 1889~1961)は、東京生まれで民藝運動の提唱者として有名です。

 柳氏の説明によると、民藝は「民衆的工芸」の略語で一般の民衆が日常つかう実用品をさし、家具調度・衣服・食器・文房具などが含まれます。また、基本的に機械を使わない手作りの工芸品で、ひとりの芸術家による一品制作品ではなく、無名の工人の集団分業作業によって多量に生産され廉価で売られたものだとさ

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グレープフルーツ・ジュース (オノ・ヨーコ)

グレープフルーツ・ジュース (オノ・ヨーコ)

  知り合いの方のBlogで紹介されていたので、手にとって見ました。
  訳者の南風椎さんによるまえがきにはこう書かれています。

(p4より引用) 心ある人々に今も歌いつがれているこの「イマジン」は
ヨーコの『グレープフルーツ』という本に
インスパイアされたものだと、ジョン自身が語っています。
「想像しなさい」という言葉は
ヨーコがジョンにあたえた
世界を変えるためのキーワードだったわけです。

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ゼロからわかる アインシュタインの発見 (山田 克哉)

ゼロからわかる アインシュタインの発見 (山田 克哉)

 以前、岩波文庫の「相対性理論」は読んでみたのですが、なるほどというのが1割程度、残りは(当然のごとく)よく分かりませんでした。

 今回は、タイトルに「ゼロからわかる」とある超入門書を読んでみました。
 超入門書と銘打っているだけあって、「どうしてそうなるのか」という根拠(ロジック)について、数式なしで、具体例をあげながら説明してくれています。とはいえ、物理学の素養のない人間(私)にとっては、や

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オシムの言葉 (木村 元彦)

オシムの言葉 (木村 元彦)

 私は小学校のころはサッカー小僧でした。今でもサッカーを見るのは大好きです。

 フォーメーションやシステムをあれこれ話題にする最近の戦術議論の中、「走る」というシンプルではありますがサッカーにおいて最も基本的な教えを厳しく実践するイビツァ・オシム氏は、以前から非常に気になる存在でした。

 これまでベストセラー系の本は、特にそれが旬の時には手を出さなかったのですが、この本は是非とも読んでみたいと

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般若心経 (玄侑 宗久)

般若心経 (玄侑 宗久)

般若波羅蜜多の響き 孔子や老子といった極めてポピュラーな思想家の著作は目にする機会が多いので、何となく「儒教思想」「老荘思想」とはこんなものかというイメージが浮びます。
 他方、東洋思想におけるひとつの大きな底流である「仏教」については、どうも「宗教」という色彩が強く、そういった先入観からなかなか触れる機会がありませんでした。

 このところ「武士道」「五輪書」あたりの流れから「禅」関連の本も読ん

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英国人写真家の見た日本 (H.G ポンティング)

英国人写真家の見た日本 (H.G ポンティング)

 スコット南極探検隊の映像記録を残したポンティングは、日露戦争を挟んで延べ3年間日本に滞在しました。

 その間、様々な人々と交流をし、また日本各地を訪れ多くの貴重な経験をしました。京都の名工を訪ねたかと思うと、浅間山噴火に遭遇し、富士登山・保津川下りなども楽しみました。
 その情景描写は細やかで豊かです。その土地土地で出会った日本人に対する暖かな視線は、その文章とともに掲載された多くの写真で証明

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歴史を考えるヒント (網野 善彦)

歴史を考えるヒント (網野 善彦)

 網野善彦氏の著作は、このnoteでも以前「日本の歴史をよみなおす」をご紹介しました。
 そこでは、「百姓」という言葉の表わす実態がいわゆる「農民」ではないとの指摘から、江戸時代以前の日本が思いの外多面的な社会相を呈していたことを明らかにしていました。

 今回の本も、普段何気なく使っているいくつかの言葉の歴史的背景を辿ることによって、「多様な日本社会」の有様を平易に描き出しています。

(p14

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蓮如 (五木 寛之)

蓮如 (五木 寛之)

 「五木寛之氏」と「蓮如」と「岩波新書」という取り合わせが気になって読んでみました。

 五木寛之氏の本は、はるか昔、中学時代に「風に吹かれて」というエッセーをはじめ何冊か読みました。当時はちょっとした流行でした。

 さて、この本ですが、五木氏自らいわく「蓮如紹介パンフレット」とのことです。蓮如という不思議な魅力をもつ人物のアウトラインを、五木寛之流の関心と感性で辿っていきます。

 蓮如(14

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木のいのち木のこころ 天 (西岡 常一)

木のいのち木のこころ 天 (西岡 常一)

個性の木組み 著者の西岡常一氏は、世界最古の木造建築である法隆寺の修繕・解体の仕事を代々受け継いできた「法隆寺大工」の最後の棟梁となった人物です。

 その西岡氏が、法隆寺大工に代々伝わる「口伝」をもとに、その経験と叡智を記したのが本書です。

 西岡氏は、飛鳥の工人の叡智のひとつとして、「木の癖を見抜きそれぞれの違いを活かす木組み」を紹介しています。

(p4より引用) 私らが相手にするのは檜で

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翻訳と日本の近代 (丸山 真男・加藤 周一)

翻訳と日本の近代 (丸山 真男・加藤 周一)

 加藤周一氏の問いに丸山真男氏が答えるという豪華メンバーの問答形式で論が進みます。
 テーマは「翻訳」。明治期初期の翻訳について、何故、何を、如何に訳したかが語られます。

 たとえば、「論語」を例に、如何に訳したかのくだりです。
 ここでは、道徳観や政治観がその背景にある例を、「朱子」と「荻生徂徠」を材料に語っています。

(p77より引用) 「異端を攻むるはこれ害なるのみ」を、朱子の注だと「異

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考える技術・書く技術 (バーバラ・ミント)

考える技術・書く技術 (バーバラ・ミント)

ロジカル・ライティング いわゆる「ロジカル・ライティング」の解説書です。
 著者のバーバラ・ミント氏は、世界の主要なコンサルティング・ファームに対してもライティングの講義を行っているこの分野の実力者です。

 当然のことながら、「ライティング」の前提には「シンキング」があります。この本では、分りやすい文章を書くためにはしっかりした「論理構成」が不可欠との観点から、いくつもの具体的なフレームワークや

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談志ひとり会 文句と御託 (立川 談志)

談志ひとり会 文句と御託 (立川 談志)

 ご存知だとはおもいますが、著者の立川談志氏は、東京の落語家です。

 辛辣な口ぶりが有名ですが、噺家としての技量には定評があります。今から20年以上前になりますが、真打ち制度をめぐって落語協会と対立、協会を離れ「落語立川流」を立ち上げました。

 私の落語の好みは、以前は上方落語中心でした。いわゆる、「上方落語四天王」といわれた、(笑福亭)松鶴・(桂)米朝・(桂)小文枝(後の故5代目桂文枝)、(

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